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掲載日:2024年10月16日

令和6年9月定例会 意見書

意見書・・・・次の8件です。

性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律に基づく基本計画の早急な策定等を求める意見書

昨年6月に施行された「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」は、全ての国民が、その性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されることを基本理念とし、施策は、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを旨として行われなければならないとしている。
また、基本理念に基づく国と地方自治体の役割を定めるとともに、第8条では、国に対して、国民の理解の増進に関する基本計画を策定し、情勢の変化や施策の効果を踏まえ、おおむね3年ごとに検討を加え、必要があると認めるときは、基本計画を変更することを義務付けている。
法の施行から1年が経過したが、基本計画の策定に向けた動きは進捗が遅く、未だ、策定の時期も示されていない。
性的マイノリティに関しては、内閣府の報告において、社会経済的格差、偏見・差別、いじめ・暴力、メンタルヘルス・自傷行為等の当事者の困難経験等が指摘されている。本県の調査においても、「死ねたらと思った、または自死の可能性を考えた」、「生きる価値がないと感じた」といった経験をもつ割合は6割を超えるなど、命に関わる問題を抱えており、性的マイノリティの抱える生きづらさや社会的不利益を解消することは、直ちに対応すべき人権問題である。
本県では、令和4年7月に施行された埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例に基づき、昨年7月に基本計画を策定した。施策の体系や指標の目標値、推進体制等を定め、取組を総合的かつ計画的に推進しているが、この問題は国と地方公共団体が連携して実効性のある対策を共に実施していくことが重要であり、全ての人の人権が尊重される社会の実現のため、国の基本計画は一刻も早く策定される必要がある。
よって、国においては、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律に基づく基本計画を早急に策定し、国民の理解増進に関する施策を強力に推進することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
共生社会担当大臣
経済財政政策担当大臣

様                                                

聴覚補助機器等の積極的な活用への支援を求める意見書

加齢性難聴は、加齢とともに有病率が高くなる老年病であり、高齢化の進展に伴い、更に増加するものと見込まれている。難聴は認知症の危険因子の一つとされており、コミュニケーション障害や社会活動の減少を来たし、社会的に孤立する可能性も懸念されている。
難聴への対策としては、収集した音を増幅して外耳道に送る気導補聴器や、骨導聴力を活用する骨導補聴器が用いられてきたが、近年、耳の軟骨を振動させて音を伝える軟骨電動イヤホンが開発された。この聴覚補助機器は、従来の補聴器では十分な効果が得られない方や、装用そのものが難しい方への新たな選択肢として期待されており、音を出す穴がなく清潔に保ちやすいことや、音が明瞭に聞こえて音漏れが少ないといった特徴も注目されている。
難聴に悩む高齢者に対しては、地方自治体や医療機関等が早期に発見・介入し、適切な機器の活用を含めた支援を行うことが重要であり、急激な高齢化が進む中、聴覚補助機器等の普及を推進し、介護予防や生活の質の向上、社会参画の促進等を図ることは急務である。
よって、国においては、聴覚補助機器等の積極的な活用を推進するため、下記の措置を講ずるよう強く要望する。

1 難聴に悩む高齢者が、医師や専門家の助言の下で、自身に合った機器を積極的に活用できる体制を整備すること。
2 耳が聞こえにくい高齢者や難聴者と円滑にコミュニケーションを取れる社会の構築を目指し、合理的配慮の一環として、行政の公的窓口等における聴覚補助機器等の設置を促進すること。
3 社会福祉協議会や福祉施設等と連携した情報提供や個別相談など、普及啓発活動を強力に推進し、聴覚補助機器等の更なる普及に向けた環境整備を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
共生社会担当大臣
経済財政政策担当大臣

様                                                

重度障害者の住まいの場の整備に係る財政支援の強化を求める意見書

障害者の自立支援の観点から、入所等から地域生活への移行については、適切に意思決定支援を行いつつ地域生活を希望する者が地域での暮らしを継続することができるよう、必要な障害福祉サービス等が提供される体制を整備する必要がある。
今後、障害者の親の高齢化が見込まれ、親亡き後も住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、地域における住まいの場の確保は喫緊の課題となっている。
このような中、特に、重度障害者が安心して生活をすることができるグループホームの整備を進めることは、入所施設や在宅に暮らす重度障害者の住まいの場の選択肢の一つとして、また、入所等から地域生活への移行や支援が必要な重度障害者の在宅からの入居を進めるうえで重要である。
一方、強度行動障害や重複障害といった支援の困難さ等個々の状態、親の高齢化により在宅支援が困難になる中での家族の意向、地域資源の状況等を踏まえて、真に必要な入所施設を整備していくことも重要である。
併せて、既存のグループホームや入所施設は、老朽化によって入所者の安全・安心で衛生的な生活環境が維持できなくなっているところも数多くあり、大規模修繕への対応も急務である。
本県では、国庫補助金を活用して、重度障害者向けの施設の整備を優先的に進めてきたが、国で確保している予算額の制約のため、毎年1件程度にとどまっており、必要数を整備できない状況が続いている。
よって、国においては、重度障害者の住まいの場となるグループホームや真に必要な障害者入所施設の整備に係る地方自治体への財政支援を強化することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

