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掲載日:2023年5月11日
Q 高橋政雄議員(自民)
私は、いろんなところへ食材の買い物に行きます。議会からの帰り、浦和駅前のデパ地下や駅ナカ店舗、少し遠いところ、川口の鮮魚店、一番多く行くところ、地元のスーパーや目の前のドラッグストア、時々議会関係者の方とも買い物でお会いしたりもしております。
何でそんな話をするのか、最近冷凍食品の種類が多いですね。特に今の季節、冷凍食品によって忙しいときでも温かい比較的おいしい食事をとることができる便利な時代となりました。実は、私は、家では冷凍食品は食べることは全くありませんが、質問の性質上、大いに利用しているということにします。
皆さんは御存じのことと思います。そうした冷凍食品などを冷やす機械にはフロンと呼ばれるガスが使われております。フロンは機械の中では冷やす働きをするのに、ひとたび大気中に漏れると私たちの地球を温めるガスなのです。温室効果ガスと呼ばれています。冬の寒い時期、温室効果と言われると何気にいいものと思われるかもしれませんが、地球温暖化の原因となるのです。物を冷やすものが地球を温めるとは皮肉な話ですね。
温室効果ガスには様々なものがあります。例えば牛のゲップにはメタンガス。そのガスは二酸化炭素の25倍もの温室効果があり、たかがゲップとはあなどれません。今回私が指摘するフロンは、そんなメタンガスよりも更に怖い、二酸化炭素の1万倍もの強力な温室効果ガスなのです。フロンはその働きから、スーパーや工場など業務用の機械に大量に使われています。ただし、それが大気中に漏れないという前提でのことであります。
平成27年4月、事業者による国へのフロン漏えいの報告などのフロン排出抑制法が施行されましたが、そのフロンの漏えいに関して、いまだ未報告の事業者や不適切な維持管理の事業者が見受けられると聞いています。
そこで改めて、スーパーや工場のフロンの漏えいを止める対策が大変重要です。事業者はフロン排出抑制法に従って対応することになっていますが、実際はどうなのでしょうか。事業者がフロンを大気中に漏らさないようにするために、県としての取組が必要と考えますが、環境部長に見解をお伺いします。
A 宍戸信敏 環境部長
まず、事業者のフロン対策の現状についてでございます。
議員御指摘のとおり、フロン排出抑制法ではフロンが入った冷凍空調機器を使用している事業者に対し、大量にフロンを漏えいした場合、国へ直接報告すること、更に定期的な機器の点検を行うことが新たに定められました。
この法律に基づき、国が平成27年度のフロンの漏えい量の報告をまとめ、その結果を今年の3月に初めて公表いたしました。
これによりますと、平成27年度に埼玉県内で漏えいしたフロンは二酸化炭素の量に換算して11万4,000トンであることが分かりました。
国全体でのフロン漏えい量は、同じく二酸化炭素の量に換算して236万トンでした。
この236万トンという量は当初国が想定していた量の約8分の1で、国からは、まだまだ十分な報告がなされていないとの見解が示されております。
また、冷凍空調機器の定期点検についても全体の37%しか行っていないことが国の調査で明らかになっております。
次に、フロンを漏えいさせないようにする県の取組についてでございます。
平成27年度の法律施行によって、フロンに関する事業者指導は県の事務となりました。
そこで、県は法律施行に先駆けて、平成26年度から延べ15回の法令説明会を開催いたしました。
さらに、平成28年度には、規模の大きな冷凍空調機器を使用している食品工場、冷凍倉庫、病院、スーパーなど様々な業種の事業所からサンプル的に21か所を選んで、立入検査を行いました。
これらの取組や国の公表結果を踏まえて、県内の状況を分析したところ、スーパーなどの小売業、それから食品製造業の2つの業種からの漏えい量が全体の9割を占めているということが分かりました。
そこで、全業種への法律の周知を再度徹底した上で、まず小売業と食品製造業の2つの業種から徹底的に指導を始めてまいります。
具体的には、県内で営業しているスーパーのうち、首都圏に本社のあるものについては直接職員が出向いて、傘下の店舗における機器のメンテナンスを徹底するよう指導いたします。
それ以外の店舗につきましては順次立入検査により指導してまいります。
さらに、食品製造業につきましては、まず規模の大きな冷凍空調機器を使用している事業所から立入検査を始め、機器のメンテナンスを徹底させてまいります。
こうした対策を他の業種にも広げ、フロン漏えいによる地球温暖化を防止してまいります。
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