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掲載日:2022年3月1日

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埼玉県希少野生動植物の種の保護に関する条例

目次

第一章 総則(第一条―第九条)

第二章 個体の取扱いに関する規制

第一節 個体の所有者の責務等(第十条・第十一条)

第二節 県内希少野生動植物種の個体の捕獲等の届出(第十二条)

第三節 特定県内希少野生動植物種の個体の捕獲等の禁止(第十三条―第十六条)

第三章 生息地等の保護に関する規制

第一節 土地の所有者の責務等(第十七条・第十八条)

第二節 希少野生動植物保護区(第十九条―第二十五条)

第四章 保護管理事業(第二十六条―第二十九条)

第五章 雑則(第三十条―第三十九条)

第六章 罰則(第四十条―第四十四条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、県内に生息し又は生育する野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部として県民の豊かな生活に欠かすことのできないものであることにかんがみ、県及び県民等が一体となって、希少野生動植物の種の保護を図り、これを県民共通の財産として次代に継承することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「希少野生動植物」とは、次の各号のいずれかに該当する野生動植物をいう。

一 種(亜種又は変種がある種にあっては、その亜種又は変種とする。以下同じ。)の存続に支障を来す程度にその種の個体の数が著しく少ない野生動植物

二 その種の個体の数が著しく減少しつつある野生動植物

三 その種の個体の主要な生息地又は生育地が消滅しつつある野生動植物

四 その種の個体の生息又は生育の環境が著しく悪化しつつある野生動植物

五 前各号に掲げるもののほか、その種の存続に支障を来す事情がある野生動植物

2 この条例において「県内希少野生動植物種」とは、その個体が県内に生息し又は生育する希少野生動植物の種であって、規則で定めるものをいう。

3 この条例において「県民等」とは、県民、事業者、旅行者及び滞在者をいう。

4 知事は、第二項の規則の制定又は改廃に当たっては、あらかじめ、埼玉県環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

一部改正〔平成一五年条例一一号〕

(県の責務)

第三条 県は、野生動植物の種が置かれている状況を常に把握するとともに、希少野生動植物の種の保護に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するものとする。

2 県は、教育活動、広報活動等を通じて、希少野生動植物の種の保護の必要性について、県民等の理解を深めるよう適切な措置を講ずるとともに、市町村が行う希少野生動植物の種の保護に関する施策を支援するものとする。

(県民等の責務)

第四条 県民等は、前条第一項の県が行う施策に協力する等希少野生動植物の種の保護に寄与するように努めなければならない。

(財産権の尊重等)

第五条 希少野生動植物の種の保護に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重し、県民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮し、並びに県土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。

(地域開発施策等における配慮)

第六条 県は、地域の開発及び整備その他の希少野生動植物の生息又は生育の環境に影響を及ぼすと認められる施策の策定及び実施に当たっては、希少野生動植物の生息及び生育の環境の適正な保全及び創造について配慮しなければならない。

(希少野生動植物の生息生育空間の確保)

第七条 県、県民及び事業者は、希少野生動植物の生息及び生育が可能な環境の保全及び創造に努めるものとする。

(希少野生動植物種保護基本方針)

第八条 知事は、審議会の意見を聴いて希少野生動植物の種の保護のための基本方針(以下この条において「希少野生動植物種保護基本方針」という。)を定めるものとする。

2 少野生動植物種保護基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

一 希少野生動植物の種の保護に関する基本構想

二 県内希少野生動植物種の選定に関する基本的な事項

三 県内希少野生動植物種の個体(卵及び種子を含む。以下同じ。)の取扱いに関する基本的な事項

四 県内希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護に関する基本的な事項

五 保護管理事業(県内希少野生動植物種の個体の繁殖の促進、その生息地又は生育地の整備その他の県内希少野生動植物種の保護を図るための事業をいう。第四章において同じ。)に関する基本的な事項

六 前各号に掲げるもののほか、希少野生動植物の種の保護に関する重要事項

3 知事は、希少野生動植物種保護基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

4 第一項及び前項の規定は、希少野生動植物種保護基本方針の変更について準用する。

5 この条例の規定に基づく処分その他希少野生動植物の種の保護のための施策及び事業の内容は、希少野生動植物種保護基本方針と調和するものでなければならない。

(特定県内希少野生動植物種の指定)

第九条 知事は、生息地又は生育地が限定されている県内希少野生動植物種の保護を緊急に図る必要があると認めるときは、その種を特定県内希少野生動植物種として指定することができる。

