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掲載日:2022年10月19日

令和4年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)

 県としてパートナーシップ制度実現を「性の多様性を尊重した社会づくり条例」の全面実施へ

Q   前原かづえ 議員(共産党)

さきの6月議会で性の多様性尊重条例が可決され、メディアでも話題になりました。とりわけLGBTQ当事者の方からは、県としてパートナーシップ制度、ファミリーシップ制度を実現してほしいという期待が寄せられています。埼玉新聞は「宣誓制度を埼玉県に求めるネット署名が始まっている」と報道しています。9月24日時点、署名数は363人に上っているとのことです。
この間、同制度について、知事は市町村で検討すべきものという姿勢でした。しかし、こうして条例ができ、署名活動も進んでおり、いよいよ県として制度導入へ踏み出していただきたい。知事の決意を求めます。
知事は、予算特別委員会で我が党の質問に対し、「民間企業、業界団体などに働き掛けていきたい」と答弁いたしました。制度のない中でも、権利尊重のため努力したいとの意思と受け止めております。
そこで、提案ですが、まず医療機関での手術の同意や情報提供についてです。厚労省は、家族とは法的な意味での親族関係のみを意味しないと、2007年にガイドラインを作っています。全国でも進んでいる横須賀市では、市立病院はパートナーであっても情報提供や手術同意を可能とするだけでなく、そのことをホームページで分かりやすく明記しております。また、厚労省のガイドラインに基づき、横須賀市が医師会へも働き掛けています。
1、本県でも県立病院ではパートナーによる同意を認めているそうですが、横須賀市のようにホームページなどで積極的に広報すること。
2、医師会に働き掛けること。
3、横須賀市では、LGBTQ同士の住まい探しに積極的な不動産事業者にレインボーステッカーを配布しています。これを進めること。
4、埼玉県のDV被害相談窓口について、LGBTQのDV被害についても取り組んでいるとホームページで明記すること。
5、里親制度もLGBTQカップルも対象であると分かりやすくホームページ上で示すこと。
以上、5点について知事の答弁を求めます。
条例にはパートナーシップ制度の整備だけではなくて、基本計画の策定や啓発などを実施していくことが位置付けられています。計画策定のための審議会の立上げも必要です。
1つ、基本計画はいつまでに、どのような審議会を立ち上げて策定するのか。
2、現在ある性の多様性に関する施策推進会議を活用する方法もあると考えますが、県民生活部長、答弁を求めます。
条例の内容を分かりやすく県民に知らせるパンフレットの作成も必要です。大分県では「りんごの色」という漫画を中学1年生と高校1年生に配布、コンビニにも置いてもらい感動を呼んでいるそうです。このような感動的なパンフレットを民間企業に広汎に配布し、学校の児童生徒、とりわけ県立学校生徒にはいち早く配布することを求めるものです。
県民生活部長の答弁を求めます。

