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掲載日:2024年10月18日
Q 土屋惠一 議員(自民)
世界農業遺産につきましては、過去にも2回ほど質問しておりますが、状況に変化が生じてきましたので、再度確認の意味を含めて質問させていただきます。
世界農業遺産は国連食糧農業機関が創設した制度で、地域の伝統を生かした農法や生物の多様性、農村文化や景観などが保たれる農業システムを認定し、持続可能な農業を目指すものです。これまで三芳町が事務局を担い、川越市、所沢市、ふじみ野市、いるま野農業協同組合、川越農林振興センターとの広域連携で武蔵野の落ち葉堆肥農法の認定を目指して取り組み、昨年3月はこの日本版である日本農業遺産の認定を受けたところです。現在、落ち葉堆肥農法の保全に向け、実践農業者の認定や農産物へのロゴマークの活用など様々な取組が進められています。さらに世界農業遺産に認定されれば、農産物のブランド化への促進、世界への発信により昨今の増加が著しいインバウンドへの影響などの効果が期待できます。また、国連が進めている持続的な開発目標SDGsの推進にも資することになります。
現在の取組をより加速するため、川越市、ふじみ野市、三芳町の2市1町は、今年6月、世界農業遺産の認定に向け申請を行いました。しかしながら、8月に農林水産省から審査結果の連絡があり、今回は認定を見送るとの結果になりました。
国の専門家会議の評価によると、都市農業は国連食糧農業機関でも評価され始めましたが、その評価はまだ十分ではないとの課題が示されている一方、首都近郊で伝統的農業が360年以上継続している優れた事例であり、砂漠化対策など地球規模の課題にも対応できる持続可能な農業システムであるとの高い評価も得られています。認定が見送られたことは非常に残念でありますが、是非、捲土重来を期していただきたいと思います。
そこで、次回の申請では世界農業遺産として認定されるよう市町の取組をしっかりと支援するとともに、県としても主体的に推進していく必要があると考えますが、農林部長の御所見をお伺いいたします。
A 篠崎 豊 農林部長
今回、申請を行った「武蔵野の落ち葉堆肥農法」は、農業遺産を審査する委員から、首都圏近郊で伝統的農業が約360年以上継続してきた優れた事例であると評価をいただいております。
一方で、実践地域・農業者が一丸となり、付加価値を高め、伝統的農業が持続的に展開されるようにする必要があるといった改善点が示され、残念ながら認定には至りませんでした。
三富地域は、「栗よりうまい十三里」と謳われる「富の川越いも」や東京市場でも評価の高い「さといも」などが栽培される県内有数の野菜産地です。
また、関係市町やJA、県などで構成する三富地域農業振興協議会では、一般の方々も参加する「さといも」収穫体験や落ち葉掃きなどを開催し、都市住民との交流促進や三富地域の情報発信に努めています。
「武蔵野の落ち葉堆肥農法」は、既に「日本農業遺産」に選定されており、このような活動を地域が一丸となって取り組むことで、世界農業遺産の認定につながるものと考えております。
議員お話のとおり、世界農業遺産に認定されれば、農産物のブランド化や観光客誘致を通じた地域経済の活性化が期待されます。
県といたしましては、今後とも、三富地域の農業振興に努めるとともに、関係市町や地元JAなどと連携し、伝統的農業の継続につながる取組を支援してまいります。
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