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掲載日:2019年10月15日
Q 高木真理議員(民進・無所属)
本県全体で1万棟とも言われる施設の維持管理・更新は、2025年問題に象徴される高齢化、人口減少を迎える本県にとっては大きな課題です。以前にも私はこの問題を取り上げてきましたが、今年3月に埼玉県庁舎・公の施設マネジメント方針が出され、これまでの一棟ごとの概況をつかむ作業がまとめられ、一定の方向が出てきました。この方針は、知事部局の県営住宅を除く建物を対象としており、施設アセスメントの結果、集約化や廃止の検討が必要なものを除いた施設について、今後20年間程度の長期的な維持管理計画を定めた長期保全計画を平成30年までに策定するとしています。予防保全による長寿命化の観点からも、建物の維持管理・更新に係るコストを見通す上でも、非常に有効なものになるので期待をするところです。
そこで、総務部長に伺います。
まず、今回の県庁舎・公の施設マネジメント方針の対象施設について、正確には一棟ごとの細部の専門的チェックを経て作られる長期保全計画が出そろわないと、当該対象施設の維持管理総コストも正確には出ないと思いますが、今回何もデータのないところから136施設について一定の整理をするところまで来ました。この段階で、存続予定の施設全体の平準化した毎年の維持管理経費がどのくらいか、見通しがあれば教えてください。
また、既に長期保全計画策定済みの施設があれば、今後の維持管理費が見えてきたものもあろうかと思います。それがどのくらいになるのか、併せてお答えください。
また、今回施設アセスメントの評価がなされていますが、廃止を含めた集約化等の検討は136施設中、10施設です。こうした問題では総論賛成、各論反対で、なかなか実際に廃止するのが難しいことを考えると、今後の財政的体力を考えたときにもっと厳しく評価していくべきではと考えますが、いかがでしょうか。
一方、施設の集約化を進めると結果的に不要となる建物が出てくるので、その分の維持管理更新コストが削減できることになります。このため集約化の作業もとにかく速やかに進めるべきと考えますが、スケジュール的な目安についてどのようにお考えか伺います。
さらに、この方針の対象とはなっていない各種施設についても伺います。
教育施設と県営住宅については、別途それぞれの部門でマネジメント計画を作ることになっているかと思います。教育施設については、一棟ごとの長期保全計画はいつ頃までに作る予定でしょうか。平準化した上で毎年維持管理にかかるコストをどのくらいと考えているか、教育長に伺います。
県営住宅についても一棟ごとの長期保全計画がいつ頃までにできるのか、また、平準化した上での毎年かかる維持管理コストの見通しについて、都市整備部長に伺います。
A 飯島 寛 総務部長
存続予定施設の今後の維持管理経費についてお答えを申し上げます。
今回策定いたしました「庁舎・公の施設マネジメント方針」に従い、現在、施設ごとの「長期保全計画」の策定を進めています。
長期保全計画は、各施設における今後20年間程度の長期的な維持管理計画で、約130の施設について、平成30年度までに順次策定する予定です。
全ての施設の計画が出揃う平成30年度には、修繕時期を調整し財政負担の平準化を図り、年度ごとの維持管理経費を算出したいと考えております。
平成25年度に行った推計では、何も対策を講じなければ、維持管理更新に今後30年間で約3,773億円、単年度で平均で約126億円の費用が必要という結果になっています。
しかしながら、存続予定施設全体の平準化した毎年の維持管理経費については、長期保全計画を現在策定途中であり、申し上げることは現段階では困難でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
次に、長期保全計画策定済みの施設の経費についてでございます。
現在までに本庁舎、地方庁舎など14施設について策定済みです。
これら14施設の維持管理経費は、今後20年間で総額約194億9,000万円、単年度で平均で約9億8,000万円となる見通しでございます。
次に、今後の財政的体力を考えた時に、もっと厳しく評価していくべきについてでございます。
