トップページ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 秩父地域振興センター > 県民生活 > 『秩父共助スタイル~ちちぶでひろがる新しい輪~』地域活動に参加してみませんか! > NPO活動体験レポート 第1回 特定非営利活動法人秩父まるごと博物館
ページ番号:231106
掲載日:2024年3月21日
ここから本文です。
【理事長の小幡喜一さん】
秩父地域は独特の自然や歴史、文化が集積している世界的にも稀な地域です。この地域全体をまるごと、博物館としてとらえようという活動が平成17年に始まりました。
それを基に秩父の自然や歴史、文化を調査研究し、人材育成や啓発活動等を行うことで、農林業・商工業・観光業等に生かすことを目的として、平成20年3月に秩父まるごと博物館が設立されました。
現在の会員数は約130名で、秩父地域だけでなく県南部、東京都内に住んでいる会員もいます。また、元公務員や会社員、地元飲食店、観光農園など職業も様々です。
秩父地域の自然や歴史、文化について、多くの人たちに知っていただき、秩父地域に興味を持っていただくため、様々な講演会やウオーキングイベントの開催、「秩父まる博つうしん」と題した会報誌の発行などを行っています。
例えば、令和4年度の第1回「まる博講座」では、秩父神社の権宮司様を講師にお招きし「秩父神社と社殿彫刻」をテーマに、秩父地域特有の信仰のなりたちを武甲山と秩父夜祭の関わりや本殿彫刻の彩色改修を交えて講演していただきました。
こうした講演会やウオーキングイベントには、秩父地域に限らず県内外から多くの人たちに御参加いただいています。また、参加者からは「秩父の地形・地質や歴史・文化など、いろいろな話を聞けて面白かった。」、「本を読んだだけでは理解しきれなかったことが分かった。」など、主催者として大変うれしい感想もいただいています。
【会報誌 秩父まる博つうしん】
秩父まるごと博物館に参加したのは、法人が設立された平成20年の11月です。
私は当時、県立高校の地学の教員をしており、県立自然史博物館(現 県立自然の博物館)に勤務した経験もありました。和銅奉献1300年を記念して行われた「講演会」に参加したとき、元自然史博物館館長から「秩父まるごと博物館は、このような活動をしている。ジオパークの活動も始まるので、博物館での仕事を活かして一緒に活動しよう。」と誘われたのがきっかけです。
そこで秩父まるごと博物館の存在を知り、地域のためになるのであればと思い、すぐに活動に参加しました。
講演会やウオーキングイベントでは、一般の参加者から様々な質問や感想をいただきます。例えば、「講演会で聞いた内容を実際に現地に行って確認したい。」との要望をいただきウオーキングを企画したイベントもたくさんあります。ウオーキングイベントを実施する際には下見をしますが、地元の人たちにお地蔵さんのいろいろな歴史などを教えていただくこともあります。
このように参加者や地元の人たちと一緒になってイベントを企画し、実現していく。さらに、参加者が秩父まるごと博物館の会員となり、イベントを運営する側として一緒に活動していく。こうした人と人とのつながりが広がり活動が進化していくこと、そして秩父地域の魅力を多くの人たちに知っていただくことにとてもやりがいを感じています。
【インタビューに応じる小幡理事長】
まだまだ活動の広がりが足りないと感じています。秩父地域を歩き、調べ、どのように発信したらいいか一緒に考えてくれる仲間を増やしていくことが重要だと考えます。秩父まるごと博物館では、イベントなどのほかにブラタモリで紹介された「日本を支える白い岩」や「街なかのパワースポット」などを案内するガイド事業も実施しています。
しかし、依頼をいただいたもののガイドの調整がつかず案内をお断りするケースもありました。せっかく秩父地域の自然や歴史、文化に興味を持ち、訪れてくださる観光客の皆さんの要望に応えられないことは残念でなりません。「秩父の魅力発見⇒秩父の魅力発信⇒観光客の誘致=秩父繁栄」だと思います。一緒に考え、活動してくれる仲間を増やし、依頼をいただけば「いつでもどこでもガイドできる体制を整える」ことが今後の目標です。
自分の住んでいる地域に興味を持ち改めて見つめ直してみると、新たな発見や地域の人たちとのつながりが生まれます。秩父地域には様々な分野で活動をしているNPO法人がたくさんあります。初めは敷居が高いと感じるかもしれませんが、自分が興味を持ったことなら何でも良いので、一歩踏み出して地域の皆さんと触れ合ってみてはいかがですか。きっと良い仲間が見つかり、地域活動をとても楽しく感じると思います。もちろん秩父まるごと博物館でも一緒に活動してくれる方、大歓迎です。
[取材日:2023年2月8日]
