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掲載日:2023年7月10日
Q 高橋稔裕 議員(無所属)
新型コロナウイルスにり患された方に、お見舞いとお悔やみを申し上げます。これまでのコロナの対応を通して、外出自粛を中心とした行動制限により、コロナのまん延は抑制できることを確認できたと言ってよいのではないでしょうか。誰も望むところではありませんが、コロナのまん延第2波が来たとき、外出制限さえすれば抑制できる。一つ、大きな安心を手に入れたと私は考えています。県民の皆様とエッセンシャルワーカーの方々、執行部の方々のおかげであります。ありがとうございます。それをよりどころに、県民全体で力強く、しなやかに、大胆に動き出せたらと思います。
目の前には第2波が起きるリスクが常に存在しています。多くの方々の努力でコロナのまん延を防いだわけですが、第2波に備え、その貴重な経験を生かすだけでなく、その到来の前、すなわち平時からしっかりと準備していくことが大切と考えます。
そこで、お尋ねします。第三者の民間の組織が公益のため協力してくれております。まずは、知事と保健医療部長が先頭に立って、医療機関やホテルの責任者の方々と顔の見える関係を構築し、いざというときに備えることが大変重要であると考えます。知事の御所見をお伺いします。
さて、進めるべきことは二つ、経済復興の対策と不安を払拭する対策です。経済対策を行っても、不安が払拭されない限り、経済は動き出しません。そこで私は、不安を払拭する対策、つまり医療提供体制と検査体制の充実を今回取り上げます。「十分な医療が埼玉にあるから安心して」「かかっても、すぐ見つけてもらえるから安心して」、そう言える体制が必要です。
まず、医療提供体制について伺います。
5月22日、県の外出自粛再要請の検討の目安は、新規陽性者数が週100名以上と発表されました。こういった事態が起きることを想定して、詳細に、かつ具体的に想像力を働かせ、そのとき何が起きるか、シミュレーションをしておくことが大事だと思います。その内容をお示しすることは、県民の安心につながります。
そこで、お尋ねします。新規陽性者数が週100名以上となり、感染が再び拡大した場合、どれくらいの患者数、入院者数、病床の使用率になるとお考えでしょうか。感染が疑われる方が救急などで入院するとき、たらい回しにならない体制になるのでしょうか。そして、その後の再拡大期において、再拡大期の医療提供体制へとすぐさま移行していけるのでしょうか。
以上、保健医療部長の御答弁をお願いします。
次に、検査体制について伺います。
県内病床数の拡大要求を国にしているものの、人口当たり病床数が日本一少ない本県にとって、未曽有の事態に直面しても安心してもらうためには、最高の検査体制が必要だと思います。日本一の検査体制を整備することで、早期に発見し早期回復、重症化防止、早期拡大を防止しクラスターを潰していく。これが埼玉県がとるべき戦略だと思っております。不安を少しでも感じたら即検査、即即検査です。
6月2日の知事の記者会見で発表された検査体制の強化施策については、評価いたします。今まで検査の入口は保健所、帰国者・接触者相談センターだけであったものが、地域の診療所がPCR検査の必要の有無を前向きに判断していくというものでした。県管轄区分、全県で13カ所であった検査への入口が、2,182カ所に拡大するものです。
しかしながら、地域の診療所はコロナの疑い患者を診る体制が整っているのか疑問に思います。発表のフローのように流れるのでしょうか。診療所、クリニックのかかりつけ医の先生も怖いのではないでしょうか。
そこで、伺います。PCR検査の必要性を判断するに当たり、地域のかかりつけ医が安心して地域の患者を受け入れる体制づくりを県としてどのように行うのでしょうか。今後の考え方について、保健医療部長にお伺いします。
A 大野元裕 知事
新型コロナウイルス感染症に対応する医療提供体制を構築するためには、患者の受入病床や宿泊療養施設の確保が必要不可欠です。
医療機関やホテル事業者の皆様には、感染リスクや風評被害もある中で、多大なる御協力をいただき、約600床の受入病床と、約1,000室の宿泊療養施設を確保することができました。
この場をお借りいたしまして、御協力をいただきました全ての方々に感謝の意を表します。
約600床の受入病床を確保した際には、私自らが病院長に直接、電話等で要請をさせていただきました。
また、大変な協力をいただいてきた県医師会や看護協会幹部の方々とは日常的に連絡を取り合っております。
さらに、保健医療部長は、病院長や県医師会の役員の皆様と病床確保だけでなく、新型コロナウイルス感染症対策の全般にわたり、意見交換をしております。
