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掲載日:2024年11月8日

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池上杏(留学先:アメリカ)

埼玉県をアピールした事例について

日本から草加せんべいを持参し、ルームメイトとその家族にお土産として配布し、その際に埼玉県と草加せんべいの歴史を伝えました。アメリカのクッキーとは全く違うテクスチャと味から「日本のお菓子はこういうものが多いの?」と日本食に興味を持ってもらうことができました。また、煎餅がお米からできている点には「信じられない!」と衝撃を受けたようで、「日本の伝統的なお菓子には農業と日本の技術が詰まっているね」と言ってもらうことができ、改めて日本や埼玉県の食べ物を誇りに思えたいい機会となりました。また、日本語クラスの授業で定期的にヘルプに行き、その中で埼玉県や埼玉県の郷土料理等についてプレゼンしました。3月に開催されたカルチャーイベントでは、日本人コミュニティーで日本文化や日本食を紹介しました。私は白玉を250個ほど作り、1時間半ほどで全て提供することができました。白玉や甘い小豆を食べるのは初めての方が多く、見た目で躊躇される方もいましたが、味を知って何度も食べに来てくれる方も多く、日本文化を食を通して伝えたことを実感できました。自国の文化を伝えることは、異文化交流につながるだけでなく、自国の文化を理解し、実感できるいい機会となりました。

現地での大学生活について

在学中は寮に滞在していました。ルームメイトは両親がケニア出身で、2世のアメリカ人でした。初めは英語でのコミュニケーションや部屋での過ごし方、文化の違いなどの点で大変でした。しかし、その違いを受けいれ、どうしても自分に合わせてほしい部分は言葉にして伝えることで、互いに生活しやすい空間を作ることができました。買い出しに行く際には一緒に行ったり、彼女がオンラインで買い物をするときに一緒にオーダーしたり、私がテストで疲れている時にはチョコレートの差し入れをしてくれたり、ダウンタウンへ遊びに行った際にはお土産を持って帰り交換し合うなどを通して、良好な関係を築くことができました。心から相手を思い、それを言葉や行動に移すことは小さな幸せを生むと実感し、将来的にも親しい友人にサプライズプレゼントを送るなどして続けていきたいです。

学期中は授業で忙しい毎日を過ごしていました。特に初めの1学期は血の滲む思いでした。現地の英語は親しんでいた英語と違いアクセントが強く、慣れるのに半年かかりました。先生や友人とのコミュニケーション、講義を受ける等の面でもどかしさを抱えていました。また、月に4-5個の試験を受けつつ、膨大な量の課題を熟していたため、睡眠時間は4時間程度で早朝から夜中まで毎日図書館に篭っていました。また、日本の大学へ単位交換するための履修した会計学の講義は、現地学生も苦労するハイレベルなものでした。米国会計の基礎知識と専門英語の講義と同時にこの講義を履修していた私には一層難しく、成績も悪い中、担当教授とは上手くコミュニケーションを取れていなかったため、焦っていました。しかし、留学生オフィスの助言を通して担当教授に辞書の使用許可をもらい、テキストの購入や、勉強会や大学院生への個別質問、オフィスアワーを活用し、1週間以内に疑問を解決するよう心掛けました。また、記憶定着のために睡眠時間を最低7時間確保し、残りの時間は会計学の講義中心に勉強し、他のクラスの先生には状況を話して講義スライドを授業後にもらう等の工夫をしました。最終的に、無事に全てのクラスで非常に良い成績で単位を取得できました。

2学期目は、寮生活、講義、交友関係の全てで楽しむことができました。英語に慣れたことで交友関係が広がり、講義も理解できるようになりました。専門以外のアートやダンス、起業の講義を履修し、クラスメイトと意見やアイディアを交換する楽しさや、その中で文化的背景の違いから生まれる価値観や受け取る印象の違い、アウトプットの仕方の違いなどを学びました。起業家のクラスでは1人でファイナルプレゼンテーションを成功させたことで留学での成長を実感しました。寮では友人達と映画鑑賞、放課後や週末はダウンタウンのレストランやバーに遊びにいき、時には友人の車でカンザスシティなどの違う街へ遊びに行くなど刺激的な日々を送ることができました。

この留学を経て、己を知り、学習面、精神面で飛躍的に成長したと感じています。1学期目に真正面から自分自身と向き合い、強み・弱みを知った上で課題解決に向けた思考と試行の方法を学びました。2学期目には、人との関わりを通して新しい価値観を知り、自分について考え直すことを知りました。人生は不安定で先が読めないことが多い中で、自分の生きる軸や目標に従い、人との関わりを通じて、目的に向かって試行錯誤を繰り返すことが重要であると学びました。この10ヶ月は人生のターニングポイントになったと確信しています。また、埼玉親善大使として務めを果たしつつ、また奨学金をいただけたおかげでより充実した留学生活となりました。改めて、埼玉県、そしてJAさいたまへ感謝申し上げます。ご支援いただき誠にありがとうございました。

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