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掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中屋敷慎一議員)

埼玉県5か年計画について-小・中学校に在籍する不登校児童生徒が学校内外の機関等で相談・指導を受けた割合について-

Q   中屋敷慎一 議員(自民)

この指標は、「不登校は問題行動ではない」とした教育機会確保法の趣旨を踏まえ、不登校児童生徒の多様で適切な教育機会を確保していくためには、教育支援センターにおける支援の充実や民間団体、民間施設等との連携を進め、不登校児童生徒の相談や指導につなげることが重要であるとの理由で修正されたものです。令和2年度の現状値67.4%を令和8年度には85%まで引き上げるとしていますが、コロナ禍であったとはいえ、令和3年度は62.7パーセントにまで下がってしまいました。県内公立小・中学校の不登校児童生徒数が1万人を超える中で、約4割の児童生徒が専門的な相談・指導を受けていない状況は極めて憂慮すべき事態です。
そこで、教育長に伺います。
まず、この状況をどう受け止めていらっしゃるのでしょうか。そして、不登校の当事者は児童生徒であり、その保護者であるため、現場の教員が不登校の予兆を察知した時点からの当事者と学校等との相談体制について、対応マニュアルの作成なども含め、更なる強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。また、一昨年の文教委員会でも指摘させていただきましたが、不登校特例校の設置をなお一層急ぐ必要があると考えますが、いかがでしょうか。教育長のお考えをお示しください。

A 日吉亨 教育長

不登校の児童生徒やその保護者は、また学校に通える日が来るのだろうか、社会から取り残されるのではないかといった不安や悩みを抱えていると思っております。
その気持ちに寄り添い、学校の対応だけでなく、専門的な相談機関と連携して、学びを止めないよう適切に支援することが重要です。
小中学校の不登校児童生徒の約4割が専門的な相談・指導を受けておらず、令和3年度にはその数値が低下したことは、私も、大変重く受け止めています。数値の低下について「学校内外の機関」の内訳を分析したところ、学校内や民間団体等で相談・指導を受けた人数は前年度から約20%増加したのに対し、市町村教育支援センターで相談・指導を受けた人数は4.5%の増加に留まっていました。令和3年度の不登校児童生徒数が前年度から25.1%増加したことを踏まえると、各市町村の教育支援センターで、より多くの支援ができるよう、さらなる機能強化が重要と考えます。
そこで、県では、今年度から、不登校生徒支援教室「いっぽ」の取組も踏まえて、県内定時制高校3校と地元の教育支援センターとの交流事業を実施することといたしました。
こうした事業や「いっぽ」の成果を各市町村に発信するなど、教育支援センターの機能強化に向けた支援に取り組んでまいります。
次に、現場の教員が予兆を察知した時点からの、当事者と学校等との相談体制について、更なる強化が必要ではないか、についてでございます。
議員御指摘のとおり、不登校の予兆を早期に察知し対応することで未然に防ぐ取組も非常に重要な観点と考えます。
そのためには、全ての教職員が「不登校はどの子供にも起こりうる」との基本認識に立ち、専門的なスタッフと連携し、組織的な支援を実施することが求められます。
県では、教職員向けの不登校対策支援リーフレットを作成し、支援の視点や具体的な対応方法等を周知するとともに、学校の教育相談体制の充実のため、スクールカウンセラーの配置拡充などを図ってまいりました。
これらの取組の成果を検証の上、議員お話のより詳細な対応マニュアルの作成なども含め、学校の教育相談体制の強化方策を検討してまいります。
次に、不登校特例校の設置をなお一層急ぐ必要があると考えるがいかがか、についてでございます。
どうしても今の学校になじめないといった不登校児童生徒の学びの場として、不登校特例校は重要な選択肢の一つであると捉えています。
県では、不登校特例校の設置などの多様な教育機会の充実に向け、今年度4月に、県と市町村の協議会を設置いたしました。
この協議会では、他県の不登校特例校の紹介や国の支援制度などの情報共有を行うとともに、今後、不登校特例校の設置に向けた意見交換や、「いっぽ」の成果報告などを行ってまいります。
こうした中、川口市議会において、執行部から不登校特例校の設置に向けた検討を行うとの表明がなされるなど、市町村の課題意識の高まりを感じているところです。
県では、川口市で早期に不登校特例校の設置が進むよう支援するとともに、他の地域での設置促進や、教育支援センターの機能強化への支援を積極的に進め、不登校児童生徒が学びたいと思ったときに学べる環境の整備にスピード感を持って取り組んでまいります。

再Q 中屋敷慎一 議員(自民)

1点だけ、再質問といいますか、教育長にお考えを、私が考えていることと伴走していただけているかどうかの確認だけをさせていただきたいというふうに思います。小・中学校に在籍する不登校児童生徒が学校内外の機関等で相談・指導を受けた割合についての質問の中で、予兆段階で現場の教職員が気付いた、その部分を強化するために対応マニュアルを作ったらどうかということで御提案。それで、そういう御答弁を頂いたんですけれども、この教育機会確保法は不登校は問題じゃないといっている。しかし、現場の先生方、学校をあずかる皆さんは学校に来てほしい。恐らくそこは、ずっとこう同じ距離感なんだというふうに思うんです。ですから、予兆段階で気付くことによって、子供たちはより学校に来やすくなるというふうに私は思っているんですね。
その部分が、教育長もそのようにお考えいただけているかどうかの確認だけさせていただければというふうに思います。

再A 日吉亨 教育長

議員御指摘のように、不登校の児童生徒については、まずその予兆段階からしっかりと気付くということが重要であるということは、認識しております。
私も担任をしておりまして、そういった生徒を対応したことがございました。やはり、担任といたしましては、毎日生徒が教室で全員がしっかりと出席する。これが何よりも嬉しいことでございます。
まずしっかりとそういった予兆に教員が気付くことが出来るように、研修等を通じて、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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