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掲載日:2022年10月12日
Q 鈴木正人 議員(県民)
本県にも人的被害10名、強風による屋根の損壊15棟、床上浸水1棟などの被害を出した令和元年の台風15号でありますが、御承知のとおり千葉県においては直接被害を受けた9月9日未明から2週間以上経過した段階でも、大規模停電は8市町村、約2,300戸で続き、いまだに千葉市緑区や君津市など9地区、127件については復旧のめどが立っていないとのことであります。
この台風により、千葉県内で送電線2本と電柱84本が倒壊したほか、約2,000本の電柱が損傷していることが確認され、東京電力による9日午前8時のピーク時に約64万戸の大規模な停電が発生いたしました。驚いたことに、1週間以上経過した17日午後7時半時点でも6万戸余りで停電が続き、その後の復旧に時間を要したことによって、停電は異例の長期に及んだのが特徴であります。
その間、通信網が途絶した地域からは被害の報告ができず、状況が正確に把握できない状態が続いておりました。大切な水のライフラインでも、浄水場などから家庭に送るポンプが停電の影響で使えず、また高台にたまっていた水が減ったことなどから断水が発生したため、県知事から災害派遣要請を受けた自衛隊が給水車を派遣するという事態になりました。
森田知事も、12日の定例記者会見で情報収集などの遅れを認め、東京電力に不眠不休でやってほしいと発言したことが炎上する一方、県の災害対策本部から職員を被災地域に派遣していない事実も判明をしております。埼玉県も、9日の被害発生以降、千葉県に対して支援できることはないかと問い合わせておりましたが、4日経過した12日の夕方の段階まで、今は救援は必要としていない、千葉県も被災市町村から救援要請を受けていないので、県として要請を出していないということだったとも伺っております。
森田知事が、市町村では報告が遅れているところもあるので、県の職員を出そうと思っていると語ったのが停電から4日目の発言、報道陣から県が情報を収集し、支援を行っていくことが必要ではなかったかと問われると、大きな反省材料としてやっていかなければならないと、対応の遅れを認める形となりましたが、情報収集などの初動の遅れがライフライン復旧への混乱を招き、復旧を長期化させたという見方が広まっております。
大野元裕新知事におかれましては、国会議員時代から危機管理に関してのエキスパートとして人の命を守る政治を心掛けておりましたので、台風15号の被害を踏まえて、本庁と地域機関の危機管理体制についても早速検討を開始していると就任挨拶でも述べられております。
そこで、埼玉県では、台風15号被害での千葉県の対応の遅れなどの反省を踏まえて、2点ほど大野知事にお伺いいたします。
まず、埼玉県はようやく支援要請のあった9月13日から千葉県に職員を派遣していると伺っておりますが、今日までの本県から千葉県への支援の状況について、どのように貢献されてきたのかお伺いいたします。
次に、今回、多くの疑問の声や批判を浴びることとなった千葉県の対応ですが、客観的に振り返ってみて、どのあたりに問題があり、県のトップの指揮官として県の対応はどうすべきであったと考えるのか、本県にも多大な被害を与えかねない台風被害による大規模停電について、今後の備えをどうされるのかお伺いをいたします。
A 大野元裕 知事
「本県から千葉県への支援の状況について」でございます。
まず、台風15号により被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
本県では被害の大きかった千葉県に対して、9月9日未明の台風直撃直後から人的・物的の両面から支援を行ってまいりました。
まず、人的支援でございますが、9月10日に災害派遣精神医療チームとして4人を、翌11日には災害派遣医療チームとして22人を派遣して被災した病院の状況確認や患者搬送などを行いました。
9月13日からは、全国知事会関東ブロックの代表として延べ8人の県職員を千葉県庁に派遣して、現地と関東各都県を結ぶ連絡調整役として任に当たっています。
例えば、ブルーシートの提供可能枚数を各都県に打診し、関東地方から1万4,000枚を千葉県内の市町村に提供する調整などを行いました。
また、同じ13日には総務省からの要請を受け、その日のうちに災害マネジメント総括支援チームとして3人を富津市へ派遣し、現在までに延べ7人が活動しています。
支援チームでは、災害対策本部会議などを通じて、災害対応について市長への助言や支援に関する連絡調整を行っています。
さらに、住宅被害認定調査を支援するため、県が県内の市町村と調整し、9月20日から12市町の職員12人を派遣しています。
翌21日からは、環境省からの要請により、県職員1人を同じく富津市に派遣し、仮置き場での災害廃棄物の仕分け指導などを担っています。
本県は、他県に先んじて職員派遣を行っており、懸命に支援をしてまいりました。
物的支援といたしましては、ブルーシート計6,000枚を埼玉県トラック協会に輸送の協力をいただき、富津市、八街市、多古町に提供しております。
自然災害の脅威は正に人ごとではありません。引き続き近隣都県と協力し、千葉県に対しできる限りの支援を行ってまいります。
次に、「大規模停電に向けた、本県の備えについて」のうち、千葉県の対応はどこに問題があり、どうすべきであったかについてでございます。
現時点までに報道されていることが事実であるならば、千葉県の対応は情報収集が十分にできず、被害状況の把握が遅れたことが一番の問題と捉えています。
仮に本県でこのような災害が発生し、通信が混乱した場合、まず、地上系、衛星系の防災行政無線、さらには衛星携帯電話といったあらゆる通信手段を活用しながら市町村の情報を得ることが重要で、改めて確認をさせたところでございます。
あわせて、災害発生時には、防災ヘリで上空から被害の全体像を把握するよう指示いたします。
さらに、大きな被害が見込まれる場合には、市町村にはプッシュ型で県職員を派遣し、県の災害対策本部との連絡調整を行わせたいと考えています。
次に台風被害による大規模停電への今後の備えをどうするのかについてでございます。
今回の千葉県の台風被害は、広範囲で長期に及ぶ大規模停電を引き起こし、電気だけでなく通信、水道と極めて重要なインフラ機能を停止させるなど生活全般に深刻な影響をもたらすことが改めて浮き彫りとなりました。
現在、長期間にわたる停電への備えとして、県庁をはじめとする県の防災拠点での電源の多重化や、石油連盟との覚書による公共施設や災害拠点病院など重要施設への燃料供給体制を整備しています。
また、電源車や発電機などを速やかに配備していただけるよう国との緊急連絡体制も整えております。
避難所の電源としての電気自動車活用についても、自動車会社と協議を進めております。
また、家庭や地域での備えも重要です。
各家庭に対しては、彩の国だよりやイツモ防災タウンページ、停電時に役立つ情報を盛り込む新たなマニュアルブックなどにより、水、食料のほか照明用ランタンなどを備える必要性を周知してまいります。
一方、地域では、災害時に助け合いの核となる自主防災組織に対し、発電機の整備を支援しています。
大規模停電に対しては、行政はもちろん、家庭、地域が一体となって備えることが大切であると認識しております。
さらに、今回、対応が遅れた倒木の処理など速やかな電力復旧を支援するための方策についても検討を進めてまいります。
今後行われる国や千葉県の検証結果も踏まえて、関係機関や専門家の意見も伺いながら、大規模停電への備えにしっかりと取り組んでまいります。
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