2 知事は、前項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くとともに、規則で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

3 前項の規定による公告があったときは、利害関係人は、当該公告の日から起算して十四日を経過する日までの間に、知事に指定についての意見書を提出することができる。

4 知事は、指定について異議がある旨の前項の意見書の提出があったときその他指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。

5 知事は、指定をするときは、その旨を告示しなければならない。

6 指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。

7 知事は、特定県内希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなったと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除しなければならない。

8 第二項から第六項までの規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。

第二章 個体の取扱いに関する規制

第一節 個体の所有者の責務等

(個体の所有者等の責務)

第十条 県内希少野生動植物種の個体の所有者又は占有者は、県内希少野生動植物種を保護することの重要性を自覚し、その個体を適切に取り扱うように努めなければならない。

(指導又は助言)

第十一条 知事は、県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、県内希少野生動植物種の個体の所有者又は占有者に対し、その個体の取扱いに関し必要な指導又は助言をすることができる。

第二節 県内希少野生動植物種の個体の捕獲等の届出

(捕獲等の届出)

第十二条 特定県内希少野生動植物種以外の県内希少野生動植物種の生きている個体(飼育し、若しくは栽培している生きている個体又は繁殖させた生きている個体を除く。以下同じ。)の捕獲、採取、殺傷又は損傷(以下「捕獲等」という。)をしようとする者は、あらかじめ、知事に規則で定める事項を届け出なければならない。

2 知事は、前項の規定による届出(以下この条において「届出」という。)があった場合において、届出に係る捕獲等が県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、届出をした者に対して、規則で定めるところにより、届出に係る捕獲等をすることを禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

3 前項の規定による命令は、届出があった日から起算して三十日(三十日を経過する日までの間に同項の規定による命令をすることができない合理的な理由があるときは、届出があった日から起算して六十日を超えない範囲内で知事が定める期間)を経過した後又は第五項ただし書の規定による通知をした後は、することができない。

4 知事は、前項の規定により期間を定めたときは、これに係る届出をした者に対し、遅滞なく、その旨及びその理由を通知しなければならない。

5 届出をした者は、届出をした日から起算して三十日(第三項の規定により知事が期間を定めたときは、その期間)を経過した後でなければ、届出に係る捕獲等に着手してはならない。ただし、知事が県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めてその者に通知したときは、この限りでない。

6 次に掲げる場合の捕獲等については、第一項の規定は、適用しない。

一 人の生命又は身体の保護その他の規則で定めるやむを得ない事由がある場合

二 生計の維持のため特に必要があり、かつ、県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれのない場合として規則で定める場合

第三節 特定県内希少野生動植物種の個体の捕獲等の禁止

(捕獲等の禁止)

第十三条 特定県内希少野生動植物種の生きている個体は、捕獲等をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 次条第一項の許可を受けてその許可に係る捕獲等をする場合

二 人の生命又は身体の保護その他の規則で定めるやむを得ない事由がある場合

三 生計の維持のため特に必要があり、かつ、特定県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれのない場合として規則で定める場合

(捕獲等の許可)

第十四条 学術研究又は繁殖の目的その他規則で定める目的で特定県内希少野生動植物種の生きている個体の捕獲等をしようとする者は、知事の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に許可の申請をしなければならない。

3 知事は、前項の申請に係る捕獲等について次の各号のいずれかに該当する場合は、第一項の許可をしてはならない。

一 捕獲等の目的が第一項に規定する目的に適合しない場合

二 捕獲等によって特定県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれがある場合として規則で定める場合

三 捕獲等をする者が適当な飼養栽培施設を有しないことその他の事由により捕獲等に係る個体を適切に取り扱うことができないと認められる場合

4 知事は、特定県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の許可に条件を付することができる。

5 知事は、第一項の許可をしたときは、規則で定めるところにより、許可証を交付しなければならない。

6 第一項の許可を受けた者のうち法人であるものその他その許可に係る捕獲等に他人を従事させることについてやむを得ない事由があるものとして規則で定めるものは、規則で定めるところにより、知事に申請をして、その者の監督の下にその許可に係る捕獲等に従事する者であることを証明する従事者証の交付を受けることができる。

