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掲載日:2022年10月12日

令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(渡辺   大議員)

家庭養育の推進について   ―里親等、特別養子縁組制度等の啓発、利用促進―

Q   渡辺   大  議員(自民

埼玉県には、虐待や保護者の病気など様々な理由によって家庭で暮らすことができない子供たちが県全体で約1,800人いますが、家庭的な環境で暮らしている子供は20%にとどまっています。多くの子供たちが乳児院や児童養護施設などで集団で暮らしているというのが実態です。国連のガイドラインでは、施設養育よりも里親委託等の家庭養育が望ましいとされており、諸外国では里親家庭等で暮らす子供のほうが多くなっています。
そうした流れの中、政府も家庭養育、主に里親委託を推進しようとしています。要保護児童の3分の1を里親委託で養育するという数値目標も立てていますが、実際はなかなか進んでいません。理由としては、里親のなり手が少ないことが挙げられています。なぜ里親のなり手が少ないかというと、そもそも里親制度の認知度がまだ低かったり、共働きだと里子を預かることが難しかったりといったことが理由に挙げられます。家庭と同様の愛に満ちた環境で育つことは子の成長に有益で、その後の貧困を回避できる可能性が増し、自立した社会人を育成するという財政的な意味でも大きな意味があります。
日本財団の調査によると、潜在的な里親候補者は100万世帯いるのに、実際に里親家庭で生活する子供は約6,500人に過ぎず、里親制度や特別養子縁組制度が普及しないのは圧倒的な情報不足が一つの原因で、里親には経済的な支援があり、短期委託も可能であるなど、制度への理解が進めば多くの子供が家庭を得られる可能性があります。
そこで、子供たちの最善の利益を守るため、里親等委託、特別養子縁組をはじめ家庭養育を推進していくべきだと考えますが、今後、県としてどのように進めていくのか、福祉部長に御所見をお伺いします。

A   知久清志   福祉部長

子供にとって家庭的な環境で養育され、特定の大人との信頼関係を形成することは、健やかな心身の発達に極めて重要なことです。
里親委託は、様々な事情により、家庭で生活できない子供たちを自立または家庭に戻るまで、里親の家庭で育てていただく制度です。
県では、里親登録を増やすため、年13回の里親入門講座の開催や制度を紹介したDVDの貸出などにより、普及啓発を行っております。
また、NPO団体と連携し、里親のリクルートから委託後のサポートまで一連の業務を包括的に行う事業を実施しています。
今後も、多くの県民の方に里親制度への理解を深めていただき、登録者の増加に取り組み、里親委託の推進を図ってまいります。
一方、特別養子縁組制度は、民法に基づいて、養父母と子供が法的な親子関係を結ぶものであり、生みの親子関係は終了します。
そのため、選択は慎重に行うべきものですが、養育期間が原則18歳までである里親委託に比べ、より永続的な家庭環境が提供できる制度となっております。
県では、ドラッグストアなどにポスターを掲示したり、地域のイベントにおいてリーフレットを配布するなど、普及啓発に努めております。
また、特別養子縁組を希望する里親に対して、制度の仕組みや意義を正しく理解していただくよう研修を実施しています。
さらに、特別養子縁組を推進するため、県が委託した産科医療機関の看護師やソーシャルワーカーなどが妊産婦に寄り添い、様々な相談に応じています。
今後も、一人でも多くの子供たちが愛情ある家庭的環境で育つことができるよう、里親委託や特別養子縁組などの推進に、着実に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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