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掲載日:2023年3月14日
Q 石渡 豊 議員(公明)
患者の救急搬送に長時間を要する事例が全国的に増えています。昨年末以降、119番通報や救急搬送が大幅に増え、搬送先に困るケースが多発しています。
本県内でも救急搬送困難事案が1月9日から15日の1週間で1,223件に上り、過去最多を記録しました。本県は、不要不急の救急要請を減らそうと救急電話相談ダイヤル#7119の対応職員を最大2倍に増やし、その体制も3月末まで延長されました。知事の危機対応に敬意を表します。
ここで、映像等を活用した119番通報システムについて御提案させていただきます。
私は、1月19日に救急のデジタル化を進める神奈川県の藤沢市消防局を視察いたしました。同消防局は1年間、救急の映像通報システムを試験運用され、昨年10月から本格運用を開始されております。今までの119番通報では音声情報だけであり、現場の状況把握に困難があったそうですが、現在は映像情報も入ることにより救命効果が発揮されているとのことです。
実際に運用しての効果を語ってくださいました。救急出動においては、通報者の音声情報では疾病者の状態が分からない場合に接続をいたしました。心肺停止ではないと判断ができました。救助出動においては、身体が挟まって身動きがとれないとの通報でしたが、映像が接続されますと救助出動の必要はないと判断ができ、結果、救急の支援出動となりました。消防においては、隣の家がこげ臭いとの通報時に映像で火煙等の状況を確認でき、出動部隊へ情報提供ができました。現場での効果は歴然とあると感じました。
「なぜ市が導入されたのですか」とお聞きしました。「第一に、人の命を救うため」と即答されました。また、「市の行政全体がDX推進にかじを取り、指令システムの改修時期と重なったため」ともお答えくださいました。
本県内でも令和4年4月、埼玉県南西部消防局が指令システム更新時に運用を開始されており、救命率の向上に貢献しているとお聞きしています。
それでは、お伺いします。
1点目、こうした119番映像通報システムという救急のデジタル化は救命率の向上に役立つと考えます。いかがでしょうか。
2点目は、このシステムは、各本部の指令システムの更新時に導入する方が効率的であると考えます。県内には27の消防本部がありますが、今後、5年程度で更新を迎える本部はいくつございますか。また、更新される本部に対し、本県は紹介や助言をしてくださいませんか。
以上、危機管理防災部長の御所見をお伺いいたします。
A 三須康男 危機管理防災部長
まず、119番映像通報システムという救急のデジタル化は救命率の向上に役立つと考えるがいかがかについてでございます。
このシステムは通報時に音声だけでなく、映像情報を消防指令センターと通報現場との間で共有できるシステムで、災害現場や交通事故現場など様々な場面で活用することができます。
議員お話の救急の場合、御視察いただいた藤沢市の例のように体が挟まって身動きが取れないという通報時に、その状況映像を確認することで、救助方法を迅速に判断できたケースがあります。
また、電話だけでは心肺蘇生の方法が分からない場合に、通報者が消防本部から送信された動画を見ることで、正しい処置を行い救命につなげるといったこともございます。
本県では、県南西部消防局が昨年4月から運用を開始しており、これまでの11か月間で通報者が胸骨圧迫の動画を見ながら応急処置できた事例が4件あり、救命率の向上につながりました。
一方、映像のやり取りを試みたものの、非常時のため通報者が落ち着いて操作できなかった、スマートフォンのバージョンが古く作動できなかったなどの事例もございました。
国が全国の消防本部を対象に行った調査でも、通報者や被害者以外の人が映ってしまうというプライバシー上の問題や状況によっては第三者の協力が不可欠といった回答が挙げられています。
安定的な稼動には依然として課題もありますけれども、システム自体は大変有効なものであり、今後のデジタル技術の進展などを踏まえれば更なる改善も期待できると考えます。
次に、今後5年程度で指令システムの更新を迎える消防本部の数と更新される消防本部に対し紹介や助言を行うことについてでございます。
現行の指令システム更新に合わせて映像通報システムを整備すれば、端末の適正配置や、通報の受付と映像確認の一体的な運用が可能となります。
地方債が充当できる場合が出てくるという利点もございます。
今後5年以内に指令システムの更新を予定している消防本部は24ありますが、全ての消防本部に対し、議員御提案のシステムの長所、効果的な活用事例、検討課題などについて情報提供してまいります。
さらに、導入を検討している消防本部については、実際のシステムを見て知って体感していただくことが有効でありますので、運用現場の視察コーディネートなど、必要なサポートを丁寧に行ってまいります。
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