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掲載日:2022年10月13日
Q 宇田川幸夫 議員(自民)
あと数マイルプロジェクトに対して質問いたします。
同公約に対する立石泰広議員の質問に、知事は、取組の方向性に基づき、具体的な取組の進め方を工程表として整理していると答弁されました。仮にこれから工程表を作成するのであれば、少なくとも知事が描く目標完成年度は御自身が定め、それに基づいてどのように組織が動くべきかとする逆工程表を定めるというのがリーダーとしての務めではないでしょうか。
仮に、具体的な目標達成年度やKPIなど示さなければならないPDCAサイクルも回せず、一生終わらない公約になってしまいます。実際に、あと数マイルプロジェクトに該当する路線は4路線もあり、そのうち3路線はまだ埼玉県まで延びてもおらず、東京都から今後埼玉県に引っ張ってこなくてはならない有り様です。これでは、あと数マイルプロジェクトではなく、進捗ゼロマイルプロジェクトであり、相当なリーダーシップを発揮しなければ、実現できません。
実際、SRに関しては、これから延伸していくぞという希望があるので、あと数マイルプロジェクトと認識できますが、あとは全く未知数です。知事はこの状況をどのように対応しようとしているのか、きちんと工程表に表すべきです。
常日頃、知事は民間の経営感覚を県政に生かすと言っておられますが、実際、民間企業では事業を推進する際には様々な計画を立てます。例えば年度計画や中長期計画の立案です。これらは常に、誰がいつまでに何をするのか、そのためにはどのような投資を行うのかなどを示し、目標を共有します。さらに、ブレイクダウンして民間企業の経営目標として受注、売上、粗利がありますが、誰がいつまでにどのような方法で実現するのか示さないで業務を始める経営者はおりません。
そこで、さきの課題山積の知事公約は、知事自ら定めたものであり、実現までの工程は各部局が作成するものとしても、目標完成年度や投資額、実施主体などは知事自ら定めるべきものと考えます。
そこで、4点お伺いいたします。
1点目として、知事が公約を作るときに描いた目標完成年度をお聞かせください。路線によって目標完成年度は違うと思いますので、SRと、ほか3路線を別々にお示しください。将来に対して道筋をつけるなどの曖昧な表現ではなく、最短で何年、最長で何年なのかお示しください。
次に、2点目として、事業実施に向けての予算規模、財源を県民にお示しください。
3点目として、事業の実現方法をお示しください。例えば、事業実施において東京都の区間を整備する場合、埼玉県が整備をするのか、さらに東京都の土地を買収するのかお伺いいたします。
4点目として、1期4年ではできないものがあるということを危惧しておりますが、どの路線が任期内にでき上がり、でき上がらない路線はどの路線でしょうか、お答えください。
次に、東京8号線、東京直結鉄道について質問いたします。
知事の就任挨拶にて、どの地域も取り残すことのない社会をつくるとのお話がありました。しかし、知事の公約の中に有楽町線の延伸であります(通称)東京直結鉄道の記載がありません。同路線は、東京都、埼玉県、千葉県、茨城県とつながり、東京都は整備するための基金を創設しました。例えば今後、東京都が路線を八潮市までつなげた場合、埼玉県は千葉県につなげる役割を果たさなければなりません。このとき埼玉県の事業が進まなければ、関係自治体に大きな不利益をもたらす心配があります。どの地域も取り残すことのない社会をつくるというならば、そういう事態に至らぬように知事は東京メトロの株主であります国、東京都へトップセールスを行い、事業を推進する覚悟があるのでしょうか。
また、事業主体について知事はどのように考えているのでしょうか。既に東京都や江東区は基金を積み立てています。路線延伸先の埼玉県として、基金の創設について知事のお考えをお聞かせください。
A 大野元裕 知事
まず、SRと他3路線の目標完成年度と、事業実施に向けた予算規模や財源、任期内に出来上がる路線については、それぞれに関連がありますので一括してお答えをさせていただきます。
あと数マイルプロジェクトは、公共交通網及び道路網の更なる利便性の向上を目指すものであります。
今後、将来の人口や需要、新たな技術の動向等を把握し、これまでの経緯などを踏まえつつ検討を進めていく考えでございます。
プロジェクトの対象である鉄道事業につきましては、鉄道事業者・地元自治体・住民など多くの関係者、すなわちステークホルダーとの調整が必要であり、そのため事業決定まで長い時間を要します。
これに加えて、事業性や収支採算性、事業主体をどうするかなどについて、詳細な検討をする必要もあります。
例えば、埼玉高速鉄道線は平成13年に浦和美園駅まで開業いたしましたが、その延伸については現時点において、事業主体や負担区分なども確定をしていない状況でございます。
公約をお示しした時点で、こうした難しい状況や、鉄道の延伸などに多額の費用が必要であることは、当然承知していたところでございます。
しかしながら、選挙中に幾度も述べさせていただいたとおり、埼玉県が大きな転換期にある中、ビジョンを示すことが不可欠であり、日本の中で最も交通ネットワークが優れた地域の一つである本県において、その交通を更に良くしていきたいと私は考えました。
そこで、私は、公約において、単に1期4年で実現できることだけを記載するのではなく、あえてビジョンを示し、どういう方向に本県のかじを取るべきかもお示しをいたしました。
このプロジェクトが、短期間で、従って思いどおりにいくとは思っていません。
しかし、こうした私のビジョン、考えを職員としっかり共有をしつつ、今後ステークホルダーとの間で検討を進め、目標年度や予算規模、財源などについて、その示し方も含めて調整を図ってまいります。
次に、東京都の区間も埼玉県が整備し、土地の買収も行うのかについてでございます。
このプロジェクトは、公共交通網の更なる利便性向上策について、検討するものであります。
