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掲載日:2024年10月17日
Q 柳下礼子 議員(共産党)
7月以降の感染者数の急速拡大のために、保健所機能がパンク状態に陥りました。県は、積極的疫学調査を中止し、軽症の自宅療養者への対応を宿泊・自宅療養者支援センターに委託しましたが、埼玉県で5人の方が自宅で放置され死亡しています。
当県議団の下にも、「濃厚接触者を特定してもらえないので、行政検査ができない」「就業制限解除通知がいつまでも送られてこないので、仕事に復帰できない」という県民の声が押し寄せました。
県は、連日、150人以上の職員や120人を超える保健師の応援体制を組みましたが、追いつきませんでした。第5波は収束傾向ですが、これでコロナ全体が収束するわけではありません。この夏の痛恨の反省をもとに、第6波に向けて保健所体制を構築し直す方針を、知事、お示しください。
「市町村として協力したいが、県は感染者の情報も教えてくれない」という市町村議員からの声も続々と寄せられました。市町村との連携について、患者の個人情報提供について、協定を準備中とのことですが、一刻も早く協定を締結すべきです。知事、答弁を求めます。
2003年、前知事就任時、知事部局職員は8,365人いました。保健所は20保健所、4支所ありました。現在、職員は6,976人、保健所は17に減らされています。これこそが、今回のように思いがけない危機を迎えたときに即応できなかった根本原因と考えますが、どうか。また、この反省から、職員の増員にかじを切り替えることについても、知事、答弁を求めます。
次に、保健所の増設についてです。
知事は、8月28日、毎日新聞で「20万都市に保健所設置が望ましい。設置を働き掛ける」と答えておられます。確かに厚労省は「人口20万人以上の市は、保健所政令市への移行を検討すること」と述べています。対象となる20万人以上の都市は、所沢、春日部、草加、上尾市です。その最大の自治体は所沢市です。保健医療部長、所沢市と保健所設置で意見交換しているはずですが、その中身を御報告ください。
上田前知事は、県所沢保健所を廃止する一方で、「30万都市は自前の保健所を持っている。それが一般的」と語りました。このように保健所を無理やり廃止して自分でつくれと追い込むやり方では、市が納得するわけがありません。
所沢市民はこの経過を非常に重く見ています。管轄人口78万人の狭山保健所を分割し、所沢保健所を復活すべきです。その上で、市の要望などを丁寧に相談していくべきと考えます。保健医療部長の答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
第5波の反省をもとに、第6波に向けて保健所体制を構築しなおす方針についてでございます。
保健所の体制強化は、業務を整理して外部委託を積極的に推進するとともに、専門職の増員や全庁からの応援、保健所の一部業務の本庁での実施等の体制を組むことで対応してまいりました。
令和3年4月1日付けで38人の保健師を増員し、それに加えて本庁や市町村、看護系大学等から保健師の応援派遣をして積極的疫学調査を実施いたしました。
健康観察等を実施する民間派遣看護師も順次増員して9月には最大105人配置したほか、事務応援として全庁で最大156人の応援体制を組みました。
第6波に向けては第5波の経験を踏まえ、自宅療養者が最大1万8,000人発生することを想定し、健康観察の実施体制として保健所の民間派遣看護師を26人増員するなど感染者フォローアップ体制の整備や、協力医療機関による健康観察体制の整備、宿泊・自宅療養者支援センターの体制強化等を図ってまいります。
引き続き必要な人員体制の確保のほか、業務の標準化やIT化による効率化を進め、感染拡大期にしっかり対応できるよう保健所の体制を強化したいと考えております。
次に、市町村との連携協定を一刻も早く締結すべきについてでございます。
感染症法の規定に基づき、自宅療養者への生活支援を行う市町村との連携を強化してまいります。
具体的には、自宅療養者にパルスオキシメーターの貸与、食糧品や生活必需品の支給や購入の代行、ゴミ出しの代行を行う市町村に対し、県から必要な個人情報を提供いたします。
現在、市町村に覚書の案を提示しており、意向を確認しております。調整の上、合意に達した市町村とは、順次書面を取り交わし、速やかに事業を開始したいと考えております。
次に、思いがけない危機へ即応できなかった根本原因についてでございます。
議員お話しのこれまでの組織・定数管理については、保健所を含めた執行体制の見直しのほか、市町村への権限移譲、民間委託の活用など、行政の効率化を進めてきたものと理解しており、平時の体制としては適切と考えます。
他方、未知のウイルスへの対応でもあり、想定できないほどの危機的対応に見舞われたものの、こうした取組と併せて、県政の重要課題には職員を重点的に配置するなど、メリハリを利かせて、県民サービスの維持との両立を図っていくべきものと受け止めております。
また、業務量が短期間で急激に増加する状況には、平時の組織・定数管理を超えた非常時の対応が不可欠となります。
