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掲載日:2023年7月10日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(齊藤邦明議員)

アフターコロナの危機管理体制について - 財政調整基金の在り方について

Q   齊藤邦明  議員(自民

飯能市のおかげで身近になったムーミン、そのキャラクターでタマネギ頭の「ミイ」という女の子がいます。彼女のセリフで、次のようなものがあります。「ときどき誰かに言われた言葉が、チクッて刺さってイラッとするときあるじゃない。それね、本当のことを言われているからよ」。ごもっともです。非常時になると、ふだん棚上げにしてきた問題が浮き彫りとなります。イラッとするような点がありましたら、問題改善のチャンスかもしれません。
財政調整基金は、歳入の減少や急な歳出など、年度間の財源不足に備えておくための自治体にとっての貯金のようなものです。本県は、基金が慢性的に不足しておりますので、我が会派から執行部に対し、積み増しに向けた提言をし続けてまいりました。
私も、平成30年2月の予算特別委員会で、財源調整のための3基金について質疑をしました。その中で、リーマン・ショックなどの大きな景気変動に備え、基金が700億円程度必要ではないかといった旨の答弁が企画財政部長よりありました。ちなみに、令和2年度の当初予算における財政調整基金残高は46億円、大規模事業推進基金と県債管理基金を合わせた三基金の合計が70億円、残念ながら必要量の10分の1しかないような状況でした。
平成30年度の財政調整基金残高の都道府県ランキング1位は、断トツで東京都。以下、2位、大阪府、3位、愛知県、4位、神奈川県、5位、千葉県と続きます。都道府県の人口や財政規模に比例しているような順位ですが、埼玉県は29位です。また、県民一人当たりの金額で見ると、埼玉県は45位という状況です。
これでは、県が独自に経済支援策を講じられるはずもありません。また、5月20日に開催された全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部のテレビ会議において大野知事は、「埼玉はこの交付金では足りず、公営企業会計から借入れを行うなど、本当に苦労している」と発言されていました。
この件からも、当初予算編成における基金活用の常態化が、新型コロナ対策の遅れに少なからず影響を与えたのは明らかであると考えます。
そこで、質問です。
県民の生命・財産を守るため、柔軟かつ迅速に財政出動ができるよう、県は財政調整基金を積み増しておくべきであったのではないでしょうか。新型コロナウイルス関連だけ見ても、感染拡大第2波以降への対応、冷え込んだ景気への回復策、県民に対する生活支援など、この先も緊急の予算出動が予想されます。今回のコロナ禍を通し、知事はどのようにお考えでしょうか。今後、税収面の減収により財源の確保が課題となりますが、財政調整基金の在り方について知事の御所見をお聞かせ願います。

A   大野元裕   知事

財政調整基金の在り方についての、財政調整基金を積み増しておくべきであったのではないかについてでございます。
災害などによる想定し得ない支出や景気変動による税収減など、緊急時の対応において財源を調整するために、本県では財政調整基金、大規模事業推進基金及び県債管理基金を活用しております。
こうした財政調整のための基金にもっと残高があれば望ましいという考えは私も全く同じでございます。
しかしながら、基金への積み立てに必要な財源を生み出すためには、本来行うべきであった事業を中止・縮小せざるを得ないという側面もあるため、まさに苦渋の決断を伴いながら、バランスを取るべきものと考えます。
この点を踏まえ、十分、慎重に判断をしてまいりたいと思います。
一方で、今般の新型コロナウイルス感染症対策については、迅速で機動的な財源確保が求められました。
このため、地域整備事業会計からの借入金を原資に「新型コロナウイルス感染症対策推進基金」を設置し、県単独事業の財源として躊躇なく活用することといたしました。
御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金及び新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金は、国の第1次補正予算では十分な措置がなされませんでした。
しかし、この基金を活用することにより、国の第2次補正予算の成立を待たずに必要な施策を迅速に実施することができたところです。
今後も、厳しい財政状況ではありますが、真に必要な事業については、全庁の知恵を結集して財源確保に努め、積極的に取り組んでまいります。
次に、財政調整基金の在り方についてでございます。
予算編成においては、社会保障関係経費や災害対策などに係る経費が増えている一方、景気の影響による県税収入の伸び悩みなどにより、歳入歳出にギャップが生じております。
このギャップに一定程度の基金を取り崩して対応しているところであり、こうした財源調整機能を発揮するためには、少なくとも毎年度取り崩している金額と同程度の基金残高を維持していくことが望ましいと考えています。
近年、財政調整のための基金残高が減少傾向にあることは御指摘のとおりであり、これは懸念するべき重要な課題と認識しております。
基金残高の復元に妙薬はありませんが、県税収入をはじめとするあらゆる財源の確保、不断の事業見直しによる歳出削減などにより、できる限り基金残高の確保に取り組んでまいりたいと考えております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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