今後、仮に、再び感染が拡大した際にも、御協力をいただけるよう、私や保健医療部長をはじめとする幹部職員が、日頃から、医療機関やホテルの責任者の方々と顔の見える関係を構築してまいります。
A 関本建二 保健医療部長
まず、新規陽性者数が週100人以上となり感染が再び拡大した場合の患者数、入院者数、病床の使用率についてでございます。
県では、再び感染が拡大し、外出自粛の再要請を検討する時期の目安を「新規陽性者数が週100名以上」としております。
第1波では、3月31日から4月6日までの7日間で「新規陽性者数が週100名以上」となり、その翌日の4月7日に緊急事態宣言が発出され、外出自粛要請などの公衆衛生学的介入を行いました。
このため、再拡大期も速やかに外出自粛要請を行うと想定し、第1波のこのタイミングにおける療養中の患者数を振り返ってみると、外出自粛要請を実施した4月7日は183名であり、うち入院者数は101名でございました。
現状の考え方では、縮小期の確保病床数は240床であり、これを当てはめた病床使用率は42.1%になります。
次に、感染が疑われる方が、救急などで入院するとき、たらいまわしにならない体制となるのかについてでございます。
議員御指摘のとおり、発熱・肺炎などの症状のある新型コロナウイルス感染症疑い患者の救急搬送が多く発生している状況にあり、搬送困難となる事例も多くなっております。
そこで、県ではPCR検査体制を有し、疑い患者専用の入院病床を確保していただいた二次救急医療機関などを「疑い患者受入医療機関」として、5月25日から順次指定しているところでございます。
この受入医療機関には、日々の空きベットの情報を県に御報告いただき、その情報を日々、救急隊が使用している救急医療情報システムに表示することで、疑い患者の搬送をスムーズに行えるようにしております。
「疑い患者受入医療機関」の数は、制度開始当初は23医療機関126床でございましたが、本日現在で34医療機関172床まで拡大しております。
次に、再拡大期において、再拡大期の医療提供体制へとすぐさま移行していけるのか、についてでございます。
第1波が収束した現在においては、既に確保した600床を240床にまで縮小いたしますが、関係医療機関の病院長の皆様には、再拡大期の病床再確保のための御協力についても御理解をいただいております。
再拡大期では、240床の病床使用率が5割となる120人以上が入院した場合に、公立・公的医療機関には3日間、民間医療機関には7日間で確保病床数を600床に戻していただくよう要請することとしております。
さらに、120人の入院を待つことなく、例えば、病床使用率が3割の80人以上となった時点で、関係医療機関に対し、600床を確保する準備を促すこととしております。
再拡大期において、感染者が倍増するまでにかかる日数である倍加時間を6日間といたしますと、入院患者数が120人から600人に達するまでに13日間を要します。
そのため、7日間で240床から600床に移行するという要請は十分な期間ではないかと考えております。
なお、現在、国から新たに示された考え方に基づき、ピーク時の患者数や、ピークに到達するまでの増加スピードを見込んだ上で、段階的なフェーズを再設定し、各フェーズの確保病床数を推計する作業を進めております。
新たな推計におきましても、現在の考え方と同様に、全てのフェーズに必要十分な病床数をしっかりと確保するとともに、フェーズが切り替わる前に、医療機関に対し早めに病床確保の準備を促してまいります。
次に、検査体制についてでございます。
秋以降、インフルエンザの流行とともに増加する発熱患者を地域の診療所でしっかりと受け入れ、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者については適切にPCRセンターにつなげていくことが大切です。
このため、県医師会の協力を得ながら、地域の診療所の医師や医療従事者に対して、院内感染の防止や感染症患者の対応などについての研修会を実施しているところです。
5月にはWeb会議形式で約750人の医療関係者の方に参加をいただきました。
今後も、研修が必要な医師や医療従事者すべてに行き渡るよう実施してまいります。
さらに、各医療機関におきましては、今議会にお願いしております補正予算案による補助金を活用して、診察室のレイアウト変更や、オンライン診療のための機器の購入など、院内感染防止の環境整備を進めていただきます。
こうした取組により、地域のかかりつけ医が安心して地域の患者をしっかりと受け入れる体制づくりを進めてまいります。
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