その上で、事態の長期化や専門的な対策などへの対応のために必要な増員も図ってまいりました。
令和2年度には年度途中の7月に感染症対策課を設置したほか、令和3年度当初には保健所の保健師について過去最大の38名を増員するなど、関係課所の組織体制を強化いたしました。
引き続き新型コロナウイルス感染症に即応できる体制を確保してまいります。
次に、この反省から職員の増員に舵を切り替えるかについてでございます。
職員定数については、新たな行政需要や県政の重要課題に対応するため、業務のスクラップ・アンド・ビルドや執行体制の効率化など不断の見直しを行うことが基本となります。
一方で、自然災害や感染症などの非常時には、県民の生命、身体、財産を守るため、庁内の力を結集し応援体制をとるとともに、時宜にかなった増員を検討する必要があると思います。
今後も不断の行財政改革を推進した上で、必要な課所には定数を配分し、適切な定数管理に努めてまいります。
A 関本建二 保健医療部長
保健所設置についての所沢市との意見交換の結果についてでございます。
昨年11月に所沢市役所を訪問し、直接藤本市長に保健所政令市への移行の検討を依頼いたしました。
県からは、保健所政令市の制度や、保健所を設置する場合の県の支援策などを丁寧に説明させていただきました。
意見交換を通じて、所沢市には県の保健所体制や保健所政令市の制度について御理解をいただいたと考えております。
その上で、国の指針を踏まえ、市として今後保健所設置の検討をしていただくようお願いいたしました。
次に、狭山保健所を分割し、所沢保健所を復活させた上で市の要望など丁寧に相談していくべきと考えるがどうかについてでございます。
保健所は地域保健法に基づき設置されており、都道府県の保健所の所管区域は、2次医療圏と概ね一致した区域にすることとされております。
本県では地域保健医療計画に定める10の2次保健医療圏を基本とし、人口や面積が大きい医療圏に副次圏を設定して、13保健所を県として設置しております。
所沢市を含む西部保健医療圏におきましては、所管区域における保健所の位置、施設の耐震性能や老朽化の状況等を考慮し、総合的に判断して狭山保健所を設置したものでございます。
県といたしましては、所沢市において保健所政令市への移行を十分に検討していただいた上で、保健所設置を目指すと判断された場合にはできる限りの支援をしていく考えでございます。
再Q 柳下礼子 議員(共産党)
所沢保健所の分割は県の責任だというふうに思います。狭山が78万ですよ。そしてコロナになって、本当に狭山はパンクの状態でしたよね。電話がつながらない。まずは統廃合してしまったことに反省すべきではないですか。これはまずかったと。所沢保健所の分割は、私は県の責任だと思います。
そして、その上で、今、所沢保健所があったところ、保健所発祥の地ですよ、所沢。そこの跡地に保健所を建てます。人も準備します。財政的な支援もしますと。そして、市として運営していく考えはないかというバックアップの仕方についても、具体的にきちんと納得するようにすべきではないですか。それを減らしておいて、医療圏ごとに13か所ですからって、こういう居直った言い方は本当にひどいなというふうに思います。
これからもこういった感染症に強い専門家をどんどん養成していくという点では、そこの単位の市の保健所だけではなくて、県としての保健所の役割があるというふうに思うのです。この点についてのお考えと、併せてお尋ねしたいと思います。
再A 関本建二 保健医療部長
保健所は国の指針で2次医療圏と概ね一致した区域に設置することになっております。
所沢市を含む西部保健医療圏においては、総合的に判断をして狭山保健所を設置しており、これを分割することは考えておりません。
所沢市に対しては、保健所政令市への移行を検討していただくようにお願いをしているところであり、保健所設置を目指すという判断をされた場合には、できる限りの支援をしていくということでございます。
再々Q 柳下礼子 議員(共産党)
保健医療部長のお答えがありましたけれども、所沢市の市長は議会の中でも所沢市としてつくりますということで言ってないのです。そして、私たちには、それは県がなくしたのだから県がつくるべきと言っているんですね。
先ほどの回答では、あたかも所沢市がつくるようなことを言っているというふうなお話でしたけれども、もう一度確認したいと思います。
そして、具体的な援助として、本当に所沢市にやってもらいたいなら、現在、所沢保健所があった場所、土地、そして建物、それから人の問題も含めてきちんと財政的な支援を全面的に行うのか、それについてお答えください。
再々A 関本建二 保健医療部長
狭山保健所を分割して新たに所沢保健所をつくるということは、先ほど申し上げたとおり検討しておりません。
狭山保健所の業務ひっ迫については、定数の増員や他部局を含めた応援体制の整備、業務委託の推進などにより保健所機能を高めて対応してまいります。
所沢市からは保健所設置に関する明確な返事をいただいておりませんので、支援についての具体的な検討はしておりません。
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