環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究評価の取組 > 令和元年度第1回研究評価 > R01第1回審査会コメント3/研究課題(土壌 R01-R03 黄鉄鉱の酸化分解)

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掲載日:2023年1月12日

環境科学国際センター研究課題(土壌・地下水・地盤担当/R1~R3)

黄鉄鉱の酸化分解に影響を及ぼす化学的因子の検討

(土壌・地下水・地盤担当:石山、濱元、柿本;水環境担当:渡邊;研究推進室:八戸/R1~R3)

 近年、埼玉県内をはじめ日本各地で土壌汚染が大きな環境問題となっています。なかでも、海成堆積物をはじめとした自然由来の汚染土壌は地域一帯に存在するため、その汚染対策には多大な時間と費用を必要とします。したがって、民間企業など土地所有者の経済的負担を軽減する上でも、自然由来の汚染土壌を対象とした処理対策技術の低コスト化は喫緊の研究課題です。
 本研究では埼玉県内の複数地域で掘削した海成堆積物を用いて風化実験を行い、黄鉄鉱の酸化が始まるまでの時間を調べると共に、黄鉄鉱の酸化に影響を及ぼす化学的因子について検討します。黄鉄鉱の酸化が始まる時間は、堆積環境や土壌物性など様々な因子によって影響を受けるため、海成堆積物の存在地域によって大きく異なる可能性が考えられます。本研究は海成堆積物を対象とした処理対策費の軽減に寄与し、県内企業をはじめ国内企業の経済的損失を抑制することが可能となります。

《研究の概要》(PDF:192KB)

 

令和元年度第1回研究審査会コメント

研究課題

黄鉄鉱の酸化分解に影響を及ぼす化学的因子の検討

研究審査会コメント

  • 本課題の成果は、土木工事に直接役立つ内容です。しかし、通常、土木業者にはこうした知識は皆無であり、コンサルタント等の専門業者に調査を依頼するといたこともなかなか行われ難いです。こうしたことから、成果を発信する際には、一般の人にもわかりやすい簡単なものにしていく必要があります。また、簡単に判断可能な指標があるとよいです。 
  • 日本の平野の広範を占める第四系の海成堆積物は、今後も人為的改変(工事に伴う掘削)のポテンシャルが高いです。その影響を可能な限り抑えるためにも、掘削に伴う地盤特性の変化を把握することは重要です。
  • 本研究で風化実験を含めた研究手法の妥当性が確認できた場合、将来的にはサンプルを増やしてより多様な堆積物組成について類似の分析を行うことで、精緻なメカニズム理解につながるものと期待できます。
  • 黄鉄鉱の酸化に係る要因の特定という、わかりやすい目標をあげているものの、研究結果を実用化のレベルまで持っていくためには、しっかりとしたデザインに基づいた、かなりのボリュームの実験が必要と考えます。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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