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掲載日:2024年10月17日
Q 山本正乃 議員(民主フォーラム)
種苗法は、1978年に制定された農産物など植物の新品種の育成者を保護するための法律です。近年、シャインマスカット等の登録品種の海外流出があり、今回の改正に至っています。主な改正点は、海外持ち出し制限、栽培地域の指定、自家増殖の許諾の大きく3点です。
これまでは農家に対しては、登録品種でも米や麦など自作以降、原則として自家増殖が認められていましたが、この改正により登録品種は自家増殖が育成者権者による許諾性になりました。そのため、登録品種については育成者権者が求めた場合、農家はお金を払って許諾を得るか、全て苗を購入しなければならなくなる可能性もあります。この改正に対し手続の負担が増えるのではないか、許諾の際に支払う許諾料が高額になるのではないかなど、心配する声が上がりました。
また、各県の米やイチゴなどの特産品種は登録品種も多く、県によっては登録品種の占める割合が高くなっています。農家は自分が栽培している作物が登録品種であると認識せずに栽培している例も多いと聞いています。
来年4月から登録品種の自家増殖の許諾制が施行となりますが、このような農家の方々にとって栽培作物が登録品種であった場合、突然コストが発生する可能性もあります。さらに法令違反となってしまった場合には、懲役や罰金などの処罰を受ける可能性も生じます。
そこで、種苗法改正による農家への影響について、2点、農林部長にお伺いします。
まず、1点目です。
県の登録品種について自家増殖の許諾を行うに当たり、農家が高い許諾料を請求されるようなことはないのでしょうか。許諾をどのように行う予定なのか、お伺いします。
次に、2点目です。
種苗法改正により登録品種の取扱いを不安に思っている農家がいると思われますが、その不安を解消するために県ではどのような取組をされているのか、お伺いいたします。
A 強瀬道男 農林部長
県の登録品種について自家増殖の許諾をどのように行う予定なのかについてでございます。
改正種苗法により、登録品種の自家増殖は、令和4年4月から許諾に基づき行うこととなります。
本県の試験研究機関が育成した登録品種は現在19品種あり、令和4年4月以降の自家増殖の許諾については、品種ごとにその特性や普及方針などを踏まえ検討を行っているところです。
許諾については、団体などが一括して受けることや、育成者としての権利を持つ者が許諾を求めない場合には、新たな手続きをすることなく自家増殖が可能となっています。
また、本年3月に国から示された公的機関における許諾のガイドラインでは、現在の利用実態を十分に勘案の上、許諾条件を設定することとされています。
県といたしましては、農業者や農業者団体などの意向を踏まえ、農業者の営農の支障とならないよう配慮し、現状から大きな変更がないよう対応してまいりたいと考えています。
次に、農家の不安を解消するために、県ではどのような取組みをしているのかについてでございます。
許諾料については、農業者の営農に支障が出るような高額な許諾料では、農業者がほかの品種を選択すると考えられるため、極端に高い許諾料が設定されることはないと見込まれています。
また、自家増殖の許諾は登録品種だけが対象であり、在来品種や品種登録されていない一般品種は、これまでどおり自由に増殖することができます。
利用する品種が登録品種かどうかを容易に確認できるよう、改正種苗法により、本年4月から、登録品種の種苗を販売する際には、登録品種であることの表示が義務付けられています。
こうした種苗法改正に関する情報や、登録品種の適正な利用方法などについて、県ではこれまでも国や農業者団体などと協力し、研修会などで周知を図ってまいりました。
今後、更に農業者団体や市町村と連携し、県内農業者に対して広報誌などを活用した一層の周知を図り、県内農業者が安心して種苗を利用できるよう努めてまいります。
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