7 第一項の許可を受けた者は、その者若しくはその者の監督の下にその許可に係る捕獲等に従事する者が第五項の許可証若しくは前項の従事者証を紛失し、又はその許可証若しくは従事者証が滅失したときは、規則で定めるところにより、知事に申請をして、その許可証又は従事者証の再交付を受けることができる。

8 第一項の許可を受けた者又はその者の監督の下にその許可に係る捕獲等に従事する者は、捕獲等をするときは、第五項の許可証又は第六項の従事者証を携帯しなければならない。

9 第一項の許可を受けて捕獲等をした者は、その捕獲等に係る個体を、適当な飼養栽培施設に収容することその他の規則で定める方法により適切に取り扱わなければならない。

(捕獲等許可者に対する措置命令等)

第十五条 知事は、前条第一項の許可を受けた者が同条第九項の規定に違反し、又は同条第四項の規定により付された条件に違反した場合において、特定県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、飼養栽培施設の改善その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 知事は、前条第一項の許可を受けた者がこの条例若しくはこの条例に基づく規則の規定又はこの条例に基づく処分に違反した場合において特定県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすと認めるときは、その許可を取り消すことができる。

(報告徴収及び立入検査)

第十六条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、第十四条第一項の許可を受けている者に対し、特定県内希少野生動植物種の個体の取扱いの状況その他必要な事項について報告を求め、又はその職員に、特定県内希少野生動植物種の個体の捕獲等に係る場所若しくは施設に立ち入り、特定県内希少野生動植物種の個体、飼養栽培施設、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第三章 生息地等の保護に関する規制

第一節 土地の所有者の責務等

(土地の所有者等の責務)

第十七条 土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、県内希少野生動植物種の保護に留意しなければならない。

(指導又は助言)

第十八条 知事は、県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、土地の所有者又は占有者に対し、その土地の利用の方法その他の事項に関し必要な指導又は助言をすることができる。

第二節 希少野生動植物保護区

(希少野生動植物保護区)

第十九条 知事は、県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、その個体の生息地又は生育地及びこれらと一体的にその保護を図る必要がある区域であって、その個体の分布状況及び生態その他その個体の生息又は生育の状況を勘案してその県内希少野生動植物種の保護のため重要と認めるものを、希少野生動植物保護区として指定することができる。

2 前項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)は、指定の区域、指定に係る県内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針を定めてするものとする。

3 知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、審議会及び関係市町村の意見を聴かなければならない。

4 知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、公告した日から起算して十四日を経過する日までの間、指定の区域、指定に係る県内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針の案(次項及び第六項において「指定案」という。)を公衆の縦覧に供しなければならない。

5 前項の規定による公告があったときは、指定をしようとする区域の住民及び利害関係人は、同項に規定する期間が経過する日までの間に、知事に指定案についての意見書を提出することができる。

6 知事は、指定案について異議がある旨の前項の意見書の提出があったときその他指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。

7 知事は、指定をするときは、その旨並びに指定の区域、指定に係る県内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針を告示しなければならない。

8 指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。

9 知事は、希少野生動植物保護区に係る県内希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなったと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除しなければならない。

10 第三項、第七項及び第八項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。この場合において、第七項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る県内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針」とあるのは「その旨及び解除に係る指定の区域」と、第八項中「前項の規定による告示」とあるのは「第十項において準用する前項の規定による告示」と読み替えるものとする。

11 希少野生動植物保護区の区域内(次条第四項第八号に掲げる行為については、同号に規定する湖沼又は湿原の周辺一キロメートルの区域内)において同項各号に掲げる行為をする者は、第二項の指針に留意しつつ、県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼさない方法でその行為をしなければならない。

(管理地区)

第二十条 知事は、希少野生動植物保護区の区域内で県内希少野生動植物種の保護のため特に必要があると認める区域を管理地区として指定することができる。

2 知事は、管理地区に係る県内希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により前項の規定による指定の必要がなくなったと認めるとき又はその指定を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を解除しなければならない。

3 前条第二項から第八項までの規定は第一項の規定による指定について、同条第三項、第七項及び第八項の規定は前項の規定による指定の解除について準用する。この場合において、同条第七項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る県内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針」とあるのは前項の規定による指定の解除については「その旨及び解除に係る指定の区域」と、同条第八項中「前項の規定による告示」とあるのは「次条第三項において準用する前項の規定による告示」と読み替えるものとする。

