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掲載日:2023年10月20日
Q 細川威 議員(民主フォーラム)
近年、日本全国で水難事故が多発していますが、安全とされている学校のプールでも、毎年一定数の事故が報告されています。事故の原因や背景は様々ですが、教員の監視不足、児童生徒のスキル不足、体調不良などが主な原因として挙げられています。
これらの事故を防ぐために、学校側は定期的な監視員の研修、安全教育の徹底、救命用具の設置、生徒の健康状態のチェックなど、対策を取られていると聞いています。
令和4年5月のスポーツ庁の通知では、海や河川における水難事故及びプールでの水泳事故などにより多くの犠牲者が出ていることが報告され、関係機関や関係団体との協力の下、事故防止のための措置を徹底することを求めています。
こうした背景の中、京都市では、小学校での水泳事故を教訓とした「HANAモデル」という、学校プール事故を予防するための取組が導入されています。このモデルは、事故を防ぐための具体的な取組を示すものとして、多くの学校や関連団体で参考とされています。この「HANAモデル」は、教職員が共通の理解を図ることで事故を未然に防ぐとともに、事故などの緊急時には迅速、適切な対応を連携して行う取組です。京都市内の小学校で独自に行われていた実地訓練を京都市教育委員会が市内の共通の取組として位置付け、名称を「HANAモデル」と改め、各校に広められています。
埼玉県においても、平成18年に示した学校プールの安全管理指針を基に取り組み、毎年度プールの安全対策について、指導・管理の徹底を図るよう各市町村の教育委員会に通知を出されておりますが、さらに、この京都市の「HANAモデル」のような実践的であるモデルを取り入れていくべきだと考えますが、教育長の見解をお伺いします。
A 日吉亨 教育長
学校におけるプール事故は、全国で毎年のように一定数が報告されており、本県でも全ての学校においてこうした事故防止を徹底する必要があります。
そのため、県では、平成18年に「学校プールの安全管理指針」を策定し、主に事故の発生を防止することを主眼として、事前の設備点検や児童生徒の健康観察、水泳学習中の監視の徹底等に取り組んできたところです。
議員御提案の「HANAモデル」は、直接的な事故防止だけではなく、教職員の危機管理意識の向上を目的とした実地訓練の実施などの日常の取組や、事故が発生した際に対応すべき具体的な内容、教職員の役割分担などが、分かりやすく示されています。
本県においても、こうした「HANAモデル」の要素を取り入れることで、事故防止に向けた組織力や事故発生時の対応力の向上が期待できると考えます。 県といたしましては、本県の「学校プールの安全管理指針」について、この「HANAモデル」を参考に内容の見直しを図り、県立学校や各市町村に広く周知し、学校におけるより一層確実な事故防止対策や緊急時の対応ができるよう取り組んでまいります。
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