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掲載日:2022年11月1日
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久米さんは家業の養蚕について学びたいと思い、農業高校に進学しました。最初は漠然と家業を継ぐことを考えていただけでしたが、学んでいくうちに「基幹産業として盛り上げていきたい。」と強く考えるようになり、大学卒業後すぐに就農を決めました。就農してから11年になります。(令和4年度現在)
飼育中は、温度や湿度など環境に気を配る必要があります。蚕が病気にかかると収繭量が半減してしまうこともあるため、快適に過ごせる環境を保つことが重要です。また、蚕が繭を作り始める頃に上蔟(じょうぞく)といって蚕を蔟(まぶし)に移す作業をしますが、移すタイミングが早すぎると蔟の上で動き続け繭を作らず、遅すぎると蚕を育てている蚕座(さんざ)上で桑を巻き込みながら繭を作り始めてしまうため、繭の品質に影響が出ます。久米さんは日頃の観察を大事にし、最適なタイミングで蔟に移したりしているそうです。
久米さんはJAへの出荷のほか、織物業者への販売も行っています。「この時期に〇〇kg欲しい…。」という要望に応えるのは、収繭量が変動しやすい養蚕業においては難しいことです。しかし久米さんは、こだわりを持って直接購入してくれる業者の気持ちに応えることを大切にし、オーダーを受けています。
「今は1件1件のオーダーに合わせて養蚕を行っている農家はほとんどいないんじゃないかと思います。ただ、1つ1つの細かなオーダーにアイデアや将来性も秘められているので、個々のオーダーに合わせた養蚕を行っていきたいです。蚕の品種は多々あり、白繭だけでなく黄繭もあり色糸も作れます。品種の違いによる絹糸の色合いを、素材の色味として生かして商品化できたら面白いですよね。養蚕業の良さを引き出して業界を盛り上げていきたいです。蚕糸の良さを情報発信し、これをきっかけに、養蚕いいな、やってみたいな、と興味を持ったり携わったりする人が増えたら嬉しいです。」と、久米さんは今後の希望を語ってくださいました。
養蚕業の維持だけでなく、個々の要望にも丁寧な対応で応える久米さん。今後、久米さんの繭から作った「世界に一つだけの絹製品」にお目にかかる日が待ち遠しいですね!
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