4 管理地区の区域内(第八号に掲げる行為については、同号に規定する湖沼又は湿原の周辺一キロメートルの区域内。第二十二条第一項及び第二十三条第一項において同じ。)においては、次に掲げる行為(第十号から第十四号までに掲げる行為については、知事が指定する区域内及びその区域ごとに指定する期間内においてするものに限る。)は、知事の許可を受けなければ、してはならない。

一 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。

二 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地(水底を含む。)の形質を変更すること。

三 鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。

四 水面を埋め立て、又は干拓すること。

五 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

六 木竹を伐採すること。

七 県内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に必要なものとして知事が指定する野生動植物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。

八 管理地区の区域内の湖沼若しくは湿原であって知事が指定するもの又はこれらに流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。

九 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地の区域以外の知事が指定する区域内において、車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。

十 第七号の規定により知事が指定した野生動植物の種の個体その他の物以外の野生動植物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。

十一 県内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある動植物の種として知事が指定するものの個体を放ち、又は植栽し、若しくはその種子をまくこと。

十二 県内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるものとして知事が指定する物質を散布すること。

十三 火入れ又はたき火をすること。

十四 県内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある方法として知事が定める方法によりその個体を観察すること。

5 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に許可の申請をしなければならない。

6 知事は、前項の申請に係る行為が第三項において準用する前条第二項の指針に適合しないものであるときは、第四項の許可をしないことができる。

7 知事は、県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、第四項の許可に条件を付することができる。

8 第四項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなった時において既に同項各号に掲げる行為に着手している者は、その規制されることとなった日から起算して三月を経過する日までの間に知事に規則で定める事項を届け出たときは、同項の規定にかかわらず、引き続きその行為をすることができる。

9 次に掲げる行為については、第四項の規定は、適用しない。

一 非常災害に対する必要な応急措置としての行為

二 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれのない行為で規則で定めるもの

10 前項第一号に掲げる行為であって第四項各号に掲げる行為に該当するものをした者は、その日から起算して十四日を経過する日までの間に知事にその旨を届け出なければならない。

(監視地区)

第二十一条 希少野生動植物保護区の区域で管理地区の区域に属さない部分(次条第一項及び第二十三条第一項において「監視地区」という。)の区域内において前条第四項第一号から第五号までに掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、知事に規則で定める事項を届け出なければならない。

2 知事は、前項の規定による届出(以下この条において「届出」という。)があった場合において届出に係る行為が第十九条第二項の指針に適合しないものであるときは、届出をした者に対し、規則で定めるところにより、届出に係る行為をすることを禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

3 前項の規定による命令は、届出があった日から起算して三十日(三十日を経過する日までの間に同項の規定による命令をすることができない合理的な理由があるときは、届出があった日から起算して六十日を超えない範囲内で知事が定める期間)を経過した後又は第五項ただし書の規定による通知をした後は、することができない。

4 知事は、前項の規定により期間を定めたときは、これに係る届出をした者に対し、遅滞なく、その旨及びその理由を通知しなければならない。

5 届出をした者は、届出をした日から起算して三十日(第三項の規定により知事が期間を定めたときは、その期間)を経過した後でなければ、届出に係る行為に着手してはならない。ただし、知事が県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めてその者に通知したときは、この限りでない。

6 次に掲げる行為については、第一項の規定は、適用しない。

一 非常災害に対する必要な応急措置としての行為

二 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれのない行為で規則で定めるもの

三 第十九条第一項の規定による指定がされた時において既に着手している行為

(措置命令等)

第二十二条 知事は、県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、管理地区の区域内において第二十条第四項各号に掲げる行為をしている者又は監視地区の区域内において同項第一号から第五号までに掲げる行為をしている者に対し、その行為の実施方法について指示をすることができる。

2 知事は、第二十条第四項の規定に違反した者、同条第七項の規定により付された条件に違反した者、前条第一項の規定による届出をしないで同項に規定する行為をした者又は同条第二項の規定による命令に違反した者がその違反行為によって県内希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護に支障を及ぼした場合において、県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、これらの者に対し、規則で定めるところにより、その行為の中止を命じ、又は相当の期限を定めて、原状回復を命じ、その他県内希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護のため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(報告徴収及び立入検査等)

第二十三条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、管理地区の区域内において第二十条第四項各号に掲げる行為をした者又は監視地区の区域内において同項第一号から第五号までに掲げる行為をした者に対し、その行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