県境の路線を含めた各路線について、限られた財政状況の中でどれを優先するべきかを検討し、効果の高い部分を重点的に整備する考えであります。
今後、具体的に事業性や収支採算性、事業主体などについて検討する中で、様々なステークホルダーと調整が必要であり、その上でより具体的な合意が得られる際には、線路部分の整備費用や土地の買収費用などを含め、本県が負担する部分も検討していくことになると思います。
次に、東京8号線(「東京直結鉄道」)について、国や東京都へトップセールスをする考えはあるのか、についてでございます。
議員お話しの東京8号線は、公約の中に明記はございませんが、今後延伸を検討する路線には含まれるものと考えております。
東京8号線については、交通政策審議会答申において、「事業性に課題があり、関係地方公共団体等が協調して事業性の確保に必要な沿線開発の取組等を進めること」が前提とされております。
こうした前提条件の解決が見通され、県知事自らトップセールスをすべき状況になった場合においては、私自らが先頭に立ち、行動していくつもりでございます。
次に、事業主体でございます。
同答申においては、事業主体を含めた事業計画について十分な検討が求められているところでございます。
鉄道事業を担う事業主体については、自ら的確に遂行する能力が法律上求められているところであり、具体的には安全な輸送を担う能力、事業を実施できる経営基盤などが必要とされています。
また、東京8号線の延伸に関係する現存の路線を東京メトロが運営しているといった、現在の周辺環境も踏まえる必要がございます。
私は、こうした要素を全て満たし、鉄道の安全運行を実施できる者が事業主体となるべきと考えております。
次に、基金創設でございます。
東京都の鉄道新線建設等準備基金は、都区内の6路線にかかわる事業などの財源にするため、平成30年4月に設置されたものと理解をしています。
東京都では、従前から東京メトロの株主配当金を社会資本等整備基金として積み立てており、そのうちの対象鉄道部分を基金として切り分けたものと承知しております。
本県において同様の基金を設置する場合には、対象事業の範囲、規模、事業主体、実施期間などを明確に説明する必要がございます。
また、本県においては、東京都における配当金のような特定の財源もありません。
したがって、まずは事業性や収支採算性を確保することが必要であり、それが解決した場合には、事業化に必要な財源の確保が重要となります。
その上で、基金の創設につきましても検討させていただきたいと思っております。
再Q 宇田川幸夫 議員(自民)
私が質問したのは、知事が公約を定めたときに目標を設定されていなかったのかということをお伺いしました。答弁を聞く限りですと、目標を設定しないで公約をしたというような認識に捉えますけれども、そういう認識でよろしいのでしょうか。
また、工程表と逆工程表をつくるのかつくらないのか、この答弁であったり、目標完成年度、財源等もお示しがなかったと思われます。この点についても再度お伺いいたします。
また、全体的にもそうなんですけれども、トーンダウンしたような答弁が見られることは皆さんもお気づきかなと思っております。特に、東京8号線の基金に対しましては、前回の答弁ではやるという方向でありましたが、トーンダウンしたと認識されます。その全体のことに対してもトーンダウンせずに、知事は全てやり切るのか、もう一度お考えをお伺いいたします。
以上3点、お願いします。
再A 大野元裕 知事
まず、公約を示した時点での目的、目標についてでございますが、埼玉県が今大きな転換期にある中、私はビジョンを示すことが不可欠であり、日本の中で最も交通ネットワークが優れた地域の一つである本県において、その長所をさらに進め、交通の便をよくしていきたいと考えました。
その交通の利便性の向上を目標として示すべく、ビジョンとして明らかにしたところでございます。
その上で、宇田川議員からは財源、工程表について明らかになっていないという御質問がございました。
ビジョンとして示させていただきましたものにつきましては、特に鉄道事業については、さまざまなステークホルダーとの調整や事業性、収支採算性等の詳細な検討が必要になります。
現段階は私の考えを、あるいはビジョンを職員としっかりと共有していく段階であり、これらの検討を行った上で、目標完成年度や予算規模、工程表、そしてその示し方についても明らかにしてまいりたいと考えております。
最後に、東京8号線、いわゆる東京直結鉄道について、特にその事業の基金化についての御質問がございました。
この基金化につきましては、私の理解ではこれまで御質問に対して、東京都における配当金のような特定の財源を財源とした基金の設置等についてお答えしたことはないと理解をしておりますので、今回も同様に事業性や収支採算性を確保することが必要であり、その上での財源の確保をした上で基金化の創設についても検討させていただきたいと考えております。
再々Q 宇田川幸夫 議員(自民)
工程表をつくっていらっしゃるということであることは分かっています。ただ、今お示しをできないということを最悪のみ込むのであれば、いつ示すのか。また、これ12月議会等でも示さないのであれば、議論にならないと思います。その辺の部分で、知事としてこの示す方向性をいつまでに出すのかお伺いします。これは各部局ではなくて、知事が定めてそれを行うという方向性をいつ示すのか、もう一度お伺いします。
再々A 大野元裕 知事
先ほどの再質問に関し、今後の示す方向性をいつまでに明らかにするのかという御質問であったと理解をしております。
現在、これらの私の政策につきましては、次の予算に関係をするものとそうではないものに分けた上で、今、工程表をお示しするよう努めているところでございます。
次の12月議会までには示し方を含めて私の方から皆様に対しお答えをさせていただきたいと思っております。
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