今回実施いたしました施設アセスメントでは、知事部局が所管する庁舎と公の施設136施設を対象に、建物性能と利用状況について評価を実施いたしました。
この評価に基づき提示した「今後の方向性」により、現在、正に施設の廃止や集約化等に鋭意取り組んでいる最中でございます。
まずはこの「今後の方向性」を踏まえしっかりと検討し、関係者等の理解を得ながら集約化等について結果を出してまいりたいと考えております。
次に、集約化の作業も、とにかく速やかに進めるべきと考えるが、スケジュール的な目安についてどのように考えているのかについてでございます。
県有施設の集約化等につきましては、周辺住民や地元市町村への説明、意向確認など丁寧に行った上で進めていく必要がございます。
一方で、集約化等の検討につきましては、時間を要するほど、結果的に無駄な維持管理経費がかかる可能性がございます。
今回の施設アセスメントにつきましては策定後5年を目途に見直しを図るよう努めることとしておりますので、5年間の中でできる限り早期に集約化等が図られるよう努めてまいります。
さらに、こうした検討が停滞することのないよう全部局で構成いたします「県有資産マネジメント検討委員会」においてしっかりと進捗管理を行ってまいります。
A 関根郁夫 教育長
まず、「教育施設の一棟ごとの長期保全計画はいつ頃までに作る予定かについて」でございます。
現在、県立学校の施設は約4,000棟、博物館や図書館など学校以外の教育施設が約260棟ございます。また、その約6割が建築後30年を超えており、施設の老朽化が進んでおります。
そのため、長期保全計画を策定し、施設をより効率的かつ効果的に維持管理していくことは大変重要な課題と認識しております。
教育局では、昨年度から長期保全計画の策定に着手し、まずは一棟ごとの基礎データの収集や整理などを行いました。
今年度は、専門家による設備機器の劣化状況調査を行うとともに、予防保全の観点を踏まえた修繕サイクルの検討などを進めております。
教育局には、「埼玉県県有施設長寿命化指針」で、長寿命化の対象とされている延べ床面積1,000㎡以上の建物が、約700棟ございます。
また、教育活動上必要とされる食堂や格技場を含む200㎡以上の建物まで対象を広げますと、約1,500棟に及びます。
そのため、全体の長期保全計画については平成30年度までの策定を目指して計画的に進めてまいります。
次に「平準化した上で毎年、維持管理にかかるコストをどのくらいと考えているかについて」でございます。
維持管理にかかるコストを算出するためには、一棟ごとに算出された維持管理経費を教育施設全体で集計し、全体像を把握する必要がございます。
その上で、関係部局と調整を図りながら毎年の維持管理コストの平準化作業を行うこととなります。
そのため、現時点ではコストの見通しを申し上げることは困難でございますが、平準化した維持管理コストが算出できますよう、教育施設全体の長期保全計画の策定に鋭意、取り組んでまいります。
A 福島浩之 都市整備部長
まず、県営住宅の一棟ごとの長期保全計画がいつ頃までにできるのかについてでございます。
現在、県営住宅は、314団地、907棟、27,033戸ございます。
このうち、全体の約40%が建築後35年を経過し、老朽化が進んでおります。
また、人口や世帯数が減少するなど、今後の社会経済情勢の変化に応じた、適切な住宅経営が課題となっております。
このため、平成26年度に「県営住宅のあり方」を検討し、住宅の整備や維持管理など将来に向けた住宅経営に関する指針をまとめました。
この指針に基づき、長期保全計画を平成29年度末までに作成することとして検討を進めております。
次に、平準化した上での毎年かかる維持管理コストの見通しについてでございます。
建築後35年以上の住宅が、現在の約40%から、今後10年間で約60%に増加することから、維持管理コストも増加が見込まれます。
このため、長期保全計画を策定する中で、予防保全によるライフサイクルコストを縮減し、毎年の維持管理コストを平準化できるように努めてまいります。
注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。
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