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掲載日:2019年10月15日

平成28年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(岡 重夫議員)

福島県から埼玉県へ自主避難されている方々への支援について

Q 岡 重夫議員(県民

東日本大震災から5年半が経過し、福島県と国は原発事故で自主避難をされている方々への住宅の無償提供を来年3月末で打ち切ることを決めました。現在、埼玉県では県が提供する住宅に182世帯、498名の自主避難者が生活されています。この方々は、強制避難者とは違い、国の唯一の支援である住宅の無償提供があり、避難生活ができています。しかし、6か月後にはその支援が打ち切られ、福島に帰るか埼玉に残るかの選択を迫られ、多くの方々が不安な毎日を送っています。
さて、この8月に福島県は自主避難者のために民間賃貸住宅等家賃への支援制度を発表しました。それは、月収が21万4,000円以下の方々に最初の1年間は月額で最大3万円、その後1年間は最大2万円を補助するというものです。しかし、問題は月額21万4,000円を超えて補助を受けられない方々です。高額収入であれば問題ないですが、子供がいる世帯の多くは現在でもぎりぎりの生活をしています。今後、毎月の家賃が全額自己負担となれば、生活が困窮する人たちが出てくると考えられます。これまで、5年間も埼玉県内で子育てをしながら生活している方々は、ようやく地域にも慣れ、子供も学校になじんだところです。それが避難から5年がたったので支援を打ち切ります。これからは自立して、福島に帰るか埼玉に残るかは自分で決めなさいと、福島県から一方的に宣告をされ、自主避難者にとっては大変厳しい話です。
私は、これまで自主避難者の皆さんのお話を何度も伺い、福島第一原発のある大熊町の隣の田村市や川内村を訪れ、耕作されていない田畑などに汚染土の黒い袋が山積みにされた地域や、まだ除染作業を行っている現場を訪れ、厳しい現実を見てまいりました。そして、福島県庁では担当者に埼玉県内に自主避難している方々の窮状を訴えました。今回の原発事故は普通の災害とは違います。今、自主避難者たちは見えない放射能の不安がいまだ完全に払拭されていない中、早く福島県に帰りなさいという施策によって、個人の避難や移住する権利が奪われようとしているのです。この方々は、原発事故さえなければ今のような厳しい境遇にならなかったわけで、福島県は民間賃貸住宅に入居する方々への支援を収入要件で区別すべきではないと思います。
さて、埼玉県は全国に先駆け、独自の支援策として県営住宅約100戸を自主避難者の専用枠で提供することを決めました。私は、これまで同僚議員と担当部に、更なる支援策の検討をお願いしてきました。その結果、この9月議会で県営シラコバト住宅の入居条件を撤廃する条例が上程され、感謝しています。それは、シラコバト住宅にお住まいの方々の強い要望でしたので、皆さんが大変喜んでいるそうです。
ところで、埼玉県が自主避難者の住宅に関する1度目の戸別訪問などをした結果、埼玉県内に引き続き住みたいと答えた方は約140世帯で、そのうち民間賃貸住宅を希望する方は約100世帯もいることが分かりました。現在、2度目の戸別訪問が始まったと聞いていますが、その方々には丁寧に相談を受け、できる限りの支援をお願いしたいと思います。
さて、上田知事は東日本大震災復興協力本部長をされており、自主避難者の窮状もよく御存じです。福島県に帰るに帰れない自主避難者の支援も大切な復興支援です。
そこで、特に民間賃貸住宅に住む方々にも引き続き埼玉県で安心して住んでいただけるよう、きめ細かな支援策をお願いしたいと思いますが、上田知事のお考えを伺います。

A 上田清司 知事

東日本大震災から5年半たちましたが、議員お話しのように、いまだ多くの自主避難者の方々が埼玉県内でお住まいであります。
私は、全国知事会の東日本大震災復興協力本部長として、毎年、被災地の復興支援に取り組むために、現地に赴き、それぞれの知事や、また、関係の皆様たちといろんな話合いを行ってきております。
先月には福島県と宮城県を訪問して、現地の視察もしてまいりました。
自主避難者の方々への支援も大切な復興支援であるという認識は、言うまでもありません。
平成27年6月に、福島県は自主避難者への住宅の無償提供を平成28年度末で終了するという発表をされました。
福島県は単に打ち切るだけではなくて、経過措置を設けるということで、御説明も、今、岡議員がなされたとおりであります。
しかし、現実的に極めて自主避難者の皆さんたちにとっては、困難な状況になったということは、間違いのない事実だと思っております。
そこで、こうした福島県の対応に対して、埼玉県で生活を継続したい、そういう思いを持った人たちに、住宅の確保というのは極めて重要だというふうに判断をいたしました。
そこで、28年4月から県営住宅の専用枠を100戸程度設けるなど、県内に住み続けたい自主避難者に対して、いち早く対応をさせていただきました。
もとより、岡議員なども御指摘をされたとおりでございます。
また、今議会でも、中堅所得者向けのシラコバト団地にお住まいになっている自主避難者の方々が住み続けることができるように、収入要件の枠組みを撤廃するということで、それを可能にするようにさせていただいたところでもございますが、これは条例改正案として、今定例会に提案をさせていただいているところでもございます。
この改正によって、現在は民間賃貸住宅にお住まいの自主避難者の方で、県営住宅の収入基準を上回る方でも、シラコバト団地に入居できるようになります。
シラコバト団地に自主避難者向けの専用枠として、平成29年1月募集の際に50戸程度設ける予定にしております。
この応募状況によっては、専用枠の戸数を増やすことも可能にするような柔軟な対応も必要かというふうに考えております。
今後、戸別訪問をしながら、お一人お一人の動向をしっかりと伺うとともに、県営住宅やシラコバト団地、民間賃貸住宅などの情報提供を行って、契約手続のお手伝いをするなど、きめ細かく対応してまいります。
今後とも、自主避難者お一人お一人に寄り添い、できる限りの支援を行ってまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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