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掲載日:2019年10月17日
Q 松澤 正議員(自民)
本県の流域下水道事業は、市町の公共下水道で集められた下水を処理しております。県民530万人の下水を処理し、その量は1日に186万立方メートル、さいたまスーパーアリーナ約2.5杯分に相当します。下水道はふだん余り目立ちませんが、私たちの生活を支える上でなくてはならないインフラであり、将来的にも安定した経営を行うことが求められております。
さて、今年4月に、財務省の諮問機関である財政制度等審議会において「経済・財政再生計画」の着実な実施が取りまとめられ、5月には建議として政府に提出されております。この中では、下水道の維持管理費と更新の費用は、2013年度の8,900億円から20年後の2033年度には1兆3,000億円に膨らむとされています。この状況を受けて、使用料の引上げを検討するよう提言を行い、新聞等にも取り上げられたところです。
具体的には、施設の老朽・更新等にかかる費用が今後大幅に増加すること、また、人口減少や節水技術の向上による処理量の減少に伴う収入減少の可能性を挙げており、将来の施設等の更新需要等も見込んだ使用料に見直していくことが必要とされています。
下水道使用料は、通常上水道の使用水量がそのまま下水道に流れるとみなして算定し、水道料金と合わせて支払います。私の地元であります吉川市と松伏町の上下水道使用料は、一般的家庭の使用量である月20立方メートルとして計算しますと、1か月、吉川市が4,266円、松伏町が4,590円となり、このうち下水道使用料は両市町ともに1,836円になります。吉川市、松伏町の下水の処理は、県の中川水循環センターで行っていますので、この料金の中には県の流域下水道の維持管理負担金が740円含まれています。
このような状況から、将来的に下水道使用料はどのくらい引き上げられるものだろうかと考えていたところ、県では来年4月から県内8流域のうち4つの流域で維持管理負担金の改定を予定しており、現在流域の市町と改定に向けた協議を行っていると伺いました。流域下水道の下水を処理する水循環センター等の維持管理に必要な費用は、関係する流域の市町の負担金により賄われており、安定した運営を行う上でも適正な負担を市町に求めることは必要だと思います。
しかし、大幅な値上げともなると市町で定める使用料にも大きく影響し、住民負担にも直結することが心配されます。維持管理負担金の改定に当たっては将来をしっかりと見込んだ改定とし、市町への影響はできる限り緩やかにすべきと考えるところです。
そこで、4流域の維持管理負担金の改定について、県はどのような考え方で行うのか、また、関係市町との協議の進捗状況及び今後の予定についてどのようになっているのか、下水道事業管理者に伺います。
A 粟生田邦夫 下水道事業管理者
今回、改定の対象となるのは、「荒川左岸南部」、「中川」、「古利根川」、「荒川上流」の4つの流域下水道で、22の市と町でございます。
まず、「維持管理負担金の改定に当たっての考え方」でございます。
流域下水道は、公共下水道が単独で下水を処理するよりも広域的に集約して行う方が効果的・効率的であることから、県が設置しています。
このため、施設等の維持管理や下水処理に要する費用は、維持管理負担金として、公共下水道の設置者である市と町にご負担をいただいております。
維持管理負担金は、1立方メートル当たりの処理単価に処理水量を乗じて算定しており、その単価は経済情勢の変化や経営状況等に応じて適正な額となるよう概ね5年のスパンで見直しを行っております。
見直しに当たっては、まず、今後の施設・設備の修繕費、下水処理に使用する電気料や薬品費、人件費等の維持管理費と処理水量を見込んで処理単価を試算いたします。
さらに、この処理単価を基礎にして、これまでの累積損益をどの程度まで反映するか、値上げ幅が大きい時の激変緩和措置などを検討してまいります。
松澤議員からは将来を見込み、市や町への影響はできる限り緩やかにすべきとのご指摘を頂きました。累積損益の反映や激変緩和措置の検討に当たり考慮してまいります。
次に「進捗状況と今後の予定」についてでございます。
市と町との協議は、職員が直接出向いて見直しのスケジュール等を説明することから開始し、8月初旬までに、処理単価の試算内容や改定案について、流域別の会議や個別説明などを通じてお示しをいたしました。
その後は、市や町の個別事情、ご意見やご要望などを伺いながら流域別会議や個別説明などを重ね、丁寧に協議を進めております。
いずれの流域でも、老朽化に伴う修繕費の増大や原油価格の動向等による電気料の大幅な変動、人手不足を背景とする労務費の上昇などにより、試算した処理単価が現行の維持管理負担金の単価を上回る状況でございます。
現在では、これらの点について、関係する市や町にはご理解をいただいており、処理単価の引上げがやむを得ない状況であることはご認識いただいていると考えております。
今後、来年4月から円滑に負担金改定ができるよう、引き続き、引上げ幅の最終的な調整などを進め、早期に改定案をとりまとめてまいります。
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