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掲載日:2022年7月12日

令和4年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木功介議員)

消費者契約についての教育

Q   高木功介 議員(自民)

成人年齢が18歳に引き下げられ、新成人の消費者トラブルの回避について注目されております。しかし、消費者契約は18歳から急に発生するものでありません。当然、18歳に満たない者でも消費者契約を結ぶことができるので、トラブルに巻き込まれることもあります。
そのため、消費者契約について、小学校高学年あたりから学習する必要があると考えます。特に電子消費者契約、いわゆるeコマースが発達している現在、対面で相手の顔が見えない消費者契約は、いろいろなトラブルを生む可能性があります。大きく2つのケースが予想されます。
1点目、売主側が悪意を持って未成年をだますことです。
消費者契約を取り消すことを告知しないで、消費者契約を未成年と結ぶ事例が予想されます。その際、未成年は、その契約は原則的として取り消すことができるものだと事前に知っておくことが、身を守るすべになります。親をはじめ周囲の大人に相談すればよいじゃないかと思うかもしれませんが、うそをついたり後ろめたい契約をしてしまったら叱られるのではないか、若しくは逮捕されるではないかと心配になり、素直に相談できない未成年が少なからずいるのではないでしょうか。そうした人の弱みに付け込む悪徳商法があるのも現実です。悪徳商法に引っかかり、それを契機に人生が狂う未成年を出してはなりません。
2点目は、1点目と逆に未成年による制度の悪用についてです。
法律行為を取り消せる立場であることだけを強調してしまうと、それを悪用したいたずらが、はやるかもしれません。そうしたいたずらは、ある時に成人に泣き寝入りを強いて、社会経済に大きな不安をもたらします。また、あるときは、悪評の程度や内容が民法21条の詐術と認定されるなどの理由により、取消しが認められずに、未成年本人に多大な不利益をもたらすものです。
消費者契約において、こうした行為を誘発しないような倫理教育を同時にする必要があります。他県では、例えば千葉県や滋賀県は、ボードゲームを使い、分かりやすく消費者契約について教育をしております。愛知県では、公開サイトで中学生、高校生向けに、消費者契約について解説している動画を配信しています。こうした教育は、契約のみならず、消費行動に対して正しく理解させるものです。お金の大切さや、将来に備えることの重要性、消費者被害に遭ったときの相談先などを具体的に学ぶことを小学生に教えることは重要だと考えます。
18歳成人に備えた消費者教育のみならず、小学校高学年からの消費者契約、消費行動に関する学習を埼玉県でも行うべきと考えますが、教育長の答弁を求めます。

A   高田直芳 教育長

議員お話しのとおり、成年年齢の引き下げに伴い、早い段階からの消費者教育の充実が求められています。
小学校では、様々な教科で、生産や販売の仕組みについて学んでおり、例えば、家庭科では、契約や支払方法を学ぶ中でインターネットなどによる通信販売についても学習しています。
また、中学校では、社会科で、契約の重要性や意義などを学ぶとともに、技術・家庭科では、未成年者が契約を取り消すことができる場合があるなど、消費者トラブルを未然に防ぐための方法を知り、加害者にも被害者にもならないよう学習しています。
県におきましても、県消費生活支援センターと連携し、小中学校や高校の教員を対象とした、インターネットの利用に伴う消費者被害の実態とその防止策などの研修や、専門家による小中学校における出前講座などを実施しております。
今後、他県の消費者教育に関する事例も参考にしながら教員研修の充実を図るとともに、県内市町村の好事例なども他の市町村教育委員会等に周知し、小学校高学年からの消費者契約や消費行動に関する教育を積極的に実施してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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