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掲載日:2024年10月4日
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平成23年の東日本大震災では膨大な災害廃棄物が発生し、災害廃棄物の処理は被災地の復旧・復興にとって大きな課題となりました。東日本大震災の経験から、国では「災害廃棄物対策指針」の策定、廃棄物処理法の改正等が行われました。
本県では、平成25年の竜巻や平成26年の大雪で大量に発生した災害廃棄物を処理しなければならない状況が発生しています。
また、東京湾北部地震が発生する可能性が今後50年以内に70%程度以上と予測されており、本県においても甚大な被害が予想されています。
県ではこのような背景を踏まえ、災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理を確保することを目的として、平成29年3月に「埼玉県災害廃棄物処理指針」を策定しました。
本指針は、国の「災害廃棄物処理指針」や県地域防災計画と整合を図りながら、市町村及び一部事務組合(以下「市町村等」という。)が被災する場合や支援側となった場合に想定される行動・対応等を示すとともに、市町村が災害廃棄物処理計画を策定する際の指針となるよう、基本的な考え方や方向性を取りまとめたものです。
災害発生後、住民が通常の生活環境を取り戻すなど速やかに復旧復興するために、東日本大震災での災害廃棄物の処理期間も踏まえ、速やかな(災害発生から最長でも3年以内)処理完了を目指すこととしました。
また、災害廃棄物処理に当たっては、
を基本方針としました。
埼玉県地域防災計画で想定する4つの大規模災害(地震・風水害)における災害廃棄物の種類及び発生量を推計するとともに、最大規模の災害により発生する災害廃棄物を処理するために必要となる処理能力を推計しました。
表 災害廃棄物の発生量(推計)(万トン)
東京湾北部地震 |
369 |
関東平野北西縁断層帯地震 |
1,311 |
利根川氾濫による洪水 |
239 |
荒川氾濫による洪水 |
392 |
(参考)
※東日本大震災 約2,000万トン
※本県の一年間の廃棄物発生量
一般廃棄物 約 240万トン
産業廃棄物 約1,200万トン
災害時の対応を迅速かつ適切に進めるためには、平常時から備えを進めておくことが重要です。
早期の復旧・復興を図るため、国、他都道府県等と広域的な相互支援体制を構築するとともに、民間事業者が災害廃棄物を受け入れる場合などを想定し、日頃から顔の見える関係を構築することとしました。
また、災害廃棄物を適切に処理・対応するために、必要な知識・技能の習得を目的とした教育・訓練を実施することとしました。その一環として、平成28年度から市町村等職員を対象とした災害廃棄物処理図上訓練を実施しました
大規模災害時に市町村等からの要請があった場合など、災害廃棄物処理を円滑かつ計画的に実施するため、初動期、応急対応期、復旧・復興期の各段階における災害廃棄物処理の時系列的な対応フローを想定しました。
具体的には、
こととし、必要な手順、データ等を示しました。
災害廃棄物処理に当たって、生活環境を保全し、公衆衛生を確保する観点から、適正処理困難物等への対応、各種リサイクル法等に対応した廃棄物の処理や環境対策など、留意事項を整理しました。また、災害廃棄物処理の委託、国庫補助金事務、改正廃棄物処理法の概要、災害廃棄物処理データベースなど、処理に当たっての必要な事務の概要を示しました。
本指針の実効性を確保するため、県地域防災計画や被害想定の見直し、訓練等を通じて内容の変更が必要となった場合など、状況の変化に応じて追加・修正を行っていくこととしました。
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