埼玉県議会 県議会トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:179852

掲載日:2020年7月10日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(宮崎吾一議員)

要配慮者(高齢者、基礎疾患を有する者、障がい者、妊産婦等)の避難について

Q  宮崎吾一  議員(自民)

私は、避難所における災害関連死を防ぐためには、高齢者、基礎疾患を有する者、障害者、妊産婦、要配慮者専用の福祉避難所の充実が必要と思っています。また、これまでも避難所における感染症対策は検討されてきましたが、新型コロナ感染症を受けて現時点では分散型避難を前提としての避難所運営が、社会的、疫学的に要請されています。
県は、避難所の運営に関する指針を本年5月に改定しました。この改定の中で、要配慮者に対する取扱いについては、保健師の派遣、避難所に専用受付やスペース又はゾーンを設ける、そして特定の避難者専用の避難所を活用することも考えられるといった項目のみとなっています。その大半が通常の避難所設営に関することであり、要配慮者の避難に関しては積極的なものとは言えません。
福祉避難所は市町村が開設する権限を持っています。また、市町村は要配慮者の名簿を作成し、個別に対応してきました。今回、新型コロナ感染拡大抑止策としては、クラスター対策が重要であると位置付けがされました。そのクラスターが発生した際に重症化するリスクが高いのが要配慮者です。その被害を防ぐためにも、5月に改定した指針に加えて、要配慮者の避難に関する県独自ガイドラインを策定する必要があると考えます。
この中で現在、市町村ごとに差が出ている福祉避難所の数を高いレベルで標準化できるようにするために、人手不足の課題によるボランティアの協定を含む人的な支援、そして新型コロナ感染症を受けて感染防止の上で有効な物資、機材の確保、及び通常の施設利用者と一緒に滞在するために必要な整備を行うための財政支援をパッケージ化し整えていくべきと考えますが、要配慮者向けの取組について、福祉部長に御見解をお伺いいたします。
また、これまでは道路が寸断されて一般避難所から福祉避難所への移動、搬送ができないなどの特殊事情がなければ、要配慮者の避難は一般避難所へまず避難することが前提とされてきました。しかし、要配慮者の避難については、重症化リスクを防ぐ観点からも最初から福祉避難所への避難ができるようにするべきと考えますが、福祉部長に見解をお伺いいたします。
また、一般の方が誤って福祉避難所に来てしまうことのないよう、要配慮者が災害時に避難すべき福祉避難所について更に広く周知するべきと考えますが、併せて福祉部長にお伺いします。

A  山﨑達也  福祉部長

まず、「要配慮者向けの取組について」でございます。
福祉避難所は、一般の避難所に避難した方々のうち特別な配慮が必要な方を受け入れる2次避難所として、市町村が社会福祉施設などを指定し、災害の状況に応じて開設いたします。
県では市町村に対し、より多くの福祉避難所を指定するよう働きかけており、本年4月1日現在、県内の福祉避難所は799カ所で、3年前より150カ所増えるなど着実に増加しています。
しかし、新型コロナウイルス感染症への対応を考えると、十分なスペースをとるため、更に多くの福祉避難所を確保することが必要です。
また、福祉避難所は重症化リスクの高い要配慮者を受け入れることから、感染症対策のより一層の徹底が求められます。
このたび県が改定した「避難所の運営に関する指針」は、福祉避難所にも共通するガイドラインですが、市町村は福祉避難所の多くに社会福祉施設を指定しており、施設入所者とのゾーニングなど特有の課題もございます。
そこで、従来、県が市町村に示してきました福祉避難所の設置・運営に関するマニュアルを早期に改定いたします。
また、人的・財政的な支援については、県による災害派遣福祉チーム(DWAT)や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金など活用可能な施策をわかりやすく示すことで、福祉避難所の市町村での円滑な確保・運営につなげてまいります。
次に、「最初から福祉避難所への避難ができるようにするべき」についてでございます。
国のガイドラインでは、災害が起きた時、まずは一般の避難所に避難し、そこで保健師などが福祉避難所に移ることが適当と判断した方に福祉避難所へ避難していただくこととされています。
福祉避難所は、災害の状況に応じて開設され、その受入れ人数は限られているため、混乱を避け機能を十分に発揮させていくためには、原則どおりガイドラインに基づく対応を図ることが基本と考えています。
しかし、要配慮者の状態や地理的な状況などは様々なことから、ガイドラインを基本としつつ、臨機応変な対応を図ることも必要と認識しています。
県では、市町村に対し、平時から特別な配慮が必要な方の把握に努め、そうした方が、直接、福祉避難所へ避難することについても検討するよう働きかけており、今後とも周知に努めてまいります。
次に、「福祉避難所についてさらに広く周知するべき」についてでございます。
国のガイドラインでは、市町村は、福祉避難所に関する情報を広く住民に周知することとされています。
しかし、799カ所ある福祉避難所のうち、住民に周知が図られているのは661カ所であり、要配慮者以外の住民が避難してしまう懸念から、市町村や施設側が公表をためらうケースもあります。
こうした事情はありますが、災害時に福祉避難所が有効に機能するためには、様々な関係者や住民が福祉避難所に関する情報を正しく共有していることが必要です。
県としても福祉避難所の周知について引き続き市町村に働きかけてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?