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掲載日:2022年7月12日
Q 梅澤佳一 議員(自民)
この利根川の堤防強化対策事業が栗橋地区で動き出して約18年が経過しました。この事業は首都圏氾濫区域の安心・安全を守るために、言わば首都圏東京を守るために、江戸川・利根川の右岸堤防の強化策として国は直轄事業として決定しました。栗橋地区は堤防強化区域で唯一市街地を含む地域です。利根川流域と渡良瀬川流域の合流地でもあり、平成16年に一部をいわゆるミニスーパー堤防とする堤防強化改良案として事業決定し、約220戸の方が土地や家屋の提供をしてきました。
この堤防強化対策では、堤防の市街地側を7H工法で整備し、10メートルの堤防高であれば70メートルで築堤するので、今までの堤防から比べると非常になだらかな堤防のり面となり、堤防の川側においても5H工法で整備し、なだらかで大きな堤防とするものの、洪水した場合、越水しても破堤しない堤防となります。
当初、国は1期区間を10年で進めたいと話していましたが、10年でやっと土地の買収が終了した感じでした。その後、土地の買収が終わった場所から埋蔵文化財の発掘が行われ、令和四年現在も八坂神社跡地の発掘作業が行われています。
利根川の堤防は、令和元年第19号台風のときには昭和22年カスリーン台風を越える流量を流し、地域の安全に大きく貢献し、堤防の必要性を改めて示しました。住民からは早期の完成に向けて努力してほしいという声が大きくなっており、堤防強化対策の早期の完成を願います。
また、人口の流出による地域コミュニティの喪失、商業の廃業が相次ぎ、この栗橋地区において堤防の周辺環境を生かした取組を行うべきと考えます。久喜市では、堤防近くに位置する防災公園に公的避難所を設置することを決定いたしました。ここを防災活動拠点としてだけではなくて、防災教育の拠点として活用すべきではないかと考えます。
平成27年に関東東北豪雨が発生し、鬼怒川が決壊した当時、常総市に甚大な被害をもたらした当時、久喜市では消防団の拠点の設置の予定はありましたが、公的避難施設の計画の予定はありませんでした。そのようなときに、市が公的避難施設を設置するときには2分の1の国庫補助が使えるということを知りました。その後、県の協力もいただき、市の決断によって正式に防災公園内に公的避難施設の設置を決定、本年度、久喜市で設計予算が計上されました。
この公的避難施設では、消防や水防団の基地や住民の避難所としての機能はもちろん、2階では子供たちの災害に備えた防災学習の実施拠点として活用すべきと考えます。建築については市が基本的設計を作り、県から国へ上げると聞いています。また、地元協議会では、小学生や中学生に子供たちが喜び、興味を引く、防災学習施設の設置を要望しています。
工事や発掘の連続で活気がなくなっているこの地域ににぎわいを少しでも取り戻したい。子供たちの元気な様子は、地域に活気を取り戻します。防災拠点としてはもちろん、子供たちの社会科見学にふさわしい拠点としても整備を進めたいと思いますので、是非とも県の協力を願うものです。
また、この地は国道4号利根橋付近であり、国道125号や県道羽生外野栗橋線沿いにあり、非常に目立つ立地でもあります。また、利根川の自転車道がすぐそばを通っています。JR栗橋駅には徒歩15分くらいですので、この地を自転車道路の休憩地として活用することで地域振興にもつながるのかなと考えます。
そこで、次の3点を橋本副知事に伺います。
1点目、栗橋地区を含む1期区間における堤防強化対策の進捗状況と完成時期について。
2点目、同地区の公的避難施設整備に対する埼玉県の協力について。
3点目、公的避難施設を自転車道路の休憩地として活用することは考えられるのか。
以上、橋本副知事にお伺いいたします。
A 橋本雅道 副知事
「栗橋地区を含む1期区間における堤防強化対策の進捗状況と完成時期は」についてお答えを申し上げます。
先に議員からお話のあった「八ッ場ダム完成感謝のつどい」には、私も知事代理として出席させていただき、恩恵を受ける下流の都県を代表して、上流の皆様の御理解、御協力への感謝の気持ちを述べさせていただきました。
この八ッ場ダムを含む上流のダム群や、国が実施中の首都圏氾濫区域堤防強化対策は、堤防の決壊リスクを下げるため、本県を含めたこの地域にとって治水安全上必要不可欠なものであると考えております。
利根川では、茨城県五霞町から深谷市までの約49.5キロメートルの事業区間のうち、羽生市までの約23.5キロメートルを一期区間として堤防強化を進めております。
御質問の栗橋地区を含む1期区間については、令和3年度末の進捗状況が用地買収率約98%、工事進捗率約87%となっており、完成目標が令和5年度と伺っております。
引き続き、国に対し早期完成を要望してまいります。
次に、「同地区の公的避難施設整備に対する埼玉県の協力について」及び「公的避難施設を自転車道路の休憩地として活用することは考えられるのか」については関連がございますので、一括してお答えを申し上げます。
久喜市では国の堤防強化事業に合わせて、土地区画整理事業で整備する防災公園内に避難施設の建設を計画しており、この取組は、治水事業と都市整備事業との連携による流域治水の一環と考えております。
県では避難施設の建設に係る市の財政負担を軽減できるよう、都市防災総合推進事業の交付金について国と協議を重ね、令和4年度の新規事業採択がなされたところです。
これにより、市では令和4年度に避難施設の基本設計を行い、久喜市栗橋地区堤防強化事業対策協議会から要望を受けております水防団の基地や子供達の防災学習などでの活用について、検討を進めていくと伺っております。
また、御質問の利根川・江戸川サイクリングロードは東京ディズニーリゾート付近から群馬県渋川市に至る総延長170キロメートルの川沿いでは日本一長い自転車道となっております。
そこで、平常時には遠方からの自転車利用者など多くの方々に施設を利用していただき、広く防災に関する啓発を進めることは有効な活用方法であると考えます。
併せて、避難施設に隣接する八坂神社で朝市などの賑わいづくりを行う提案が地元協議会から市に寄せられていると伺っております。
このため、避難施設、防災公園及び八坂神社を含めた一体的なエリアで、地域の賑わい拠点としてのコンパクト、かつ災害に強いレジリエントなまちづくりの実現に向け、国への交付金申請手続きや実施計画に係る技術的支援など、市の事業を積極的に後押ししてまいります。
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