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掲載日:2024年10月17日
Q 諸井真英 議員(自民)
農林水産省は昨年11月、令和3年産の主食用米の適正生産量を令和2年産の生産量723万トンより30万トン以上少ない693万トンとする基本方針を決定しました。作付面積にすると全国で約6.7万ヘクタールの削減となり、過去最大規模の転作面積となることが判明をしております。埼玉県でも埼玉県農業再生協議会において令和3年産埼玉県水田農業作付ビジョンの中で、主食用米の作付面積を令和2年産比1,520ヘクタール減少させる計画を策定し、その目標はおおむね達成したというふうに聞いております。主食用米の減産は避けられない情勢というふうになっております。
ただでさえ、少子高齢化による人口減少と日本人の多様化した食生活によって米の需要が減少傾向にあることに加え、長引くコロナ禍によって飲食店は時短営業を余儀なくされており、外食需要が激減し、米の民間在庫がダブついている。結果、米価の大幅下落という負のスパイラルに陥っていると認識しております。しかしながら、このままの状況を放置すれば、農家の米生産の意欲はますます落ち込み、廃業する農家が続出するのではとの懸念も聞かれております。
そこで、農林部長に以下お伺いいたします。
1点目、主食用米から飼料用米などに転作するのは今年度1,520ヘクタールということでありますけれども、県として主食用から飼料用米などへ今後更なる転作をするよう誘導していくつもりなのかどうか、お伺いいたします。
2点目、国が発表している令和2年産の主食用米全銘柄の相対取引価格は、前年比で60キロ当たり1,100円下落と6年ぶりに下落したのに続いて、令和3年産主食用米の価格も大幅に下落をしております。農機具や燃料費など経費は上昇する反面、米価の下落傾向がこのまま続けば、米作農家は更に厳しい状況となることは容易に想像ができます。
現時点で国が何らかの対策を考えているのかもしれませんけれども、県として独自に米作農家への支援をすることはできないのか、お伺いいたします。
3点目、9月8日に農水省が発表した今年の輸入小麦の売渡価格が従来よりも19%値上げされるとの発表があり、パンやパスタ、うどんなどの麺類の値上げが想定をされます。
県としては、今こそ県内外食産業などと連携して、日本人の主食である米飯食の需要を喚起する活動が必要と感じますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
A 強瀬道男 農林部長
主食用から飼料用米などへと更なる転作をするよう誘導していくのかについてでございます。
米価の安定を図る上では、需要の拡大と需要に応じた生産の推進という、両面の対策が重要です。
県では、県産米の消費拡大にも取り組んでいますが、在庫の解消や大幅な需要拡大を即座に実現することは困難であり、当面は主食用米からの作付転換に取り組む必要があると考えています。
国では、令和4年産の作付転換について、産地での話し合いや生産資材の準備を早期に始められるよう、主食用米の適正生産量を示す時期を例年より1か月早め、10月中旬に示すこととしています。
県では、こうした国の動きを踏まえ、飼料用米のほか、今後、需要の拡大が見込まれる麦や大豆、野菜などへの転換を進め、生産者の経営安定を図ってまいります。
次に、県として独自に米作農家への支援をすることはできないのかについてでございます。
米価を回復させるためには、まずは全国的な民間在庫の削減や、主食用米からの作付転換を推進する予算の確保など、国による対策が不可欠であり、農林水産大臣に対し要望を行ったところです。
県独自の取組につきましては、業務用米に比べ売り値が高い家庭用米の販路拡大を狙いとして、これまで県産米の取扱いがなかった量販店系列の県内の36店舗において、彩のきずなの増量キャンペーンを実施しています。
引き続き、量販店での常設販売の拡大を目指し、新たな店舗の開拓を進めてまいります。
また、農業者の経営努力では避けられない収入減少を幅広く補てんできる収入保険をはじめ、農業経営のセーフティネットの普及を進めています。
特に、今回の米価下落を踏まえ、埼玉県農業共済組合などと連携し、改めて生産者へ収入保険に関するチラシを配布するなど、収入保険への加入を更に積極的に推進してまいります。
こうした取組を通じて、国や農業団体とも連携しながら、生産者の所得確保に努めてまいります。
次に、県内外食産業などと連携し、米飯食の需要を喚起することが必要と感じるが、どのように取り組んでいくのかについてでございます。
議員お話しのように、米の需要量が減少する中、米飯食の需要を喚起し、米の消費拡大を図っていくことは、生産者の経営安定につながるものと考えます。
県では、埼玉県米消費拡大推進連絡協議会の活動を通じて、ごはん食を作る親子料理教室や、県民参加のレシピコンテストなどの取組を行ってまいりました。
また、県内外食企業が新たにオープンした店舗において、提供する米を全て県産米とし、県産米の使用をPRすることで、米を使ったメニューの販売促進を行っています。
今後こうした取組が広がるよう、県産米を取扱う仲卸事業者や関係団体と連携し、県内外食産業への働きかけを強化するなど、米飯食の需要喚起と県産米の消費拡大に取り組んでまいります。
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