様                                                  

保育の公定価格における不公正な地域格差の早急な解消を求める意見書

待機児童を解消し、質の高い保育を提供していくため、保育士の確保は喫緊の課題となっているが、本県の保育士の有効求人倍率は今年1月時点で4.03倍と高い水準にあり、人材不足の状況は深刻化している。
保育士の確保と定着を進めるには処遇の改善が不可欠であり、給与の原資となる公定価格は、地域の実情が十分に反映されるべきものである。
公定価格の人件費には、国家公務員の地域手当に準拠した市区町村ごとの地域区分が設けられており、東京都特別区と隣接する県内市との間では、生活圏の一体性や経済活動の強い結びつきがあるにも関わらず、最大14%の差が生じるなど地域の実情が十分に反映されていない。そのため、本県では、平均所得や公示価格など他の客観的な指標も考慮することを重ねて要望してきた。
令和6年の人事院勧告では、地域をまたぐ異動の円滑化等に資するため、地域手当は都道府県単位を基本とすることとされた。この見直しが公定価格に適用されれば、県内の市町村の約3分の2は引き下げられ、東京都特別区と隣接市の格差は最大16%に拡大するとともに、東京都の市町との隣接市においても、格差の拡大や支給割合の逆転が生じる。本県の要望に反して、国の制度に起因した不合理な人材確保上の困難が一層増す事態となり、決して容認できるものではない。
隣接する市区町村の間で公定価格に大きな格差が生じ、しかもそれが拡大しようとしていることは、質の高い保育の提供の妨げとなり、全てのこどもが等しく幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現を阻害するものにもつながりかねない。
よって、国においては、保育の公定価格を定めるに当たって、地域手当だけでなく他の客観的な指標も考慮することで地域の実情を十分に反映させ、不公正な市区町村間の格差を早急に解消することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
こども政策担当大臣
少子化対策担当大臣
経済財政政策担当大臣

様                                                 

社会福祉施設職員等退職手当共済制度における保育所等に対する公費助成の継続を求める意見書

社会福祉施設職員等退職手当共済制度は、社会福祉法人が経営する社会福祉施設等の職員の処遇改善により、職員の身分の安定を図り、もって社会福祉事業の振興に寄与することを目的としており、保育所等の職員に係る退職手当金の支給に要する額の3分の2は、公費によって補助されている。
平成27年2月の社会保障審議会福祉部会報告書では、多様な経営形態の参入など社会福祉事業が変容する中で見直しを行う視点から、保育所の公費助成の在り方について平成29年度までに結論を得ることとされた。平成29年12月の同部会では、全国で待機児童を解消するための取組が行われている状況を踏まえ、令和2年度までに結論を得ることとされ、令和3年1月には、公費助成を一旦継続しつつ、他の経営主体とのイコールフッティングの観点等も踏まえて、更に検討を加え、令和6年度までに改めて結論を得るとされた。
現在、国では、「こども・子育て支援加速化プラン」の取組として、保育人材の確保や資質の向上を図り、質の高い保育を安定的に提供できる体制の構築を進めており、本県においても、不足している保育士の処遇改善をはじめとする人材確保策の強化は喫緊の課題となっている。
こうした中、社会福祉法人が経営する保育所等において保育人材の確保や定着を進め、保育の質を向上させるためには、本制度の公費助成を継続する必要性は高く、公費助成の打ち切りは少子化対策推進の大きな支障となる。
よって、国においては、社会福祉施設職員等退職手当共済制度における保育所等に対する公費助成を継続することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
こども政策担当大臣
少子化対策担当大臣
経済財政政策担当大臣

様                                                   

健康増進法の既存特定飲食提供施設に係る経過措置の廃止等を求める意見書

令和2年4月に全面施行された改正健康増進法では、多数の者が利用する飲食店や事業所等は屋内禁煙を原則とし、基準を満たした専用室のみ喫煙可能としている。
一方で、既存の経営規模の小さな飲食店である既存特定飲食提供施設については、事業継続への影響に配慮し、経過措置として、全部又は一部の場所を喫煙可能室とすることができるとしており、この経過措置の終期は、受動喫煙の防止に関する国民の意識と対象施設における受動喫煙防止の取組の状況を勘案して別に法律で定めることとしている。
本県においては、望まない受動喫煙を生じさせることのない社会の実現のため、令和3年4月に施行した埼玉県受動喫煙防止条例において、既存特定飲食提供施設について、従業員を雇用していない場合、又は従業員の承諾を得た場合以外は、喫煙可能室とすることができないとしている。
既存特定飲食提供施設を対象とした改正健康増進法の経過措置は、4年が経過したが、専用室以外では喫煙できない同規模の新規施設との間で公平性の問題が生じている。
また、改正法では、施行後5年を経過した場合において、施行状況に検討を加え、その結果、必要があると認める場合、必要な措置を講ずるものとしており、経過措置に係る取り扱いについても、検討の時期が近づいている。
よって、国においては、望まない受動喫煙を生じさせることのない社会の実現のため、既存特定飲食提供施設における受動喫煙の防止が促進されるよう、施設の実態に即した必要な支援を講じつつ、経過措置を早期に廃止することを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

