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掲載日:2023年7月10日
Q 高橋稔裕 議員(無所属)
まずもって、現場で御努力くださっている教職員、学校関係者の方に感謝申し上げます。その上で、9月入学の導入についての報道に疑問を感じていました。議論の末、最終的に法制、財政、体制面の用意が整わないので見送るという結論に賛同します。
しかし、私は、これを機に欧米に合わせるという議論ばかりが前面に出ていたことを腹立たしく感じております。報道はそのことばかりでした。本来あるべき議論の軸は、何しろ子供たちにこの1年間で学んでほしいことや経験してほしいことを伝え切れるのか、心のケアも含め大丈夫なのかという点に尽きると思っていたからです。
今回、新型コロナによる臨時休業で多くの授業時間が失われました。夏季休業など削りに削って、22日掛ける6時間足らない学校もあると聞きます。この現実を基に、現場で幾ら工夫しても、昨年度と同内容を教え切れるとは思えません。学校現場は既に相当に疲弊しております。3月に臨時休業が始まり、すぐに全ての学校で遠隔授業ができていたなら、もしくは宿題の的確な教材を用意し取り組めていたなら、昨年度と同内容を教えられていたと考えられますが、決してそのような状態ではありませんでした。これはいたし方ない、しようがないことなのです。
そこで、お尋ねします。学年の最後に「学び切れなかった」では、子供たちがかわいそうです。子供たちは今年度、昨年度と同じ内容を学び切れるのでしょうか。教育長、御答弁をお願いします。
大人は子供に「補い切れる」と言い続けたほうがよいのでしょうか。ごまかすことなく、昨年度と同内容を学び切れないと、正直かつ誠実に大人としてのメッセージを送ることが大切なのではないでしょうか。私自身、一つのまちを代表する一人の政治リーダーとして、子供たちに本当に申し訳ないと思っております。
また、具体的な対応策として、例えば全県共通で、この学年のこの教科のこの部分は薄く教えると指針を出す。そうすることで、たとえ小6や中3だったとしても、この学年はこの部分が薄いのだと、次の学校、あるいは次の学年の教師も、生徒自身も認識できる、後で補うことができる。そこは薄い知識なので、意識して教えようなど、次に生かすことができると思います。
文部科学省の6月9日の通知にも、今年度中に予定していた内容を終えることが困難な場合、次年度以降を見通した教育課程編成、学校の授業における学習活動の重点化という特例的な対応が考えられると示されています。
そこで、伺います。県全体として、特例的な対応に踏み込むべきではないでしょうか。子供や現場の教師任せの対応でなく、この例に限らず、地に足のついた取組を県全体ですべきと考えますが、教育長の御所見を伺います。
A 高田直芳 教育長
まず、今年度、昨年度と同じ内容を学びきれるのかについてでございます。
長期の休業により、児童生徒には、本当につらい思いをさせてしまいました。
また、休業による学習の遅れにつきましては、保護者の皆様にも御心配をおかけしております。
議員御指摘のとおり、今年度は例年と比べ短い期間での学習となりますので、児童生徒の学習内容の定着具合に差が生じることが懸念されております。
そこで、現在、各学校では、時間割編成の工夫、学校行事等の精選、夏季休業の短縮等により授業時間を確保し、児童生徒が年度内に当該学年の学習内容を学べるよう、最大限の努力をしております。
県といたしましては、教員の補助や補習等を行い、よりきめ細かい指導を実施するため、各公立小・中学校及び県立高校に、学習指導員を配置するための補正予算を今議会にお願いしているところでございます。
このような取組をしっかりと行うことで、現時点では年度末までに当該学年の学習内容を学べるよう、全力で支援してまいります。
次に、県全体として特例的な対応に踏み込むべきではないかについてでございます。
国の通知では、「学習内容の一部を次年度以降に先送りすること」や「学習の一部を家庭で行うなど、学校の授業を重点化すること」が示されております。
こうした国の通知で示された内容は、授業時間を確保するために最大限の努力を行っても、指導を終えることが困難な場合の補完的な取組とされております。
各学校が再開され、授業が始まったところでありますので、引き続き、各市町村や各学校の状況を丁寧に把握しながら、どのような対応が適切か注意深く検討してまいります。
再Q 高橋稔裕 議員(無所属)
答弁では、把握を進めるとの答弁でした。私は、学年の最後、「学び切れなかった」では子供たちがかわいそうだったと述べました。早急にお願いしたいとともに、把握や検討や調査するに当たって、学校の先生に、校長先生に「勉強を教え切れますか」と聞いても、「教え切れます」としか当然言いません。
調査等を行うときの一般的な注意点として、調査される側の、今回の場合は各教育委員会や学校教職員ですね、評価や名誉に関わるものは実態を申告しないという、調査設計をする上での初歩の初歩の注意点があります。その点を御考慮いただいた上での検討になりますでしょうか。併せて、現場に負担のかかるような検討の仕方になりませんでしょうか。その二点、御留意いただけるか、お伺いさせてください。
再A 高田直芳 教育長
答弁の中でも申し上げましたけれども、長期の休業のため、学習の遅れが出ていることについて、児童生徒並びに保護者の皆様には大変御心配をお掛けして申し訳なく思っております。
現在、市町村教育委員会並びに各学校では、失われた時間数をどうやって回復するかということについて検討し、例えば、夏休みを短くするでありますとか、時間割の工夫をするでありますとか、様々な工夫をしながら全力で教育活動に当たっているところでございます。
今後、学習の遅れが本当に回復できるのかということに関しまして、どのように実情を把握するのか、とのお尋ねでございました。
把握に当たりましては、議員の御指摘を踏まえまして、実態がきちんと把握できるような形にしてまいりたいと思いますし、その際、教職員あるいは保護者の皆様などの負担にならないように十分留意しながら把握した上で、丁寧に教育活動の回復に努めてまいります。
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