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掲載日:2024年10月17日
Q 武内政文 議員(自民)
本年、現在本県では、メガソーラーなどの太陽光発電施設の設置において、災害の危険性が高い山間地域での開発や住民の住環境を悪化させるケースが数多く出ております。卑近の例では、9月3日に自民党議員団が知事に事業中止の要望書を提出したとおり、小川町において86ヘクタールの敷地に巨大メガソーラーの計画が進んでおり、地元住民に大きな不安を与えております。膨大な盛土の搬入のため、1日延べ300台以上のダンプカーが町を通過するという異常とも言える計画です。
私が住む越生町でも急傾斜地に施設を設置する事業が始まり、大雨のたびに土砂崩れが起こり、生活道路を塞ぐ事案が起きました。施設は既に稼働しておりますが、いまだ雨水貯留池などの安全施設が設置されず、住民の不安は解消されておりません。
このような状況下、国の再生可能エネルギーを大きく増やす計画が動き出そうしております。今でさえ再生可能エネルギーの主力となっている太陽光発電は、施設設置の際、自治体や住民とのトラブルが頻発し開発に向く土地が少なくなる中で、今後さらに増やさなければCO2削減目標を達成できないことは明らかです。それと引換えに県民の安心・安全が損なわれることを、私は懸念しております。
本年6月定例会における守屋議員の一般質問に対する答弁で、知事は、本県には山間地から田園地帯など様々な地域があり、多様性に富んでいることを理由に条例制定を否定しております。しかし、県内では、日高市、川島町、吉見町、嵐山町では既に条例を制定しており、さらに越生町、鳩山町などでも条例を制定する予定です。こうした地域は、住民の生活環境を守るために必死です。県の態度とは対照的です。
今後、太陽光発電施設の建設が増えることが予想される中で、県は、市町村任せで適正な県土の保全、活用と県民の安心・安全が守られると考えているのでしょうか。私は、太陽光発電事業を適正に進めるために、国頼りではない、県自らの対策強化を真剣に検討し実施すべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーの拡大は不可欠であります。
他方、山林などにおける太陽光発電施設の設置について、災害リスクや生態系への影響などの懸念から、本県においても反対の声が上がっている地域がございます。
県では、このような問題が顕在化し始めた平成28年から「太陽光発電施設の設置に関するガイドライン」のひな型を市町村に示し、その策定を促してまいりました。
また、条例の策定を検討する市町村に対しましては、全国の先行事例の紹介や条例案への助言を行うなどきめ細かく支援を行っており、現在は、29の市町村が条例やガイドラインなどを策定しています。
このように県としては市町村任せでの対策としているのではなく、市町村は県の定めたひな形を元に対策を進めております。
さらに、50キロワット以上のFITによる太陽光発電施設を対象に、柵や標識が適正に設置されているかなどについて県独自に調査を実施しており、その結果を国や市町村に提供しております。
一方、議員お話しのとおり、7月に熱海市で盛土のたい積などが原因と見られる土石流が発生し、多くの方が被害を受けました。
山林での太陽光発電施設の設置についても、地盤を支えている樹木の伐採、盛土や切土など表土の改変を伴うことから同様の災害が発生する恐れがあると考えています。
そこで、太陽光発電施設の設置のみならず、山林での適正な盛土や開発などについて、副知事を筆頭に部局横断で幅広く検討するよう指示をしたところでございます。
今後も県と市町村が連携を深め、安心安全に太陽光発電の施設が設置されるよう努めてまいります。
再Q 武内政文 議員(自民)
知事の御答弁では、市町村を支援ということで要綱のガイドラインを作ったり、あるいは情報提供、これ以上のことは県として主体的に強化をするんだというのが、その具体性がちょっと見えないのですけれども、国への法制改正要望とか、県としてやることはまだあると思うのですが、もう少し踏み込んだ県として主体性のある御答弁をお願いしたいと思います。
再A 大野元裕 知事
議員からは、市町村に対するガイドラインや情報提供等にとどまらず、県としてやるべきことがあるのではないか、という御質問だったと理解をさせていただきました。
県民の安心安全は何よりも優先されるべきことでありますので、先ほど申し上げたとおり、盛土による災害防止のための総点検、そして、太陽光発電施設の問題についても検討するよう指示をさせていただいたところでございます。
議員の御質問にもあったとおり、6月の定例議会において、本県には山間地から田園地帯など様々な地域があり、多様性に富んでいるため、まずはしっかりとした総点検を行い、その結果を分析をするとともに国の動向を踏まえる必要もあると思っております。
なぜならば、国としては太陽光施設に関する固定価格買取制度、フィードインタリフを策定しながら、この制度に基づく普及に生じる諸問題への対応が不十分であり、これまでも国に対してはこれらの問題に関する事業者への指導について要望を続けてきておりますが、未だに適切な対応がなされておりません。
したがって、先ほど申し上げました、総点検の結果の分析と同時に国の動向をしっかりと見据えながら県としての対応を改めて検討したいと考えております。
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