令和5年2月19日(日曜日)に開催された「ジオウォーキング『地蔵川の跡を歩く』」に運営スタッフとして参加させていただきました。
このウオーキングイベントは、秩父地域の歴史や地質等について多くの人たちに知っていただくため、秩父まるごと博物館が定期的に開催しているもので、様々なコースが企画されています。当日の集合場所で500円程度の参加費(資料代・保険料)を支払えば、誰でも参加することができます。
今回のイベントは、9時40分に秩父鉄道の大野原駅前に集合し、「地蔵川の跡」に沿って秩父橋付近、札所17番、秩父神社、御旅所を経由して、西武秩父駅前で12時30分に解散する約5kmのコースです。
「地蔵川」とは、かつて秩父鉄道の御花畑駅付近から秩父神社の東側を流れ、札所17番の東側、札所19番の西側を経て、秩父橋の北で滑沢と合流し荒川に注いだ川で、途中には相生町の溜池や、秩父神社の「つなぎの龍」の伝説の舞台になった天ヶ池もありました。「秩父夜祭」の御神幸行列はかつてこの「地蔵川」の流路に沿ったコースをとり、御旅所(秩父公園内)に向かったそうです。
とても神秘的で興味深いコースのため、スタッフとして参加させていただくのですが、ガイドのかたからどんな説明が聞けるのか、とても楽しみでした。
【見どころの一つ秩父神社のつなぎの龍】
【秩父公園内の御旅所】
イベント当日の参加者名簿の作成、参加費の徴収、資料の配布、参加者の誘導や横断歩道等での旗振りなどを体験させていただきました。
スタッフとして9時頃に大野原駅に集合し、ベテランスタッフに教えていただきながら順次到着する参加者に受付名簿への記入をお願いするとともに、参加費の徴収、資料の配布のお手伝いをしました。参加人数は、スタッフ含め26人でした。
【スタッフの皆さんが作成した配布資料】
集合時刻の9時40分になると開会式が行われ、小幡理事長の挨拶や注意事項の説明の後、いよいよ出発です。
小幡理事長を先頭に参加者が列を作ってコースを歩いて行きます。スタッフが旗を持ち、参加者が安全に歩けるよう誘導していました。コースの見どころとなるポイントでは、小幡理事長が地形や地質、歴史などについて説明し、参加者からの個別の質問にスタッフが丁寧に答えている様子がうかがえました。
【小幡理事長の説明を聞く参加者の皆さん】
スタッフのかたにお話を伺ったところ、様々なウオーキングイベントや講演会に参加することで知識を身に付け、参加者からの質問にも答えられるようになったとのことでした。特にウオーキングイベントでは必ず下見をし、スタッフ同士や地元の人たちと情報交換等をすることで更に知識を深め、参加者に楽しんでいただけるよう取り組んでいるそうです。そして、参加者が秩父地域に興味や関心をもってくださることがとてもうれしく、やりがいにつながっているとのことでした。
【コースを歩く参加者の皆さん】
残念ながら途中雨に降られてしまいましたが、無事12時30分頃最終目的地の西武秩父駅前に到着しました。最後に閉会式を行い、アンケートの回収をお手伝いして終了です。
今回、イベント当日の業務を体験させていただきましたが、イベント開催前には、コースの検討・下見、募集チラシ・資料の作成、傷害保険の申込、イベント開催後には、アンケートの集計、会報の作成などをスタッフが協力して行っているそうです。
スタッフ業務を体験させていただくまでは、秩父地域の歴史や自然等に関する専門的な知識を持っている人でなければ、スタッフになるのは難しいのではと思っていました。しかし、実際に体験させていただくと、小幡理事長はじめベテランスタッフの皆さんが業務内容を丁寧に教えてくださいました。スタッフの中には、イベント参加をきっかけに会員になられる方もたくさんおり、今回のイベントでも2名の参加者が新たに会員になったそうです。大切なのは興味や関心を持ったことに、まずはチャレンジしてみることだと感じました。
今回のイベントは、スタッフと参加者が一体となって作り上げているイベントだと思いました。参加者からの積極的な質問やスタッフの皆さんの丁寧な説明、どちらもイベントを成功させる上でとても大切だと思います。私は知識がない中でスタッフとして参加させていただきましたが、参加者やスタッフの皆さんとのふれあいや、自分の知らない秩父地域の魅力の発見など、とても有意義な時間を過ごすことができました。また、参加者が楽しそうに参加している姿を見てやりがいも感じました。
ボランティアやNPO活動などの地域活動への参加に関心がありながらも、なかなか踏みだせずにいる地域住民の皆さん、まずは行動してみませんか。きっと多くの人たちとの交流が生まれ、新たな楽しみが見つかると思います。
住民の皆さんの地域活動への参加が秩父地域を盛り上げ、地域の活性化につながります!
【受付をする当センター職員】
[体験日:2023年2月19日]