2 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、希少野生動植物保護区の区域内において前項に規定する者が所有し、又は占有する土地に立ち入り、その者がした行為の実施状況について検査させ、若しくは関係者に質問させ、又はその行為が県内希少野生動植物種の保護に及ぼす影響について調査をさせることができる。

3 前項の規定による立入検査又は立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(実地調査)

第二十四条 知事は、第十九条第一項又は第二十条第一項の規定による指定をするための実地調査に必要な限度において、その職員に、他人の土地に立ち入らせることができる。

2 知事は、その職員に前項の規定による立入りをさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者又は占有者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

3 第一項の規定による立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。

(損失の補償)

第二十五条 県は、第二十条第四項の許可を受けることができないため、同条第七項の規定により条件を付されたため又は第二十一条第二項の規定による命令をされたため損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失の補償をする。

2 県は、前条第一項の規定による当該職員の行為によって損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失の補償をする。

第四章 保護管理事業

(保護管理事業計画)

第二十六条 知事は、保護管理事業の適正かつ効果的な実施に資するため、審議会の意見を聴いて保護管理事業計画を定めるものとする。

2 前項の保護管理事業計画は、保護管理事業の対象とすべき県内希少野生動植物種ごとに、保護管理事業の目標、保護管理事業が行われるべき区域及び保護管理事業の内容その他保護管理事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項について定めるものとする。

3 知事は、第一項の保護管理事業計画を定めたときは、その概要を告示し、かつ、その保護管理事業計画を一般の閲覧に供しなければならない。

4 第一項及び前項の規定は、第一項の保護管理事業計画の変更について準用する。

(認定保護管理事業等)

第二十七条 県は、県内希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、保護管理事業を行うものとする。

2 県以外の者は、その行う保護管理事業について、その者がその保護管理事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその保護管理事業の事業計画が前条第一項の保護管理事業計画に適合している旨の知事の認定を受けることができる。

第二十八条 認定保護管理事業等(県の保護管理事業及び前条第二項の認定を受けた保護管理事業をいう。以下この条において同じ。)は、第二十六条第一項の保護管理事業計画に即して行われなければならない。

2 認定保護管理事業等として実施する行為については、第十二条第一項、第十三条、第二十条第四項及び第十項、第二十一条第一項並びに第三十八条第二項及び第三項の規定は、適用しない。

3 希少野生動植物保護区の区域内の土地の所有者又は占有者は、認定保護管理事業等として実施される給餌設備その他の保護管理事業のために必要な施設の設置に協力するように努めなければならない。

4 知事は、前条第二項の認定を受けて保護管理事業を行う者に対し、その保護管理事業の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

第二十九条 第二十七条第二項の認定を受けて保護管理事業を行う者は、その保護管理事業を廃止したとき、又はその保護管理事業を第二十六条第一項の保護管理事業計画に即して行うことができなくなったときは、その旨を知事に通知しなければならない。

2 知事は、前項の規定による通知があったときは、その通知に係る第二十七条第二項の認定を取り消すものとする。

3 知事は、第二十七条第二項の認定を受けた保護管理事業が第二十六条第一項の保護管理事業計画に即して行われていないと認めるとき、又はその保護管理事業を行う者がその保護管理事業を適正かつ確実に実施することができなくなったと認めるとき若しくは前条第四項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたときは、その認定を取り消すことができる。

第五章 雑則

(調査)

第三十条 知事は、野生動植物の種の個体の生息又は生育の状況、その生息地又は生育地の状況その他必要な事項について定期的に調査をし、その結果を、この条例に基づく規則の改廃、この条例に基づく指定又はその解除その他この条例の適正な運用に活用するものとする。

(希少野生動植物保護推進員)

第三十一条 知事は、希少野生動植物の種の保護に熱意と識見を有する者のうちから、希少野生動植物保護推進員を委嘱することができる。

2 希少野生動植物保護推進員は、次に掲げる活動を行う。

一 希少野生動植物の種が置かれている状況及びその保護の重要性について啓発をすること。

二 希少野生動植物の種の個体の生息若しくは生育の状況又はその生息地若しくは生育地の状況について調査をすること。

三 県内希少野生動植物種の個体の所有者若しくは占有者又はその生息地若しくは生育地の土地の所有者若しくは占有者に対し、その求めに応じ県内希少野生動植物種の保護のため必要な助言をすること。

