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掲載日:2024年3月31日
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右上から時計回りに、葛和田の渡し(熊谷市)、のら鍛冶田むら(ときがわ町)、自然栽培のブルーベリー農園(美里町)、モッキンカン木の森美術館(さいたま市)、面師 髙倉左近さんの製作所(富士見市)、(有)相澤染工場(八潮市)
広報課からみなさまへ
彩の国さいたま芸術劇場が3月1日(金曜日)にリニューアルオープン!リニューアルに伴う休館期間を利用して、同劇場の近藤良平芸術監督が、地域の文化芸術発掘のために県内各地の多彩な文化を巡りました。
あなたも一緒に多彩な文化に触れる旅に出ませんか?
彩の国さいたま芸術劇場の近藤良平芸術監督が、県内各地を巡り、地域の多彩な文化芸術を発掘し、発信する、それが「埼玉回遊」です。あなたも一緒に多彩な文化に触れる旅に出ませんか?
【問合せ】(公財)埼玉県芸術文化振興財団
電話:048-858-5500
\彩の国さいたま芸術劇場 近藤良平芸術監督/
振付家・ダンサー。 NHKホールの公演を即日完売追加にし、世界約30カ国で公演してきたダンスカンパニー「コンドルズ」主宰。 第4回朝日舞台芸術賞・寺山修司賞、第67回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
埼玉回遊を始めたきっかけは、その土地に生まれたもの、人、歴史、自然、生活などを実際に訪ね、その出会いから新たな可能性を見つけたかったから。
訪問先では想像をはるかに超えるエネルギーをもらいました。例えば、さいたま市の彫刻家しまずさんは純粋に自分の作りたいものを作っていて、何一つ同じ作品はありませんでした。
埼玉にこんなにも夢を実現させ、夢に生きている人がいるなんて本当に驚きました。
埼玉の広い土地で人々は暮らしています。それぞれの場所は、生活の場であり、活動の場であり、表現の場。回遊を通して、昔と今、土地、人と人とがつながっていきました。
彩の国さいたま芸術劇場リニューアル記念公演「埼玉回遊<特大号!>」を上演します!埼玉の広い大地で育まれた力強い文化が、舞台の上で新たな光を放ちます。時を超え、場所を越えて、一緒に旅に出ましょう。
令和4年10月から休館していた同劇場がついにリニューアル!より安全に快適に楽しんでいただけるようになった劇場にお越しください。
さいたま市中央区上峰3-15-1 ★与野本町駅下車徒歩7分
3月9日(土曜日)、10日(日曜日)
各午後2時開演
同劇場
近藤監督が埼玉県内各地で出会ったもの。
25件の回遊先の一部を紹介します。
その昔、巨岩や大木を運ぶときに力を合わせるために歌われた労働歌の「木遣歌(きやりうた)」。今では、埼玉有数の大祭「川越まつり」の始まりと終わりに歌われます。
それを担うのが180年の歴史を誇る川越鳶組合 木遣保存会。日に焼けた鳶職人の男性たちが輪になって座りこみ、歌い始めます。その声量はすさまじく、地鳴りのような響き!小さな木遣棒を前後左右に動かしながら、呼吸を合わせていきます。圧倒的な迫力に打ちのめされます。
美里町で自然栽培のブルーベリー農園を営んでいる槙田さん。ふかふかの柔らかい土でたくましく育ったブルーベリーは味が濃く、品種によって風味はさまざま。
ほら貝も吹かれるとのことで、広い田んぼの真ん中で音色が流れます。近藤監督も生まれて初めてほら貝を吹き、不思議な魅力に取りつかれました。
\広大な土地で吹くほら貝/
人形浄瑠璃文楽は本来3人で1体の人形を動かしますが、竹間沢車人形は1人で1体を操るため難しさは3倍。人形遣いは「轆轤車(ろくろぐるま)」と呼ばれる車椅子に座り、移動しながら演じます。
近藤監督も実際に轆轤車に座り、手足と首がばらばらに動く人形を操作。至難の技ですが、人形を動かすのが楽しくて仕方ない近藤監督。保存会の皆さんの情感あふれる表現に見入っていました。
\息を吹き込むのは至難の技/photo:湯越慶太
北城さんは本庄市を拠点に、全国各地の歴史や言い伝えを調査・収集し、現代につながる怪談話として人々の前で語っています。 北本市文化センターでのある日の演目は、「北本怪談がたり」。地域に伝わる源範頼(みなもとののりより)(源頼朝の弟)と石戸蒲(いしとかば)ザクラの恐ろしい伝説は、背筋が寒くなるものの、その土地への興味が深まります。
\怪談が始まると北城さんの雰囲気が変わる/
本社ののれんをくぐると、彩り鮮やか、ポップでおしゃれな足袋が並んでいます。靴下に比べて足袋はいかにホールド力が高く丈夫であるか、現代の生活でも機能的であるかが重要。職人さんたちが黙々と作業する工場で新しい足袋の可能性を感じます。
\足袋の生産量は国内第3位です/
「藍の色が、心をそっと優しく包んでくれる」場所。創業は明治39年。伝統的な藍染めと型染の技法ではんてんや祭衣装などを制作する相澤染工場。約40個の藍甕(あいがめ)が土中に埋め込まれています。美しい文字入れ、きめ細かな型付け、生きた藍と対話しながら進める染め作業。昔から今へ確かに伝統は引き継がれています。
\受け継がれる伝統的技法/
\1カ月に約300枚のお面を制作/
初代である祖父が始めた、神楽面の制作。今では月に300枚近くのお面を制作し、浅草をはじめ全国津々浦々に髙倉さんのお面がいきわたっています。
主に張り子面と木彫り面を制作していて、数十年前に作られた木彫り面の存在感に、近藤監督もとりこに。
▲面師 髙倉 左近さん
\巨大な昆虫/
住宅街にたたずむ「モッキンカン木の森美術館」。彫刻家・しまずよしのりさんが自宅を美術館として開放しています。「巨大昆虫シリーズ」をはじめ、自然をモチーフにした巨大な彫刻作品から、目を見張るほど精密なデッサン、繊細でかわいらしい小作品まであります。
「森をつくる」ことをテーマに、異次元の空間を作り出すしまずさんの世界観は独創的です。
▲彫刻家 しまず よしのりさん
県内各地に伝わる伝統芸能は、保存団体構成員の高齢化と担い手不足により存続が危ぶまれています。伝統芸能への理解・関心を高め、長年受け継がれてきた技能を継承するため、伝統芸能をデジタル・アーカイブ化し、PRする動画を学生の協力で制作しました。
【問合せ】県文化振興課
電話:048-830-2879
お祭りの内容の縮小などの逆境がある中で、より良いものにしていこうとする地元の人たちの地域愛を、この動画を通して多くの人に伝えたいと思いました。
10年さかのぼっても高校生に撮影してもらった経験はありません。お祭り自体が消えてしまう心配がある中、若い人たちが興味を持って携わってくれて良かったです。
県では、伝統芸能の保存・継承に協力していただける企業や団体を「埼玉伝統芸能サポーター」として登録し、官民共同で伝統芸能を守っていく取り組みを実施しています。
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