ページ番号:63368
掲載日:2023年1月12日
環境科学国際センター研究課題(化学物質担当/H24~H26)
環状シロキサンの分析法開発と環境汚染実態解明
(化学物質担当:堀井、茂木、大塚、蓑毛、野尻/H24~H26)
環状シロキサンは、熱・電気・化学的安定性が高く、産業分野で広く使用されますが、その一部は環境残留性や生物蓄積性を有するとの指摘があり、新規の環境汚染物質として注目されています。本研究では、環状シロキサンについて分析法開発、下水処理施設などの発生源調査、県内河川における環境汚染実態把握などの包括的な調査・研究を行うことで国内初の環境データを整備し、その環境リスク評価に貢献します。
平成27年度第2回研究審査会コメント
研究課題
環状シロキサンの分析法開発とか環境汚染実態解明
研究審査会コメント
- 疑わしい物質にいち早く気付き、分析手法を検討のうえ提示し、データを取得していったパイオニア的な研究といえる。今後は、調査地域を増やしてデータを蓄積し、流域ごとの特徴を示して人間活動による影響も含めて検討してほしい。
- 高感度分析につながった分析法の適用、実態調査、マスバランス、リスク評価まで行っており、非常に説得力のある成果が得られている。大気への揮散も想定されているので、大気試料中の濃度についても検討することにより県域全体のマスバランスが把握できるのではないかと考えられる。
- 非常に興味深い研究課題であり、多くの成果が得られている。微量物質による汚染状況の解明とその対策技術の開発等は今後も必要であり、関連研究の展開を期待したい。また、得られた成果は国内外に積極的に情報発信してほしい。
- 環境科学の新たな知見の収集・開発に貢献が認められる。研究テーマの特質上、県域に限定される問題事象ではなく、また直接的に県民生活に関与する研究課題ではないが、国全体としての化学物質対策への貢献が期待される。
- 論文化を進めて、成果を発信するとともに更に研究を発展させることが望まれる
- 今後、この成果をもとに環境行政を進めるうえでもデータや知見の論文化は是非進めてほしい。また、測定方法を普及させるという意味でも、国際標準化は大きな推進力となる。