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掲載日:2024年10月17日
Q 諸井真英 議員(自民)
8月中旬から9月にかけて感染者の激増が続く中、春日部保健所管内で起きた自宅療養者の50代男性が亡くなられたケースは、大きな衝撃をもって全国に報道されました。この件は感染者の急増により本来行うべき健康観察が行われなかったことによるものです。自宅療養者から死者を出したことは、県として大いに反省しなければならないと考えます。
さて私自身、新規感染者が急増した8月24日に陽性となり、27日に入院するまでの4日間、自宅療養をいたしました。まず、私自身の体験から改めて感じることは、自宅療養というのは大変都合のいい言葉であって、その実態は自宅放置であったということです。
陽性となった日の翌朝に保健所から電話をいただき、何かあった場合の連絡先として宿泊・自宅療養者支援センターの電話番号を伝えられました。しかし、私はその日の午後と夜、そして翌26日朝にも電話したのですが、一度もつながることはありませんでした。その後、同26日午後に保健所から別の番号の窓口を案内され、そちらにも電話をかけましたけれども、コールはしたんですけれども誰も出ないというような状況でした。
後に保健医療部に確認したところ、この2番目に教えてもらった番号は夜間の電話窓口だったということですけれども、保健所からは電話のつながらない支援センターの代わりとして案内されただけで、日中はつながらないとの説明はありませんでした。
そして、翌27日に保健所から、やはり保健所で対応しますという電話がありました。わずか4日間で緊急時の連絡先が三度変わるというようなことになりました。その日の夜、私は容態が悪くなり、保健所に連絡し入院することとなりました。
容態悪化が1日もし早かったらどうなっていたのか。高熱と呼吸困難な中、つながらない相手に電話をかけるというようなことになり、更に悪化していたのではないかと思います。また、電話窓口につながらなかっただけではなく、健康観察の電話など自動電話も含めて一度もかかってきたことはありませんでした。
そこで、大野知事にお伺いいたします。
感染者急増で委託業者の業務もひっ迫をしていたということは想像はできますが、県は連絡窓口が機能していないこの状況を把握していなかったのでしょうか。把握できていなかったのであればその要因、把握していたのであれば対処できなかった要因をお伺いいたします。
自宅療養者は他人との接触も制限され、1人不安なまま過ごさなければなりません。緊急電話窓口や健康観察でのサポートは最後のとりでのようなものですが、残念ながら機能していませんでした。業務がひっ迫し対応できなくなったのは体制に問題があったのではないかと思いますが、今後どのように改善していくのか、お伺いいたします。
また当初、保健所から食料やパルスオキシメーター、解熱剤などの薬を送る旨の案内をいただきましたが、食料は最初の案内から1週間後に自宅に届き、薬は結局届くことはありませんでした。後に確認したところ、薬は医師からオンライン診療や電話での健康観察が行われた人にのみ症状に応じて送付しているとのことでしたが、当時はその説明はありませんでした。そのため、いつ来るのかなということで待ち望んでいましたけれども、結局届くことはなく、容態は悪化しました。
今回のようなケースは一歩間違えれば命に関わるもので、支援の内容について正確に伝えるべきではなかったかと思います。必要な物が必要なときに届かず、正しい情報を伝えていないことで県の信用を大きく損ねる上、重大な事故につながりかねません。業務が多忙なのは承知をしておりますが、支援に当たる職員や委託業者に向け、いま一度必要な指導を行っていくべきというふうに考えますが、大野知事に御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
県は直接、連絡窓口が機能していない状況を把握していなかったのかについてでございます。
県が運営を委託した埼玉県宿泊・自宅療養者支援センターにつきましては、感染が急拡大した7月下旬頃から業務がひっ迫し始めました。
その頃から、支援センターから業務日報の提出が滞りはじめ、県では支援センターの業務がどの程度ひっ迫しているのか、正確に把握できない状況でありました。
県では、頻繁に支援センターに対し問い合わせを行いましたが、どの業務がどの程度遅れているのかについての報告がございませんでした。
県では支援センターの業務がひっ迫しているとの認識から、速やかな増員と電話回線の増強を行いました。
さらに、県では看護師約30人を採用することにより、支援センターの業務を一部代行いたしました。
支援センターの業務状況を県が十分に把握できなかった要因は、支援センター業務がオーバーフローした結果、支援センターから県への報告を怠ったためです。
また、議員御指摘の頻繁に窓口が変わり、説明が行き届かなかった点につきましては反省すべき点と考えますが、ちょうど議員が療養された8月26日にセンター委託事業者に見切りをつけ、保健所で観察を行う仕組みに急きょ変更した日でございました。そこで一時的な混乱がまさに生じたときでございました。
次に、自宅療養者の健康観察体制について今後どのように改善していくのかについてでございます。
県では、いわゆる第3波の倍の新規陽性者数に対応できるよう、国から示された推計を基に、4月にはおよそ4,600人の自宅療養者数が発生すると試算しておりました。
しかし、実際には、8月22日のピーク時には、18,617人の自宅療養者が発生いたしました。
これらの状況を受け、県では、自宅療養者18,000人に対応できる体制を構築できるよう、本定例会に必要な予算を提案させていただいております。
具体的には、支援センターにおいて、最大で15,500人の健康観察を行えるよう、運営を複数の事業者に委託することで、事業者の負担を分担するとともに、感染者急増時にも対応できる体制といたします。
また、保健所で最大で1,000人の健康観察を行えるよう、派遣看護師を26人増員するなど、保健所の体制も強化をいたします。
さらに、地域の医療機関で最大で1,500人の自宅療養者の健康観察を行えるよう、専門の窓口も設置します。
こうした取組により、次の感染拡大にしっかりと備えてまいります。
次に、支援にあたる職員や委託業者に対し今一度、必要な指導を行っていくべきについてでございます。
議員御指摘のとおり、自宅療養中の方に、必要なものを必要な時に届けるとともに、支援の内容を正確にお伝えすることは大変重要です。
現在、県では保健所業務の標準化やICT化を進め業務の効率化を図り、食料やパルスオキシメーターの円滑な配送を行ってまいります。
また、市町村と協力することにより、自宅療養者の生活支援体制を更に強化をしてまいります。
自宅で不安な思いを抱える自宅療養者にとっては、保健所等からの連絡が貴重な情報源になります。
業務ひっ迫時においても、正しい情報を丁寧に伝えられるよう、多くの応援職員が支援に入っても機動的に活動できるようにマニュアルの再確認などを進めてまいります。
今後は、委託事業者を含む全ての職員が、自宅療養者に正しい情報を適切に伝えることの重要性を肝に銘じて業務にあたるよう、改めて指導してまいります。
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