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掲載日:2024年10月8日
Q 権守幸男 議員(公明)
最大震度6弱を観測した大阪北部地震は、今年の6月18日、朝7時58分頃に発生しました。関西圏の主要鉄道は一時全線で完全に麻痺。朝の通勤通学のラッシュ時だったことに加え、夕方の帰宅のラッシュ時になっても一部で運休が続き、多くの帰宅困難者が街じゅうにあふれました。多くの帰宅困難者が淀川に架かる新淀川大橋に殺到し、行き交う模様をテレビは映し出しました。
実は、大阪府は帰宅困難者対策の普及啓発策として、災害時のマニュアル策定を企業側に要請していましたが、地震の発生を平日昼間と想定しており、実際には地震が起きた時間帯がラッシュ時となったため、帰宅困難者対策が不十分であったことが浮き彫りになりました。大阪府はこれを教訓とし、災害の規模や時間帯に応じた行動計画を改めて策定します。併せて、企業側にこれまでなかった通勤通学時間帯、帰宅時間帯、就業後の時間別3パターンを災害時のマニュアル策定に盛り込むことを要請するようです。
さて、本県の地域防災計画では、東京湾北部地震が平日の昼間12時に発生した場合、最大で67万人の帰宅困難者と想定しています。帰宅困難者対策の基本原則は、むやみに移動を開始しない。これは一斉帰宅の抑制です。この基本原則の周知徹底をしなければなりません。県は、9都県市で連携して安否確認用リーフレットの配布やホームページによる啓発活動を行っていますが、どのように取り組むのか、県民へ改めて周知徹底すべきと考えます。危機管理防災部長の見解をお聞きいたします。
また、帰宅困難者対策の普及啓発として、従業員の一斉帰宅の抑制や施設内待機のための備蓄、災害時のマニュアル作成などを商工会議所連合会や商工会連合会、中小企業団体中央会を通じ、企業側に要請しています。しかしながら、県は2年5か月前の平成28年5月31日に3団体宛てに要請して以降、その後は行っていないとお聞きしています。急がなければなりません。早急に要請するべきと考えます。
また、災害時のマニュアル作成に当たっては、地震発生の時間帯を通勤通学の時間帯、帰宅時間帯、終業後と、幾つかのパターンを想定し、マニュアルに盛り込むことを企業側に要請するべきと考えますが、いかがでしょうか。併せて危機管理防災部長の見解をお聞きいたします。
A 槍田義之 危機管理防災部長
まず、一斉帰宅抑制の基本原則を県民へ改めて周知徹底すべきについてでございます。
帰宅困難者対策は都県域を越えて行う必要があることから、県では、九都県市で連携し、一斉帰宅抑制をお願いするポスターを主要駅に掲示するなど、県民への周知を図ってきました。
また、国と九都県市などで構成する帰宅困難者等対策協議会が首都圏の住民に対し、地震発生時の行動についてアンケートを実施したところ、家族の安否がわかれば一定期間会社などに留まるといった趣旨の回答が半数を超えていました。
そこで、県では、一斉帰宅を抑制するためには家族の安否確認も重要と考え、県民の皆様に対し、災害伝言サービスの活用も呼び掛けてまいりました。
今年度はNTTタウンページ株式会社と協定を結び、家族との安否確認方法などの災害への備えを取りまとめた「防災タウンページ」を県内の全世帯、全事業所に配布していただいています。
今後とも、内容や方法を工夫しながら、一斉帰宅抑制の周知徹底に取り組んでまいります。
次に、従業員の一斉帰宅抑制などを県の商工会議所連合会や商工会連合会、中小企業団体中央会を通じ、企業側に早急に要請すべきについてでございます。
県では一昨年度、県商工会議所連合会などの3団体に対し、一斉帰宅抑制の基本方針や備蓄の促進、家族の安否確認手段の確保などについて会員企業に周知していただくよう協力を依頼しました。
また昨年度は、県内主要駅7か所に設置している帰宅困難者対策協議会に対し、企業への一斉帰宅抑制などの周知を働き掛けました。
その結果、例えば熊谷駅や川口駅の協議会では、協議会会員である商工会議所を通じて市内企業に啓発を行っていただいています。
一斉帰宅抑制などを徹底していくためには、継続的な働き掛けが重要です。
3団体に対し、改めて企業への周知をお願いしてまいります。
次に、通勤時間、就業時間、帰宅時間それぞれの時間帯ごとの対応を災害時のマニュアルに盛り込むことを企業側に要請すべきについてでございます。
企業の災害時の対応は確かに時間帯によって異なってくると思われます。
県では、勤務時間前に大規模災害が発生した場合、職員は予め指定された最寄りの地域機関や市町村庁舎などに参集することにしています。
また、危機管理意識の高い企業の中には、地震発生の時間帯を就業中、自宅にいるとき、車に乗車中など7つに分け、それぞれの場面ごとに社員の安全行動原則を定めているところもあります。
ご提案を踏まえ、県や企業の事例を紹介するなどして、時間帯別の対応が盛り込まれた、実効性のある災害時マニュアルの策定が進むよう、3団体を通じて県内企業に働き掛けてまいります。
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