環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究課題 > 令和5年度研究課題一覧 > 令和5年度研究課題(自然環境担当 R5~R7 湛水開始時期を指標とした水田地帯における生物の生息適地推定)
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掲載日:2024年2月8日
水田は多様な生物の生息環境として機能する。埼玉県内の水田では、田植え時期が4月下旬から6月下旬頃まで最大約2か月の差が見られる。これまでの自主研究の結果、田植え時期が異なると、カエル幼生を含む水生生物群集が大きく異なることを明らかにした。また、科研費研究課題(20K20009)において、水田内でサギ類が採餌できるのは田植えからおよそ50日後までであり、時期に応じて採餌場としての利用水田を変えていることが示唆された。
近年、土地利用等の地理情報と生物の分布データの整備が進むにつれて、生物の生息適地推定が盛んに行われている。圃場区画ごとの田植え時期の情報が得られれば、カエル類やサギ類等の生物の生息適地推定が可能となり、生物多様性保全に貢献できると期待される。しかし、そのようなデータは利用可能な形で公開されていない。
そこで本研究では、田植え時期の指標として湛水開始時期を、天候の影響を受けない合成開口レーダ(SAR)で撮影された衛星画像から推定する。野外調査で得られるサギ類とカエル類の分布データを用いて生息適地モデルを構築することで、水田地帯における生息適地を地図上で可視化することを目的とする。
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