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掲載日:2024年5月17日
Q 橋詰昌児 議員(公明)
新型コロナの感染症法上の位置付けが昨年5月、2類相当から5類に移行され、世界的流行から3年余りを経て、新型コロナは季節性インフルエンザと同じ扱いとなりました。
新型コロナをめぐる課題の1つとして、回復後に続く後遺症があり、対策の強化が必要です。
東京都が20代から70代までの住民を対象に実施したアンケートでは、り患者の4人に1人の割合で後遺症を疑う症状が2か月以上あり、若年層ほど割合が高く、症状は疲労感、倦怠感が最多だったとのことであります。また、国立国際医療研究センターの調査によると、感染から1年以上たっても、2割から3割の人が集中力低下など後遺症と見られる症状を訴えており、かなり多くの人が悩まされていることがうかがえます。
しかし、いまだ発症のメカニズムが不明で治療法も確立しておらず、対症療法が基本となっています。厚生労働省は後遺症の主な症状として、疲労感や倦怠感、関節痛、筋肉痛、せき、たん、息切れ、脱毛、集中力低下、抑鬱、嗅覚・味覚障害などを挙げており、こうした症状は時間の経過とともに改善することが多いが、症状が長期にわたって続いたり、感染時は軽症でも後遺症の方が重いケースもあるようです。
このような中、東京都は後遺症に悩む児童や生徒への対応として、小・中・高生について後遺症の具体的な症状や対応策をまとめたリーフレットを作り、ホームページに公開しました。保護者向けのリーフレットとともに教職員向けのハンドブックも作り、同様に公開されました。子どもが倦怠感を訴えている場合には、訴えをよく聞き、症状や体調に合わせて無理をさせないことが重要など具体的に指摘をしており、他の病気が隠れていることもあるとした上で、日常生活に影響がある場合は、医療機関に相談することが重要としています。
本県としても、コロナ感染拡大が続き後遺症に苦しむ人の中には子どもが多いことから、更なる後遺症対策をより一層推進すべきと考えますが、保健医療部長の見解を伺います。
また、学校現場において、登校や学習に配慮を希望する場合には、十分な相談体制が取られていますでしょうか、教育長に伺います。
A 表久仁和 保健医療部長
議員お話しのとおり、後遺症については、いまだ発症のメカニズムが不明であり治療法も確立されていません。
国が作成した診療の手引きでも、後遺症は除外診断であることが明示されており、他の疾患による症状を丁寧に除外することの重要性が指摘されています。
県では、新型コロナウイルス感染症後の症状について、身近な医療機関で診療できる体制の構築に努めてきました。
具体的には、埼玉県医師会の協力の下、令和4年3月に症例集を作成し、県内全ての医療機関に配付したうえで、後遺症外来を実施する医療機関を募集しました。
症例集を作成したのは本県のみであり、現在、後遺症外来を行う274医療機関を県ホームページで公表しています。
一方、家庭や職場、学校などにおいて周囲の方々が正しく後遺症を理解することも必要です。
そのため、啓発用のチラシを作成し、市町村広報紙への掲載を依頼するなど、関係団体や学校等に対する周知に努めています。
県といたしましても、引き続き後遺症外来を行う医療機関を募集し、診療体制の確保に努めるとともに、教育局などとも連携し、県ホームページの充実を通じて、後遺症の普及啓発に努めてまいります。
A 日吉亨 教育長
新型コロナウイルスの後遺症は、倦怠感や頭痛など様々な症状があることから、登校や学習への参加が困難な児童生徒に対して、個別に丁寧な対応が必要と認識しております。
学校では、直接相談に応じる担任や養護教諭などが、児童生徒の症状や不安を丁寧に聞き取ったうえで、教職員間で情報を共有し、個別の配慮を行うとともに、必要に応じて医療機関への受診を勧めています。
また、登校が難しい場合には、児童生徒の症状に合わせて、授業のオンライン配信や学習アプリによる個別学習など、学習機会の確保を図っております。
さらに、教職員が後遺症について正しく理解することが欠かせないことから、県では、教職員等を対象とした研修会を実施するとともに、保健医療部作成のチラシも活用しながら、理解促進に取り組んでおります。
県では、引き続き、各学校において児童生徒に寄り添った対応が組織的になされるよう、県立学校長に指示するとともに、市町村の担当者会議などで働き掛けてまいります。
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