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掲載日:2022年10月12日
Q 渡辺 大 議員(自民)
埼玉県は、今後75歳以上の後期高齢者人口が全国一のスピードで増加することが見込まれています。令和7年には団塊の世代が75歳になり、6人に1人は後期高齢者です。埼玉県の3人に1人は65歳以上となります。処遇改善により介護職員を確保し、介護サービスの供給量を社会の需要に対応させることは、介護を必要とする方の人生の質いわゆるQOLを高め、被介護者をケアする人の生活の質も高め、介護離職を防ぐなどの効果もあります。また、処遇改善は介護職自体の社会的地位向上、自らの職業に対する自信にもつながり、モチベーションの向上にも効果があると考えられます。
総務省が発表した平成29年就業構造基本調査では、平成28年10月から平成29年9月までの1年間、家族の介護を理由に仕事を辞める、いわゆる介護離職者が9万9,000人に上ります。また、経済産業省が当該時点での介護離職者数約10万人を基準に、平均所得や労働分配率などから大まかな試算を行ったところ、介護離職による経済的な損失は6,500億円に達することが明らかとなっています。埼玉県の人口は日本の人口の5.8%ですから、単純計算で埼玉県単独でも約375億円の経済損失が発生する計算です。それこそ埼玉県では介護離職者をゼロにする、その意味でも介護職員の処遇改善は重要なのだ、そういう意気込みで臨んでいただきたいと思います。
一方で、平成30年5月に厚生労働省が公表した介護人材に係る需給推計では、令和7年度に国全体で介護人材の充足率は86.2%で33万7,000人不足すると見込まれ、急速に高齢化が進行する埼玉県における充足率の見込みも86.2%となっています。
平成29年度介護労働実態調査の結果によれば、採用が困難な主な理由としては、他産業に比べて労働条件等が良くないことが挙げられ、また、働く上での悩みとしては「人手が足りない」「賃金が低い」「有給休暇が取りにくい」が上位三つであり、介護人材を確保していくためには適正な人員配置による負担軽減や賃金、福利厚生等の更なる処遇改善が不可欠であると言えます。
例えばマンパワーが足りず、加算申請を行えず、国が用意した介護職員処遇改善加算制度も利用できていない事業者も存在しています。また、ケアマネジャーや相談員は介護職員処遇改善加算の対象とならず、苦労して資格を取ってケアマネジャーをしているのに、かえって処遇改善の待遇を受けられず、待遇面での逆転現象が発生しています。職員の75%が女性という特質もあり、女性の働く環境を整えるという点も処遇改善にとって非常に重要な視点と言えます。
そこで、これらの課題を踏まえた上で、県の人材確保支援策として独自の処遇改善策を講ずるべきと考えますが、福祉部長の御所見をお伺いします。
A 知久清志 福祉部長
介護職員の賃金は国が定めた介護報酬を原資として支払われるため、県では、他業種との賃金格差を解消するために介護職員の給与を大幅に引き上げるよう、国に対して要望してまいりました。
こうした結果、平成24年度から、国では処遇改善加算制度を創設するとともに、平成27年度と平成29年度に順次増額が図られたところです。
県としては、事業者が最大限加算を取得できるよう支援しており、平成24年度と比較し、平成29年度の県内の介護職員の1人当たりの月額賃金は約4万円の増となりました。
本年10月から、経験・技能のある介護職員の処遇改善を主な目的とした新たな加算制度が導入されます。
この加算についても、事業所説明会において制度について周知を行うなど、より多くの事業者が取得できるよう支援してまいります。
県では、職員の負担を軽減するため、介護ロボットの導入を進めており、購入にあたっての補助制度を創設するなど支援しています。
また、介護人材の採用・育成に関して積極的に取り組んでいる介護事業者の認証制度を県独自に実施しており、福利厚生や休暇制度などの項目を設けて審査し、認証を通じて働きやすい職場づくりを進めております。
県としては、今後も引き続き、介護人材の確保、定着を図るため、介護職員の処遇改善を積極的に進めてまいります。
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