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掲載日:2024年10月17日

令和3年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柳下礼子議員)

コロナ禍で切実となっている保育施設の設置基準見直しを

Q   柳下礼子 議員(共産党)

子供の感染者が増える中で、保育所や放課後児童クラブで、8、9月は県内327施設がコロナ感染で休所しました。
私は放課後児童クラブ、また所沢市内の認可保育所を訪問し、職員の方々からお話を伺いました。コロナ禍で保育労働者は、幼児たちにマスク着用は難しい、また乳児たちは常に抱っこが必要で距離を取ることができませんと、困難な状況に置かれています。しかし、毎日、消毒や清掃に力を入れ、食事で一緒に机を囲む人数も3人程度としているなど、最大限の工夫をしていました。
保育士も放課後児童クラブの支援員も、社会を運営する上で欠かせないエッセンシャルワーカーです。それなのに、保育士も支援員も別業種の友達のお給料を知って、そんなにもらっているんだと愕然としたというように低賃金です。
ここで知事に伺いますが、コロナ禍において保育労働者は専門家であり、エッセンシャルワーカーであるという認識をお持ちか。また、その処遇改善について見解を求めます。
コロナ禍で明らかになったことは、国や県が定める基準では、感染対策として不十分であるということです。
第一に、保育士の配置基準は、0歳3人に保育士1人、1、2歳は6人に1人、3歳以上になると20人に1人となります。この配置基準では、密着、密接な保育にならざるを得ません。国に対し基準見直しを要望するのはもちろん、県も独自の配置を進めていただきたいが、どうか。
第2に、放課後児童クラブガイドラインの設置基準は、1人当たり1.65平方メートル以上の広さと定めています。厚生労働省はコロナ禍での密集を避けるため、人との距離を2メートル以上空けることを呼び掛けていますが、この面積ではとても距離を取れません。また、休憩室を別に設けることになっていないことも問題です。ガイドラインの面積基準の引上げと休養室設置を盛り込むべきです。
以上、福祉部長の答弁を求めます。

A   大野元裕   知事

コロナ禍において保育労働者は専門家であり、エッセンシャルワーカーであるという認識をお持ちかについてでございます。
まずは、保育士や放課後児童クラブ支援員をはじめ保育に関わる職員の皆様が、コロナ禍において、感染防止対策を徹底しつつ、現場で御尽力をいただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。
私は、本年9月に和光市内の保育施設を訪問させていただき、現場の職員の皆様から、日々の保育業務に加え、消毒や換気などの感染防止に最大限取り組んでいただいていることを、直接、お伺いをいたしました。
保育所等は緊急事態宣言下においても、感染防止対策を徹底しつつ、原則開所を要請されていることから、保育士や支援員は、正に保育の専門家として、社会を支えるエッセンシャルワーカーであると認識しており、ワクチン接種においても県では、エッセンシャルワーカー枠の適用をさせていただきました。
次に、保育労働者の処遇改善についてであります。
保育士や支援員の方の処遇改善は、コロナ禍においても保育の質の確保に直結する重要な課題であると考えます。
保育士の給与は、子ども・子育て支援法に基づく全国共通の制度により、市町村や事業者に対し運営費が交付され、その中から、職員に給与が支払われる仕組みであります。
保育士等の給与が他の職種と比べて低くなっているのは、国が設定している給与を含む運営費に問題があると考えております。
このため、保育士等の負担が増大している状況を踏まえ、令和3年度新型コロナ対策に係る政府要望の中で、国に対し処遇改善の要望をさせていただきました。
また、保育士給与については、特に公定価格の設定に問題があることから、昨年11月には、私自ら坂本哲志少子化対策担当大臣に本県の実情を訴え、改善を要望しました。
さらに、本年6月の国会議員連絡会議では、埼玉県選出の国会議員の皆様に対し、埼玉県の現状と公定価格の問題点を直接、御説明し、その後の意見交換では、「一緒に問題解決に努めていきたい」とのお声などもいただきました。
こうした要望活動に加え、県としても、職員が働きやすい職場環境となるよう、管理者の意識啓発を図るためのセミナーの開催や専門家の派遣、職員の宿舎借上げ補助などの処遇改善にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

A   山崎達也 福祉部長

国に対し保育士の配置基準見直しを要望するのはもちろん、県も独自の配置を進めていただきたいがどうか、についてでございます。
保育士配置の最低基準については、厚生労働省令「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」により定められています。
保育士の配置基準を一律に見直すことに対しては、国や市町村においても「すぐには働いている保育士の総数は増やせない」「増やせず基準だけ見直せば、受入児童数が減り待機児童が増える可能性がある」などの意見があり、県としても慎重な検討が必要と考えます。
なお、本県では1歳児や障害児の担当保育士に関し、配置基準を上回って加配する場合に県独自で助成を行っています。
次に、「埼玉県放課後児童クラブガイドライン」の面積基準の引き上げと休養室設置を盛り込むべきについてお答えします。
ガイドラインは、国が定める「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」を踏まえ、埼玉県が放課後児童クラブの一定の水準を確保するために市町村にお示ししているものでございます。
面積基準の引上げや休養室設置を盛り込むことは、全体面積が増やせなければ受け入れ児童数の減少につながることとなり、待機児童数の増加を招くこともあります。
このため、県全体で一律に基準を見直すのではなく、クラブを整備する主体である各市町村が地域の実情に合わせて判断していくことが望ましいと考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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