様                                                     

性犯罪・性暴力の撲滅に向けた取組の強化を求める意見書

性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる重大な人権侵害で、その心身を傷つける極めて悪質な行為であり、断じて許されるものではない。
性犯罪・性暴力は、羞恥心や自責感等から顕在化しにくい傾向があるとされ、被害者が勇気を出して相談しても、周囲の無知や誤解、偏見等によって二次的被害を受ける恐れがある。また、加害者が顔見知りであることも多く、特にこどもは、性被害だと認識できない場合があることや、加害者との関係性などから被害が潜在化・深刻化しやすいことが指摘されている。
平成29年7月、刑法の改正により、強制性交等の対象となる行為の見直しや法定刑の引上げ等が行われた。昨年6月には、刑法及び刑事訴訟法の改正によって、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪に係る成立要件の見直しや、いわゆる性交同意年齢の引上げ、公訴時効の見直し等が行われた。関係省庁では、「性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針」に基づき、令和7年度までを集中強化期間として位置付け取組を進めている。
しかし、被害者の心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続ける性犯罪・性暴力の悪質性や重大性に鑑みれば、その対策の更なる強化は急務である。
よって、国においては、性犯罪・性暴力の撲滅に向け、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 心身共に未熟である若年者は数十年経過してから相談することもあることから、性被害を申告することの困難さなど性被害の実態について必要な調査を行い、公訴時効期間の更なる延長など18歳未満の者への性犯罪に係る公訴時効の在り方について検討を行うこと。
2 性犯罪は事件が起こってから捜査が開始されるまでに時間がかかる場合もあるため、刑事手続に支障がないよう、警察や児童相談所等関係機関において関係書類等が保全される体制を確保すること。
3 捜査段階における二次的被害を防止するため、性被害に対応した専門部署の整備や希望する性別の警察官が対応できる体制の確保、担当する警察官の専門性の向上など警察の体制強化を進めること。
4 性犯罪の悪質性や重大性に鑑み、抑止力の強化を図るため、性犯罪の更なる厳罰化を検討すること。
5 こどもが性犯罪・性暴力の被害者にも加害者にもなることを防ぐため、身体や生殖の仕組みに加え、人間関係や人権、ジェンダー平等、暴力と安全確保、健康と幸福等に関する知識を包括的に学ぶことができる教育を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
文部科学大臣
内閣官房長官
国家公安委員会委員長
こども政策担当大臣
男女共同参画担当大臣
経済財政政策担当大臣

様                                             

インターネット上の部落差別に係る情報への対策強化を求める意見書

部落差別は、日本社会の歴史的過程で形作られた身分制度に由来する人権問題であり、断じて許されないものである。
近年では、インターネットの普及に伴い、その匿名性や情報発信の容易さから、特定の個人や不特定者等を対象とする誹謗中傷等の差別表現が数多く投稿されている状況にある。
本県では、令和4年7月、埼玉県部落差別の解消の推進に関する条例を施行した。部落差別のない社会を実現するため、インターネットによる情報提供を含めた差別行為の禁止等を定めており、教育や啓発、相談体制の充実等の施策を総合的に実施している。
国においては、SNSにおける誹謗中傷等による被害が深刻化していること等を受け、削除対応の迅速化や運用状況の透明化を大規模なSNS事業者等に義務付ける「情報流通プラットフォーム対処法」が本年5月に成立し、現在は、規定の整備など施行に向けた事務が進められている。
インターネット上の情報は即時かつ地域的に際限なく拡大し、誹謗中傷等の被害や悪影響は甚大化しやすい。特定の区域を同和地区であると指摘する記述や動画が数多く掲載されている現状に鑑みれば、インターネット上の差別の解消に向け、更なる対策を講ずることは急務となっている。
よって、国においては、インターネット上の部落差別に係る情報への対策強化に向け、下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 法務局におけるインターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件への対応について、相談体制の拡充や調査の迅速化を進めるなど、被害者を救済する体制を強化すること。
2 「情報流通プラットフォーム対処法」の施行に向けた事務を速やかに進めるとともに、インターネット上における、あらゆる部落差別に関する誹謗中傷等が速やかに削除されるよう実効性のある施策を検討すること。
3 部落差別を誘発する情報の投稿や拡散が抑止されるよう、インターネット上の情報に対する施策を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年10月16日

埼玉県議会議長 齊藤 邦明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣

様                                   

 

  • 注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 政策・法制担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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