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掲載日:2022年10月13日
Q 飯塚俊彦 議員(自民)
私の地元、本庄市を流れる備前渠用水は、1604年の建設以来、400年以上の歴史を有し、一級河川利根川から取水して、本庄市ほか2市の水田、約1,400ヘクタールをかんがいしている延長約20キロメートルの農業用水路です。
歴史をさかのぼると、徳川家康の命を受け、関東郡代伊奈備前守忠次が開削した水路で、備前渠の名前は伊奈備前守から来ているとのことです。埼玉県内では最古の農業用水路で、歴史的な農業用水として評価されたことから、農林水産省による疎水百選に選定され、周辺住民からは備前堀の愛称で親しまれております。
現在は水路の管理を備前渠用水路土地改良区が行っておりますが、歴史ある農業用水路を長年にわたり適切に維持管理されている組合員の皆様の日頃の努力に頭が下がる思いでございます。備前渠用水路周辺では、農家のみならず、周辺住民と一緒に美化活動が活発に行われております。
地元本庄市では、環境美化と桜並木を中心とした花いっぱい、快適な環境をつくることを目的に、地元の自治会により備前堀桜の会が設立されており、開削当初の面影を残す約2キロメートルの素掘りの区間に桜が植えられており、魅力ある田園風景をつくり出しております。
さて、このたび本県東部を流れる見沼代用水が埼玉県で初めて世界かんがい施設遺産に登録されました。今回の登録につきまして、心よりお喜びを申し上げます。
一方、備前渠用水路土地改良区では、見沼代用水より古くからある備前渠用水路について、令和2年度の世界かんがい施設遺産への登録を目指し、申請の準備を始めたと伺っております。長さでは見沼代用水に負けますが、堰を多用して水をためながら利用する関東流という伊奈備前守が始めた技法が使われるなど、世界に誇れる用水路と私は思っております。登録されれば、施設を核とした地域づくりがより一層期待されることから、ぜひ登録に向けて進めていただきたいと考えております。
そこで、農林部長にお伺いいたします。備前渠用水路土地改良区による世界かんがい施設遺産登録に向けたスケジュールはどうなっておりますか。また、土地改良区だけでの申請は困難と考えます。備前渠用水路の登録に向けた県の支援についてお伺いいたします。
A 牧 千瑞 農林部長
まず、世界かんがい施設遺産登録に向けたスケジュールについてでございます。
議員お話しの世界かんがい施設遺産は、築100年以上経過し、当時の先進的・卓越的技術で建設された施設を、インドに本部を置く国際かんがい排水委員会が認定・登録する制度です。
この登録制度は2014年から始まり、現在世界で91施設、国内では39施設が登録されています。
登録までのスケジュールですが、今年の見沼代用水の例では、本年2月に土地改良区が県の意見書を添えて農林水産省へ申請し、その後国内の委員会により国際委員会に申請する施設に選定されました。
その後土地改良区が申請書を英訳した上で6月に国際委員会に提出し、9月に認定・登録されました。
来年度登録に向けたスケジュールも、ほぼ同じであると考えております。
なお、今年は申請された6施設のうち4施設が、昨年は11施設のうち4施設が認定・登録されております。
次に備前渠用水路登録に向けた県の支援についてでございます。
世界かんがい施設遺産に登録されるためには、その施設がかんがい農業の発展に貢献してきた歴史的事実や卓越した技術等を整理し、申請書を作成する必要があります。
そのために関係機関との綿密な調整も必要となってまいります。
県といたしましては、まずは国内委員会での選定に向け国や関係機関との連絡調整に努めるとともに、土地改良区に対し申請に必要な情報の収集・提供や、申請書に対する助言などを行ってまいります。
歴史ある備前渠用水路の世界かんがい施設遺産登録に向け、これまでの経験を踏まえ、申請者である土地改良区を支援してまいります。
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