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掲載日:2022年12月20日
Q 新井一徳議員(自民)
先日、お世話になった地元の男性が闘病生活を経て、天国へ召されていきました。御本人は以前より、回復の見込みがないのであれば延命治療は不要との意思を明らかにし、奥さんをはじめ御家族もその意思を尊重しての最後でありました。
終活という言葉を皆さんもよく耳にされるのではないでしょうか。人生のエンディングを考えることを通じ、自分を見詰め、今をより良く、自分らしく生きる活動とされています。自らの終末期医療をどうするのか、その意思を明らかにしておくことも終活の大事な一つであります。
厚生労働省が平成26年にまとめた意識調査によれば、7割の人が意思表示の書面を作成することに「賛成」としています。ただ、実際に書面を作成している人は、1パーセントに満たないのが現実です。
日本では平成37年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的の下、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、地域の包括的な支援、サービス提供の体制構築に向けた取組が進められています。いわゆる地域包括ケアシステムです。このケアシステムの主眼は、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるようににあります。であれば、自らの終末期医療をどう望むかを意思表示しておくべきであり、生きている間に効力を発揮する遺言、いわゆるリビングウイルを残しておくべきと考えます。
リビングウイルの書類は、医師会や自治体などで既に発行しているところもあります。先進事例を参考にしつつ、本県独自のリビングウイルを発行し、県民に活用してもらうなど啓発に努めるべきではないでしょうか。
内閣府が平成24年にまとめた意識調査によれば、病気が治る見込みがなく死期が近づいている場合、実に9割が「延命のみを目的とした治療は行わず、自然に任せてほしい」と答えています。しかし、そうした意思表示がない以上、医師は職業倫理上、生ある限りできる限りの処置をしなければという使命感があると私の知人の医師も強調します。
もし患者の医師表示があれば、その患者の尊厳を守りつつ、死を見守ることもできるでしょうし、その患者が必要としない医療行為は施さないことで、結果的に膨らみ続ける医療費の削減にもつながり、貴重な医療資源をほかの医療分野に配分することも可能となるはずです。
今後リビングウイルの啓発活動を積極的に行うべきと考えますが、保健医療部長のお考えをお伺いします。
A 三田一夫 保健医療部長
議員お話のとおり、医師は命を助けるという使命感のもと、患者ができる限り長く生きられるよう全力を尽くすものです。
一方最近では、自分らしく人生の最期を迎えることができるよう、不治の病で死期が近づいた時に延命措置を望まない方が増えております。
患者本人が「徒に命を引き延ばす措置を望まない」という意思表示、いわゆるリビングウィルを予め残しておけば、その意思を尊重した治療を受けることができます。
特に在宅医療の現場では、危篤の際に自宅で看取られたいのか、病院に搬送されたいのかなど、人生の最終段階での治療について家族とよく話し合った上で、自らの希望を医師に伝えておくことが重要です。
国も、在宅医療と介護の連携の一環として、例えば、自らの最期の迎え方について考える市民講座など、在宅医療に必要な普及啓発の実施を市町村に求めております。
県では全ての地域で在宅医療と介護の連携を推進できるよう、郡市医師会ごとに連携の要となる在宅医療連携拠点の設置を進めております。
現在この拠点では家族や患者、介護職などからの医療相談を主に行っておりますが、今後は更に大きな役割を果たすことが期待されております。
既に一部の拠点では市町村と一緒に住民向けの講習会を実施し、リビングウィルについての啓発を行った事例もございます。
県といたしましては、郡市医師会と市町村の間を調整することで、県民の皆さま、患者家族だけでなく、今は元気な方も一度は終活について考えていただくよう、支援してまいります。
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