環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究課題 > 令和6年度研究課題一覧 > 令和6年度研究課題(資源循環・廃棄物担当 R6~R7 埋立地浸出水の吸着材による窒素除去に関する基礎的検討)
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掲載日:2025年4月10日
管理型廃棄物最終処分場(以下、処分場)では、降雨により一部が埋立地内部に浸透し、廃棄物中の汚濁物質を含む汚水(浸出水)が形成され、管理型処分場では底部の集水管から水処理施設に排出・水処理される。浸出水中の汚濁成分は埋立中にピークを迎え、その後減衰していくものの埋立終了後も汚濁成分の溶出は継続するため、埋立終了後も水処理が必要となるが、減衰によりいずれは水処理が必要なくなる。また、減衰の程度が成分によって異なる(排水処理の対象構成が変遷する)といった、処分工場排水などとは異なる浸出水の特徴を有している。
一方、減衰していずれ廃止可能となるものの、法改正により処分場廃止の許可要件として廃止基準が設置されたことを一因として、処分場管理が長期化している。埋立地管理長期化につれ、初期条件に対応した水処理施設の設備は現状の水質と乖離し、能力過剰となり設備更新・維持管理上、過大な負担となっており、水質に対応した設備更新・簡素化が望まれる。吸着材処理は、生物処理に比べて管理上だけでなく設備追加上も容易である。かつて吸着材による窒素除去は検討されたが生物処理に対し優位とはならなかった。ただ、処分場の埋立終了後の一時期(窒素だけ問題、低汚濁化して高い除去率は求めないなど)という特定の状況に限れば、適用の可能性があると考えられる。
処分場浸出水の窒素はアンモニア態が主であり、アンモニア態窒素の選択的吸着材としてはゼオライトが知られており、本研究ではゼオライトによる吸着材処理を水処理を埋立初期から全般的に代替する技術としてではなく、埋立終了後の一時的な期間の特定の状況に対する、補完的技術としての適用可能性について検討する事を目的として、吸着性能試験等、基礎的な情報把握を行う。
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