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掲載日:2023年5月2日
Q 井上航議員(県民)
上田知事は、4月17日に埼玉県知事として15年ぶりに全国知事会会長に就任されました。その際、35人の知事の推薦を得られており、全国の知事からも非常に厚い信頼を得られております。本日で就任からおよそ2か月が経過いたしました。
知事は常々、埼玉県は日本の縮図である、そして埼玉から日本を変えるとおっしゃっています。山田前会長の路線を引き継いでいくと思いますが、その中で上田色をどう出すか、そしてまたどのように埼玉から日本を変えたいとお考えか、知事の御所見を伺います。
A 上田清司 知事
まず、上田色をどう出すかについてでございます。
私は東日本大震災をはじめとした復興対策や地方分権改革など、山田前会長が切り開いた路線を継承しつつも、次の3つの視点で全国知事会を前進させたいと考えております。
まず1つは、「自立自尊」の地方自治という視点です。
地方自治体は成長のエンジンとなるべき都市部から、少ない人口ですが長い海岸線や広い山間部を守っている町村部まで、様々な個性を持ちそれぞれの役割を分担しながら共存しています。
各々の地方自治体が自らの個性や役割に誇りを持ち、自らの意思と自らの足で立つ「自立自尊」の地方自治を行い、共に栄えていくのが本来の姿だと思っております。
この「自立自尊」の地方自治を推進するとともに、それに必要な地方財源の更なる充実を図っていかなければならないと考えております。
このことについては早速、「国と地方の協議の場」など様々な機会で国と協議し、今月決定されました「骨太の方針」において新たに2021年度まで3年間の地方一般財源の総額確保を約束いただいたところです。
2つ目は、「国と地方との責任の共有」という考え方です。
国全体の大きな方向付けや基本的なインフラの整備、ナショナルミニマムの構築などは一義的に国が責任を持ちますが、福祉・保健医療、教育の具体的な施策などは住民に身近な地方自治体が責任を持つべきです。
地方も自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組み、国と共に責任を共有しなければならないと思います。
これからも地方は日本全体の底上げに向かい、全て国任せではなく、責任の一端をしっかり担っていかなければならないと思います。
3つ目は、「日本再生のための地方創生モデルを地方から発信していく」という視点です。
地方は国に比べ機動性や柔軟性に優れています。
この、いわゆる「小回りが利く」という強みを生かし、地方の優れたモデルを横展開することでムーブメントを起こし、日本再生へとつなげていきたいと考えております。
今日本は少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、東京への一極集中の加速など、非常に難しい問題を抱えております。
私はこの3つの視点に立って、全国知事会会長としてそれぞれの知事さんと共に地方から日本の底上げを図っていきたいと考えております。
次に、どのように埼玉から日本を変えたいかについてでございます。
先ほど3つの視点で申し上げましたように、「小回りが利く」、この点に着目し、地方が先駆けて優良事例を生み出し、それを横展開することで日本の抱える様々な課題の解決につなげることが必要だと思っております。
現在、全国知事会の先進政策バンクの優秀政策は268件ありますが、このうち本県は23件で、全国1位になっております。
御案内のように、生活保護世帯の貧困の連鎖を断ち切るための本県が始めた子供の学習支援事業、いわゆる「アスポート事業」については国会で取り上げられ、国の法律に基づく事業として全国に展開されました。
先日開催された「国と地方の協議の場」の中でも、地方の先進事例や優良事例を横展開する重要性を訴えました。
その一つの事例として本県の糖尿病重症化予防の取組を御紹介させていただきました。
菅官房長官などからも評価をいただき、早速「骨太の方針」にも横展開すべき事例として埼玉発の取組が取り上げられたところでございます。
議員の地元和光市においても、地域資源を活用した独自の「わこう版ネウボラ」にいち早く取り組まれ、安倍総理も視察に来られたくらい先進事例として全国に紹介されています。
今、続々と和光市のモデルを参考にしている市町村も多いわけであります。
このように、今後も地方の先進事例や優良事例を積極的にPRし横展開を図ることで、埼玉をはじめとした地方から日本の再生を図っていく、そうした気持ちを持っているところでございます。
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