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掲載日:2024年10月17日
Q 石渡 豊 議員(公明)
本県は、「川の国・埼玉」を築くため、浄化槽を設置する全ての家庭に適正管理を促しています。適正管理とは、保守点検、清掃、法定検査の受検、この3点セットであります。保守点検と清掃が進む中、法定検査の受検はなかなか進みません。
本県作成のリーフレットには、「浄化槽の法定検査は使用されている方の義務です」、また「法定検査を受けなくてよいという事業者は悪質な事業者です。気をつけましょう」と啓蒙しています。法定検査の現場はどうなっているのか。私は8月17日、検査に携わる指定採水員に同行させていただき、熊谷市内の御家庭を回り視察させていただきました。
指定採水員といいますのは、法定検査の効率化を図るために国が示した資格です。国家資格の浄化槽管理士の中から、知事指定の検査機関が与えた資格です。指定採水員とは、いわば浄化槽法定検査のプロフェッショナルそのものであります。
法定検査の作業の流れを御説明します。1、お宅に着くと、資格証をつけ腕章を巻いた指定採水員は、家の方に作業開始の挨拶をいたします。2、浄化槽の蓋を開け、たまった汚泥や固形物をチェックします。3、装置の点検、調整と消毒薬を補充します。4、検査機関に送る浄化槽内の水を採取し、報告書を記入します。5、検査済み証シールを貼って、検査終了。6、最後に家の方に作業の完了を報告します。検査の時間は20分ないし30分です。
ここで、法定検査の受検率の現状について、令和元年度の結果から申し上げます。本県の川の上流に位置する群馬県と栃木県、そして本県、この3県を比較します。
最初に、群馬県ですが、対象件数は30万1,952件、検査実施数は22万5,867件、したがいまして、受検率は74.8%。
続いて、栃木県です。対象件数は15万2,033件、検査実施数は11万1,884件、したがいまして、受検率は73.6%。
本県ですが、対象件数は46万1,111件、検査実施数は8万9,074件、したがいまして、受検率は19.3%。お分かりのように、本県の20%弱に対し、両県ともに70%を超えております。また、全国の平均は43.1%ですので、本県は全国平均の半分にも届いておりません。
私は、平成25年5月、栃木県を視察いたしました。単刀直入に「栃木県は受検率がどうして高いのですか」とお尋ねしました。答えは「栃木県は法定検査をほぼ100%と言ってよいくらい指定採水員の方に担ってもらっています。指定採水員の活躍が第一です」と返ってまいりました。
それでは、お伺いいたします。
1点目は、本県は法定検査の受検率がとても少ないと思います。検査の対象件数に対して、指定採水員の人数が少ないのではないかと考えます。3県それぞれの人数をお示しください。
2点目は、受検率向上には指定採水員の人数を増やしていくべきと考えます。本県は指定採水員をどのように増やし、そして更なる活用を図りますか、お聞かせください。
3点目は、本県は受検率の目標値を掲げて、目標年度を明確にした上で進むべきと考えますが、いかがでしょうか。
4点目は、他県の好事例を参考にして本県も進むべきと考えます。いかがでしょうか。
以上4点、環境部長の御所見をお伺いいたします。
A 小池要子 環境部長
指定採水員の3県の人数についてでございますが、令和2年度末現在で、群馬県911人、栃木県693人、埼玉県は557人となっております。
次に、指定採水員をどのように増やし、更なる活用を図るかについてでございます。
浄化槽の法定検査制度は、昭和60年に導入されましたが、本県では、それ以前に設置されていた浄化槽も相当数あったことなどから、法定検査の受検率は、未だに全国平均を下回っている状況です。
浄化槽機能を確保し、河川等の水質を保全するためには、この受検率向上を図ることは大変重要です。
また、議員お話しのとおり、日頃から浄化槽設置者に接している保守点検業者が、指定採水員となって受検を働き掛けることは、対面できめ細かく説明ができることから受検率の向上に効果的と考えます。
県では、平成23年度から指定採水員制度を導入しているところですが、十分に活用されているとは言えない状況であり、今後、指定採水員の人数を増やし、制度の活用を一層図っていく必要があります。
そのため、保守点検業者に対し、指定採水員制度についてアンケート調査を指定検査機関と連携して実施いたしました。
アンケートの結果、指定採水員制度の活用が進まない理由として、指定採水員に係る手数料が少ない割に負担が大きいことや、顧客に新たな負担を求めることによって契約解除が心配であることなどが明らかになりました。
まず、1点目の指定採水員の負担が大きいという点につきましては、採水した検体の指定検査機関への持ち込みや、受検書類の作成などの手続きが煩雑であることなどが考えられます。
そこで、県といたしましては、指定採水員の手数料を定めている指定検査機関や保守点検業者とともに一同に介して検討する場を設け、他県の好事例なども情報共有し、指定採水員の負担軽減が図られるような方策を検討してまいります。
また、2点目の契約解除の心配という点については、そもそも浄化槽法定検査の認知度が低いため、検査実施の理解が得られにくい状況であることが一因と考えられます。
県では、これまでも未受検者に対し、市町村長との連名による文書指導や、厳しい表現でのリーフレットの作成・配布を行ってまいりましたが、引き続き、市町村や指定検査機関と連携し、法定検査の必要性についてより一層の周知を図ってまいります。
次に、受検率の目標値を掲げ、目標年度を明確にした上で進むべきについてでございます。
本県は、受検率が全国平均を下回っていることから、まずは、全国平均と同水準の受検率を早期に達成できるよう取り組んでまいります。
その達成には、県、市町村、指定検査機関、保守点検業者と一体となって、ワンチームで取り組んでいくことが必要です。
このため、こうした関係する機関と十分に協議し、目標を共有しながら、この3年程度で受検率向上への道筋がつけられるよう、指定採水員の負担軽減や法定検査の認知度の向上について、集中的に進めてまいります。
次に、他県の好事例を参考に取り組むべきについてでございます。
他県においても、それぞれ受検率向上のために様々な改善策を講じ、受検率の向上に向け取り組んでおります。
その結果、群馬県や栃木県など、実際に受検率の向上に成果を出された事例もあり、本県としてもこれらを十分に参考にして、取り組んでいくことが必要と認識しております。
両県をはじめとする他県の好事例について、本県の特性を踏まえつつ、今後とも、関係機関としっかり情報共有しながら、受検率向上に向けて積極的に取り組んでまいります。
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