令和3年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文（杉田茂実議員）

行政機関のあり方と県北地域の発展等について - 県北地域の発展について

Q   杉田茂実　議員（県民）

令和元年12月定例会では、北部地域と南部地域の格差の解消についても質問させていただきました。その際、知事からは、「北部地域の基幹産業である農林業の振興や商店街の支援などを公約において重点政策と位置付け、進めていく。また、北部地域には豊富な地域資源や高いポテンシャルがあることから、特性や魅力を更に高めていくことで地域活性化につなげていく」との御答弁がございました。熊谷市をはじめとする北部地域は、県土の大きな割合を占めており、中山道の宿場町として発展し、上越・北陸新幹線やJR高崎線などの鉄道網、国道17号や国道125号等の道路網があり、交通の要衝でもあります。また、圏央道の県内全線開通に伴い、利便性が大きく向上し、北部地域の発展のポテンシャルは更に大きくなっていると感じます。
しかしながら、現実には地元熊谷市をはじめとする北部地域全体では、人口減少、少子高齢化の傾向は変わっていません。今年6月、国勢調査の人口速報集計が公表され、確認したところ、熊谷市、本庄市、深谷市、美里町、神川町、上里町、寄居町の北部地域3市4町の人口は、平成27年から令和2年の5年間で約8,000人以上減少いたしました。一方、県全体の人口は、平成27年から令和2年の5年間で約8万人増加しています。
また、経済面から見ますと、市町村内総生産は、直近の平成30年度のデータによると、県内市町村全体が対前年度増加率はプラス0.5％ですが、北部地域はマイナス2.2％となっています。加えて市町村民所得は、県内市町村全体が対前年度増加率はプラス0.1％ですが、北部地域はマイナス2.5％となっており、経済の縮小も懸念されます。
こうした状況を見ますと、北部と他の地域の間で、人口を含めた地域力の差はますます広がっていくのではないでしょうか。北部地域の人口や経済などが縮小しないようにするために、県として全力で取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、お伺いいたします。
北部と南部の地域間格差を解消し、北部地域が更なる発展を遂げていくために、今後どのように取り組まれていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。

A　大野元裕　知事

議員御指摘のとおり、過去5年間の県全体の人口が増加している中にあって、北部地域の人口は1.7％減少しており、厳しい環境にあります。
私はこうした状況を踏まえ、SDGsの「誰一人取り残さない」との基本理念を踏まえ、「どの地域も取り残すことがない」社会を目指して政策を進めることとしております。
北部地域には豊富な地域資源があり、その高いポテンシャルを生かす施策を展開することが、この地域の活性化につながると考えております。
これまでも北部地域の発展に向けて、働く世代の転入・定着を狙いとした企業誘致や、基幹産業である農業の生産性向上に必要なほ場整備、そして、新1万円札の肖像となる渋沢栄一翁のみならず、北部地域の3偉人、荻野吟子や塙保己一等を含めた観光振興などの取組を進めてまいりました。
今後は、それらを更に発展をさせ、関越自動車道におけるスマートインターチェンジの設置や秩父鉄道の新駅開業など、整備が進む交通網を武器に、地域産業の活性化や観光振興なども進めてまいります。
また、本年8月の埼玉パナソニックワイルドナイツの熊谷への本拠地移転をチャンスとして、ラグビーワールドカップ2019のレガシーを生かした熊谷スポーツ文化公園の整備などを進めてまいります。
あわせて、熊谷市においてもラグビーに関する様々な展示ができるウォールギャラリー等を設置するなど、県と市がタイアップして地域のイメージアップと活性化を図ってまいります。
今後も市町村と連携をしつつ、北部地域のポテンシャルを生かした取組をより一層進めるとともに、各地域の特性や魅力を最大限に生かした多彩な地域づくりを推進し、県の発展に全力で取り組んでまいります。

 

• 上記質問・答弁は速報版です。
• 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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