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掲載日:2023年7月10日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

新型コロナウイルス感染症に対する検査体制の拡充について

Q  木村勇夫  議員(民主フォーラム)

今回の新型コロナに関することで、地元から相談、苦情が多かったのは検査に関することでした。「発熱が続き不安だが、医者にかかれない」「医者に診断してもらってもPCR検査が受けられない」「次から次に窓口を紹介されたが、結局は検査を受けることができず、自宅で様子を見ることになった」、いわゆる「たらい回しにされた」という話を聞きました。私のごく親しい知人も39度近くの発熱があり、かかりつけ医に行くも病院に入れず、その後、保健所に連絡してオンライン診療を勧められるが、それもできず、医者に連絡すると基幹病院では発熱患者の外来は診ていないと拒否され、4日間ルールで対応してもらえず、解熱剤を飲めと言われ、最終的には都内で診療を受けたということもありました。
新型コロナウイルスは、本人の症状はないがPCR検査が陽性となる場合があり、その無症状病原保有者から感染が広がるおそれもあります。知人の話を聞きながら、不安解消のためには検査体制を充実するべきと、特にPCR検査の拡充の必要性を痛感しました。
PCR検査は県では当初、保健所内の帰国者・接触者相談センターが電話相談を基に必要性を判断していましたが、電話がつながりにくいことや検査が受けられないことが問題となり、その後、検査体制を強化するため、各郡市医師会による発熱外来PCRセンターが設置され運営されています。地域のかかりつけ医を受診し検査が必要とされたら、PCRセンターで検査が可能となりました。
加えて、県では5月22日より抗原検査を導入しました。抗原検査とは鼻の奥から検体を採取し、キットで検査することで30分程度と短時間で陽性確認を行うことができるものです。早急に陽性確認ができることがメリットですが、ウイルス量が多くない場合、陰性となってしまうことから、陰性の確認には適さない検査となっています。精度はPCRよりも低いものの、早急な陽性確認が可能ということであります。これらの対応を評価いたします。
しかし、この抗原検査も症状がない患者の陰性確認には適さないということで、これで県民ニーズに合った検査体制となったのかという不安もございます。また、今後第2波の兆候を察知するために、体制整備を進めるべきとの観点から、以下、保健医療部長に質問いたします。
一点目、コロナ発生以降、これまでなぜ検査に関する苦情が多かったと考えるか伺います。
二点目、今回の補正予算案にある14億5,500万円程度をかけて、PCR検査、抗原検査を合わせて検査数がどれだけ増やせるのか伺います。
三点目、抗原検査の有効性についての見解を伺います。
四点目、今回の検査体制の拡充は評価いたしますが、今後、検査体制の充実に向けて、この抗原検査、PCR検査をどう活用していくのか伺います。
次に、抗体検査について伺います。
症状はないものの、新型コロナの不安を抱く県民も数多くいらっしゃいます。その不安解消策の一つとして抗体検査があります。抗体検査とは、新型コロナにかかったことがあるかどうかを検査するものです。先日、ジャイアンツの選手が抗体検査を実施し、その結果、陽性の選手が発見されたように、今後の新型コロナ対応のためにも、また県民の不安を解消することにも有効だと考えます。また、第2波が心配される中で、状況が落ち着いている夏場の今こそ、抗体検査を導入し、そのデータを取って蓄積するべきだと考えますが、抗体検査に対する評価、認識と見解を保健医療部長にお伺いいたします。

A  関本建二  保健医療部長

まず、なぜ検査に関する苦情が多かったと考えるか、でございます。
本県では、3月4日に発出した通知により、医師が必要と判断した場合には、PCR検査を受けることができますが、当初は検査の対象が限定されておりました。
1月23日の国からの事務連絡では、検査の対象は37.5度以上の発熱があり、武漢への渡航歴や接触歴を有する者に限られておりました。
その後、2月17日に、国が相談・受診の目安を定めましたが、「37.5度以上の発熱が4日以上」と、まだ、対象が限られていました。
加えて、帰国者・接触者相談センターである保健所への相談が増え、電話がつながりにくいという状況もございました。
こうしたことが苦情の多かった理由と考えます。
次に、今回の補正予算案である14億5,500万円程度をかけて、PCR検査・抗原検査合わせて、検査数がどれだけ増やせるのか、でございます。
発熱外来PCRセンターが広まったことなどから、保険適用の民間検査件数の大幅な増加が見込まれております。
このため、公費負担分として1日あたり現状300件を1,000件、700件の増の費用を10月までの分として計上しております。
また、抗原検査につきましても、医療現場で簡易迅速に判定を行えるため、PCR検査に代えて導入が進むことが見込まれ、10月までの分として1日新たに1,000件を見積もっております。
PCR検査・抗原検査合わせて、1日あたり1,700件の増を見込んでおります。
次に、抗原検査の有効性についての見解でございます。
抗原検査は、6月16日の厚生労働省の事務連絡により、症状が出て2日目から9日目までの方については、抗原検査のみで感染の有無を判定できるようになりました。
これにより、その場で30分程度で結果が出るため、患者や医療機関の負担軽減が期待されます。
特に、救急医療の現場など迅速性が求められる分野では、大いに活用が期待されるところです。
次に、今後の検査体制の拡充に向けて、この抗原検査・PCR検査をどう活用していくのか、でございます。
症状のある方には、医療現場で抗原検査を行い、症状のない場合や症状が出て10日目以降の方には、PCR検査を行うことになります。
抗原検査とPCR検査を症状に応じて使い分けることにより、PCR検査の処理件数の限界を補い、検査件数の拡充を図ってまいります。
次に、抗体検査に対する評価・認識と見解でございます。
厚生労働省が今月行った抗体検査では、抗体保有率が東京都が0.10%、大阪府が0.17%、宮城県が0.03%で、大半の人が抗体を保有していない状況が明らかになっております。
感染症の一般論としては、抗体を保有している人は再び感染しないか、重症化を防ぐことができます。
しかし、新型コロナウイルスの場合、抗体があっても感染が防げるのか、重症化を防げるのかなどが、現在ではわかっておりません。
また、国の承認を受けた抗体検査の検査キットがなく、精度に問題があり、陽性でない人を陽性と判断することもあると指摘されております。
このため、今後の大学など、研究機関における研究の進展や国の検査結果の分析や解釈を注視してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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