埼玉県議会 県議会トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:243373

掲載日:2023年10月20日

令和5年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(水村篤弘議員)

武蔵野の落ち葉堆肥農法の世界農業遺産認定について

Q 水村篤弘 議員(民主フォーラム)

今年7月5日に国連食糧農業機関により、武蔵野の落ち葉堆肥農法が世界農業遺産に認定されたという嬉しいニュースが飛び込んできました。武蔵野の落ち葉堆肥農法とは、所沢市や川越市、ふじみ野市、三芳町にまたがる武蔵野地域で江戸時代から継承されている、栄養分が少ない土地に落ち葉を集めて堆肥として畑に入れて土壌改良を行い、肥沃な土地に変える循環型農業のことです。2014年以来、4度目の挑戦で認定されました。粘り強く認定に取り組んできた皆様に心から敬意を表します。
9月23日には、ウェスタ川越で「第13回『農』と里山シンポジウム~『落ち葉』の力を使う!~」が開催され、三富地域農業と平地林の利用促進について講演を拝聴してきました。改めて、武蔵野の落ち葉堆肥農法という持続可能な農法を遺産として残していかなければならないと感じました。
以上を踏まえて質問は、一点目、世界農業遺産認定が本県の農業に与える影響をどのように考えているのか、御見解をお伺いいたします。
二点目、世界的な評価を頂き、武蔵野地域の活性化にもつなげていくべきだと考えますが、県民や県外、そして国外に向けてどのように情報発信をしていくのでしょうか。
三点目、武蔵野の落ち葉堆肥農法を末永く守り、その理念を広く波及させていくためには、県民を巻き込んでいく必要があると考えますが、御見解をお伺いいたします。

A 横塚正一 農林部長

世界農業遺産の認定は、武蔵野地域が、大都市近郊でありながら開拓当時の景観をとどめ、約360年に渡り、持続可能な伝統農法を継承してきた点が高く評価されました。
この認定により、実践農業者や落ち葉掃きなど保全活動に取り組む方々に、伝統農法を後世にしっかり継承するという意識が、更に強く根付くものと考えられます。
本県農業に与える影響としては、土づくりや地域資源を活用した農業が世界的に評価されたことを受け、県内各地にそうした取組が広がることが考えられます。
さらに、県産農産物の知名度向上や消費拡大、観光産業との連携による交流人口の増加なども期待をしています。
これらの影響や効果を実現するため、様々な機会を捉え、武蔵野の落ち葉堆肥農法の世界農業遺産認定について、情報発信してまいります。
次に、「県民や県外、そして国外に向けて、どのように情報発信するのか」についてです。
このたびの認定は、武蔵野地域および県全体の活性化につなげる必要があり、県内外や国外への情報発信は極めて重要です。
県内では、「彩の国だより」10月号の特集記事、11月に開催する「県庁オープンデー」や「彩の国食と農林業の祭典」等においてPRを行います。
また、関係市町等で構成する「武蔵野の落ち葉堆肥農法世界農業遺産推進協議会」では、今後作成するロゴマークを活用し、地域のブランド力の向上や、後世へ継承する機運醸成に取り組むこととしております。
県外や国外に対しては、同協議会、県・関係市町・農林水産省等において、ホームページなどで、外国語による表記や外国語のPR動画の掲載も含め、情報発信を行っています。
また、今後、認定証授与式がイタリアのローマで開催される予定であり、海外で直接PRする機会も期待できます。
同協議会や県関係部局とも連携し、県内外や国外に対してしっかり情報発信してまいります。
次に、「『武蔵野の落ち葉堆肥農法』を末永く守り、その理念を広く波及させるために、県民を巻き込む必要性について」です。
落ち葉堆肥農法に必要な大量の落ち葉を集める作業には、多くのボランティアの方に参加いただいています。
このため、本農法の後世への継承には、担い手の確保に加え、その取組に共感し、支援者となっていただけるよう、多くの県民の方を巻き込む必要があります。
現在、関係市町や地元JA、県などで構成する三富地域農業振興協議会では、野菜の収穫体験や落ち葉掃きイベントなどを開催し、都市住民との交流を行っています。
先日、地元県議会議員の皆様に御出席いただきました「農と里山シンポジウム」は、県民の方に対し、落ち葉堆肥の魅力を伝え、平地林が生み出す有機物の有効活用を提案するために毎年開催しています。
今回の出席者からは、「SDGsの観点で時代の最先端の農法であった」、「歴史ある農業を続ける街で生まれ育ち誇りに思う」など共感の声がありました。
このように多くの県民の方に共感していただき、支援者となっていただけるよう、関係団体と連携し、本農法の理解を促進する取組を推進してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?