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掲載日:2022年7月12日
Q 井上 航 議員(県民)
大野知事は、令和元年8月に「日本一暮らしやすい埼玉を実現する」を合い言葉に、政策と自身の強みを訴え当選されました。大野知事はその際、参議院議員時代の経験を踏まえて、政策に明るい実務家であり、党務ではエネルギー、憲法、安全保障などの政策取りまとめを行い、過去1年間で参議院全議員立法の約1割を起案、提出したとアピールしておられます。こうした大野知事の政策通ぶりに期待をした県民も多いことと思います。
さて、県政において立法といえば、すなわち条例制定を指します。昨今、全国の知事選では、自身の思いを込めた条例を制定することを公約にうたうケースや、逆に選挙で掲げた公約、政策を実現するため条例を制定する動きが見られます。また、日頃の公務を通して県民の声を聴き、知事が決断して制定を進められるケースもあることでしょう。私は、これらを知事肝いりの政策条例と呼んでおり、こうした動きに大変注目をしています。
そこで、私は全国の知事の公約や、それに類する政策方針に基づき知事の発案で制定された条例について、本県を除く46都道府県に調査を行いました。その結果、例えば富山県では、知事の公約に基づき、海外留学する県内の大学生等に県内企業への一定期間の勤務を返還免除の条件とした奨学資金制度を新設するための条例が、令和4年3月に制定されています。滋賀県では、知事の2期目の公約集に掲げた3つの条例が制定されました。新潟県では「知事へのたより」、こちらへの投書を基に知事が条例化の指示を出し、令和3年3月に新潟県希少野生動植物保護条例が制定されています。このように知事の肝いり条例は多くの都道府県で制定されています。
無論、公約の実現やより良い県政づくりを進めるに当たっては、条例を作ることが全てではありません。特に、首長は条例制定のほかにも予算編成、組織改正に人事など、実現のための手段は多数あります。
そこで、以上を踏まえて、政策実現のために条例を制定することに対する大野知事の御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
知事には行政の執行者として、県民の声を聴き、それに応える政策を実行する責任がございます。
そのため、執行部から新たな条例案を提出する際には、「かくあるべき」という理念的な目標だけではなく、より実効性が高い内容であるべきと考えます。
政策を実現していくには、議員御指摘の条例制定や予算の執行、組織改正や人員拡充のほか、行政計画の策定など様々な手段がございます。
私は、これらの手段をバランスよく用いて施策を遂行することにより、政策実現に向けた効果を担保していくことが重要だと考えています。
まずは、今年度から、県政運営の基礎となる総合計画である「埼玉県5か年計画」に着実に取り組み、それに伴う予算を執行していくことで政策の実現に取り組んでまいります。
他方、政策を進めていく中で、場合によっては現行の条例や制度では対応が困難な課題等が生じることもあります。
その際には、政策を実現する手段として、条例制定が選択肢となると考えており、必要な場合には積極的に活用させていただきたいと考えております。
再Q 井上 航 議員(県民)
知事のお考えというのはよく分かりました。制定を否定するものではないということだと思います。
ではですね、大野知事の任期は間もなく3年を経過して、残すところあと1年となっております。先ほど全国の事例を紹介いたしましたが、時代や状況に合わせて制定する事例というのは複数あって、例えば、新型コロナ対策であるとか、SDGsの推進を図るために制定されたものであるとか、令和3年7月に静岡県熱海市で違法な盛土を原因とする土石流が発生し、甚大な被害が生じた事例がありましたが、これを受けて鳥取県や新潟県では盛土等に関する斜面の安全確保や規制に関する条例が制定されております。特に鳥取県の条例は、熱海の事例が発生してから僅か5か月後の令和3年12月に制定をされています。
是非ですね、大野知事においては、時代の要請がある場合には、今任期中の制定についてもしっかりと検討していただきたいと思いますが、知事の御所見を再度お伺いしたいと思います。
再A 大野元裕 知事
政策を推進するに当たり、時代や状況の変化に合わせて生じる課題にも、柔軟に対応していくことが求められると思います。
これまでにも、私は政策を遂行する中で、幾度にもわたり、条例の制定についての検討を部内等で進めてまいりました。
政策を実現する手段として、新たに条例を制定することが良いのか、他の手段が良いのかをこれまでも検討してまいりましたが、適切と考える場合には、躊躇 なくこれを実施いたします。
あくまでも、条例の制定は、しかしながら、いつまでにというのではなく、その必要性で判断をすることが適当と考えますので、いずれにいたしましても、不断に条例の制定についても検討をしていきたいと考えます。
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