四 希少野生動植物の種の保護のために県又は市町村が行う施策に必要な協力をすること。

3 希少野生動植物保護推進員は、名誉職とし、その任期は三年とする。

4 希少野生動植物保護推進員が県内希少野生動植物種の個体に関する調査で規則で定めるもののためにする捕獲等については、第十二条第一項及び第十三条の規定は、適用しない。

5 知事は、希少野生動植物保護推進員が、その職務の遂行に支障があるとき、その職務を怠ったとき、又はこの条例の規定に違反し、その他希少野生動植物保護推進員たるにふさわしくない非行があったときは、これを解嘱することができる。

(財政上の措置)

第三十二条 県は、希少野生動植物の種の保護のための施策に必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとする。

(土地の買入れ等)

第三十三条 県は、県内希少野生動植物種の保護のために特に必要があると認めるときは、希少野生動植物保護区内の土地を買い入れ、又は借り入れるように努めるものとする。

(推進体制の整備)

第三十四条 県は、希少野生動植物の種の保護に関する施策について総合的に調整し、及び推進するために必要な体制を整備するものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第三十五条 県は、広域的な取組が必要とされる希少野生動植物の種の保護に関する施策の策定及び実施に当たっては、国及び他の地方公共団体と協力して推進するものとする。

(民間団体等との協働)

第三十六条 県は、希少野生動植物の種の保護に関し、協働して取り組むため、県民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体からなる組織を整備するものとする。

(農林漁業等に対する配慮)

第三十七条 県は、希少野生動植物保護区に関する規定の適用に当たっては、当該保護区に係る住民の農林漁業等の生業の安定及び福祉の向上に配慮しなければならない。

(国等に関する特例)

第三十八条 国の機関又は地方公共団体が行う事務又は事業については、第十一条、第十二条第一項、第十三条、第十八条、第二十条第四項及び第十項、第二十一条第一項、第二十二条第一項並びに第二十三条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

2 国の機関又は地方公共団体は、第十三条第二号及び第三号に掲げる場合以外の場合に特定県内希少野生動植物種の生きている個体の捕獲等をしようとするとき、又は第二十条第四項の許可を受けるべき行為に該当する行為をしようとするときは、規則で定める場合を除き、あらかじめ知事に協議しなければならない。

3 国の機関又は地方公共団体は、第十二条第六項各号に掲げる場合以外の場合に特定県内希少野生動植物種以外の県内希少野生動植物種の生きている個体の捕獲等をしようとするとき、第二十条第八項の規定により届出をして引き続き同条第四項各号に掲げる行為をすることができる場合に該当する場合にその行為をするとき、又は同条第十項若しくは第二十一条第一項の規定により届出をすべき行為に該当する行為をし、若しくはしようとするときは、規則で定める場合を除き、これらの規定による届出の例により、知事にその旨を通知しなければならない。

(委任)

第三十九条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第六章 罰則

(罰則)

第四十条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一 第十三条又は第二十条第四項の規定に違反した者

二 第十五条第一項又は第二十二条第二項の規定による命令に違反した者

第四十一条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一 第十二条第一項の規定による届出をしないで特定県内希少野生動植物種以外の県内希少野生動植物種の生きている個体の捕獲等をし、又は虚偽の届出をした者

二 第十二条第二項の規定による命令に違反した者

三 第十二条第五項の規定に違反した者

四 第十四条第四項又は第二十条第七項の規定により付された条件に違反した者

第四十二条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第二十一条第一項の規定による届出をしないで同項に規定する行為をし、又は虚偽の届出をした者

二 第二十一条第二項の規定による命令に違反した者

三 第二十一条第五項の規定に違反した者

第四十三条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

一 第十四条第八項の規定に違反して許可証又は従事者証を携帯しないで捕獲等をした者

二 第十六条第一項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

三 第二十三条第一項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条第二項の規定による立入検査若しくは立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

四 第二十四条第四項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げた者

(両罰規定)

第四十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

附則

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第二章から第六章までの規定は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成十二年十一月規則第百四十五号で、同十二年十二月一日から施行)

附則(平成十五年三月十八日条例第十一号抄)

1 この条例は、平成十五年四月一日から施行する。

 

条例に基づく届出について

届出による捕獲等が、条例で指定する県内希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、届出を制限する場合があります。よって、届出の必要が生じた場合は、事前にみどり自然課まで御相談ください。

県内希少野生動植物種捕獲等届出書(条例12条関係(ワード:35KB)

お問い合わせ

環境部 みどり自然課 野生生物担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第3庁舎2階

ファックス:048-830-4775

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