A 大野元裕 知事

県としてパートナーシップ宣誓制度導入へ向けた決意についてでございます。
LGBTQの方はこれまで長い間支援から取り残されており、これは、多様性が尊重される時代にあって、直ちに人権上の対応が必要とされる問題だと考えます。
そこで、性の多様性を尊重した社会づくりに当たっては、「理解増進」や「相談体制の整備」はもとより、「暮らしやすい環境づくり」まで踏み込んで、取組を行っていく必要があると考えます。
御質問のいわゆるパートナーシップ宣誓制度は、双方又はいずれか一方が性的マイノリティである方々が、互いを人生のパートナーとして生活を共にすると宣言し、この二人に対し、宣誓書受領カード等を交付する制度というと理解をしております。
これは、婚姻とは異なり、法律上の効果は生じず、受領カード等も法的根拠や権利を裏付けるものではなく、制度をもたらすものでもございません。
本県はこうしたパートナーシップ宣誓の導入は、現時点では考えておらず、またパートナーシップ宣誓は法的に担保された制度としても捉えておりません。
互いを尊重し協力し合う関係の宣言では、当事者の方たちの権利や身分を確立することはできず、制度や手続きの改正こそが当事者の不安定な地位に置かれることへの解決方法として大切だと考えます。
次に、横須賀市のようにホームページなどで積極的に広報することについてであります。
県立病院について、同性パートナーについても、手術の同意や情報提供は可能でありますが、このことについて、今後、県ホームページに掲載をしてまいります。
次に、医師会に働きかけることについてであります。 
県内の病院において、同性パートナーに対しても、手術の同意や情報提供が可能であることを周知するため、医師会に働きかけます。
次に、LGBTQ同士の住まい探しに積極的な不動産業者にレインボーステッカーを配布することについてであります。
県では、県民や企業がLGBTQ支援の意思を表明する際に掲示していただく「マグネットステッカー」を作成し、すでに配布をしております。
不動産事業者に対し、この「マグネットステッカー」の活用を働きかけてまいります。
次に、埼玉県のDV被害相談窓口について、LGBTQのDV被害についても取り組んでいるとホームページで明記することについてでございます。
相談窓口では、従来から性別を問わず相談に応じており、県ホームページにおいても、その旨を御案内しております。
次に、里親制度もLGBTQカップルも対象であると分かりやすくホームページ上で示すことについてであります。 
里親制度を紹介しているページでは、既に同性カップルでも里親になれることを明示しております。更に分かりやすく掲載できるか検討してまいります。
このような取組を通じて、LGBTQの方々の直面する困難が解消するよう努めてまいります。

A 真砂和敏 県民生活部長

基本計画はいつまでに、どのような審議会を立ち上げて策定するのかについてでございます。
基本計画の策定に当たりましては、令和4年度新たに立ち上げました埼玉県性の多様性に関する施策推進会議にご意見を伺いながら検討を進めてまいります。
今後、関係部局との調整であるとか県民コメントの実施等を経まして、来年の夏を目途に策定したいと考えております。
次に、感動的なパンフレットを配布することについてでございます。
県では、条例制定後すぐに、県民向けに、「条例施行に伴う県の考え方Q&A」をホームページに掲載いたしました。
また、市町村担当課、県立学校、市町村教育委員会に対し、条例の周知を依頼しております。
去る9月16日には、市町村の担当課長会議の場で、改めて条例について周知を図りました。
このほか、令和3年度から、企業向けには「LGBTQが働きやすい職場づくりのために」と題した冊子を、また、小学校5、6年生及び中高生向けに、「児童生徒用リーフレット」を作成し、配布している状況がございます。
こうした条例の内容や啓発資料はホームページでも案内しておりますので、広く県民の方にその情報にたどり着きやすくなるよう、LGBTQポータルサイトにこれらの情報を集約・整理し、企業や学校等に向けて広報してまいります。

再Q   前原かづえ 議員(共産党)

県としてのパートナーシップ制度の導入についてなんですけれども、知事は制度はしないと。でも、より実態に合うような形にしていく、理解を増進するために、暮らしやすい環境をつくるために努力はしていくというふうなお話だったんですけれども、やっぱりそれをするためには必要としている情報をすぐ手に入れることができるようにする、これってとても大事なことだと思うんです。新しい制度とか情報を多くの方が共有することも大事ですので、ホームページの内容を是非精査してほしいんです。
これは県民生活部長に言いたかったんですけれども、知事の方からホームページの充実について回答をお願いしたいと思います。
横須賀市の場合を見ますと、「LGBTQ 横須賀」と入れると、目の前に案内の人がいるように自分の必要としている情報の項目にたどり着くんですね。だから、そういう広報広聴活動について、県として必要な人が必要なことが受けられるそういう体制をつくっていくという、その姿勢を示していただきたいと思います。

再A 大野元裕 知事

LGBTQの環境づくりに関する点につきまして、横須賀市がホームページなどで積極的に広報をしていることに関し広報広聴活動についての姿勢をという、そういう御質問でよろしいんですね。
先ほど申し上げましたが、我々も既に取り組んでいるところもございますし、埼玉県の場合には条例をつくったことが何よりの広報として議会でやっていただいたことだと思っています。
そして、その上で、これをしっかりとそれぞれの措置、環境づくりについても、細かいところもいろいろと御指摘いただきましたので、そこを改めて踏まえてしっかりと広報させていただきたいと考えます。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課  

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