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掲載日:2022年10月12日
Q 秋山文和 議員(共産党)
新知事は御自身の政策の中で、外国人対応や多文化交流を進める世界の埼玉を目指すとしています。今後、埼玉県においても外国人労働者が大きく増えることが予想されます。外国人労働者とその家族の支援、とりわけ児童生徒の支援を進めていくことが大きな課題となっています。
県内の中学校に通うある女子生徒は、「ネパールにいたときは勉強が楽しく成績が良かった。しかし、日本に来たら日本語がとても難しくて、テストの問題で何を聞かれているのか理解するもの大変。勉強が分からず不登校になってしまった時期もある。今NPOが実施している無料の学習支援教室に通いながら学校に通っているが、とにかく高校入試が不安だ」と話しておりました。県立高校に通う日本語指導が必要な生徒は260名ですが、このような子供たちへの支援の意義について、知事、御答弁をお願いします。
外国にルーツがある子供たちの学習権を保障するために、日本語指導や教育相談等の支援を行う多文化共生推進員が全日制では週2日、1日6時間、定時制では週3日、1日4時間配置されていますが、これでは不十分であると考えます。しかも入学後、一番不安な4月に配置されない現状も見逃すことができません。多文化共生推進員の増員と常駐、また、入学前からサポートできる改善が必要であると考えますが、教育長の御所見を伺います。
また、生徒の日本語の習得を助け、学校内でのコミュニケーションをスムーズにするためにポケトークのような音声翻訳機、音声翻訳アプリの利用者が広がっています。こうした音声翻訳機を学校がリースで借りた場合、国からの補助もあります。是非、県内の高校で音声翻訳機の利用を促進していただきたいのですが、教育長、お答えください。
岩槻高校や栗橋国際高校など県内10の県立高校の入学者選抜では、学力検査の問題に丁寧に振り仮名を振り、数学と英語、面接のみとするなど、外国人への配慮をした特別な入試を行っています。このような高校を増やすとともに、日本への入国を3年以内とする受験資格要件をせめて6年以内に緩和していただきたいのですがどうでしょうか。教育長、答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
県立学校へ通う日本語指導が必要な生徒たちへの支援の意義についてでございます。
現在、本県には18万人を超える外国人が在留をしており、国内で5番目の数になっております。
また、平成30年度における日本語指導が必要な児童生徒の数は、県立高校では議員お話しのとおり260人ですが、小・中学校には2,436人が在籍しており、県立高校で日本語指導を必要とする生徒数は今後増加することが見込まれております。
さらに、今年4月には改正出入国管理法が施行されたこともあり、今後も本県に在住する外国人の数も増加していくと見込まれます。
こうしたことから、在留外国人に対する総合的かつ効果的な支援によって、多様な文化を尊重した活力ある共生社会を実現することが必要と考えております。
学齢期にある子供たちについては、その能力に応じた日本語教育や生活状況を踏まえた支援を行い、日本社会に円滑に定着し、自立できる力を育成しなければなりません。
議員御指摘のとおり、外国人生徒が高等学校において学ぶ機会を確保することは、その後の社会生活を営んでいくためにも重要なことであると認識しております。
今年6月には、地域の実情に応じた日本語教育を推進する日本語教育推進法が施行されました。
県教育委員会と力を合わせて、音声翻訳アプリを活用するなど、日本語指導が必要な生徒たちへの支援の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
A 小松弥生 教育長
まず、多文化共生推進員の増員、常駐、入学前からのサポートについてでございます。
現在、県では、日本語指導が必要な生徒が多く在籍する県立高校の全日制10校、定時制13校に、日本語指導を行う多文化共生推進員を配置しております。
議員御指摘のとおり、多文化共生推進員の適切な配置及び入学前や入学直後からの支援は、生徒が充実した学校生活を送るためにも必要であると考えております。
引き続き、多文化共生推進員の確保に努めるとともに、教育局の国際交流員を通訳として派遣するなど、生徒が円滑に学校生活をスタートするための支援を充実させてまいります。
次に、音声翻訳機の利用促進についてでございます。
生活指導や学習補助、保護者との面談などにおいてコミュニケーションを円滑に進める上で、音声翻訳機や音声翻訳アプリを活用することは、大変有効であると考えます。
今後、音声翻訳機などのICTの活用を推進し、日本語指導が必要な生徒への支援の充実に努めてまいります。
次に外国人特別選抜による募集を行う学校を増やすことについてでございます。
外国人特別選抜は、日本在住期間が比較的短い外国人生徒を対象とし、平成29年度までは6校で実施しておりました。
平成30年度入学者選抜から4校を加え10校、来年2月に実施される入試では、更に2校増やし12校で実施するなど順次増やしているところでございます。
次に出願資格を入国後3年以内から6年以内に緩和することについてでございます。
現在の外国人特別選抜の出願資格は、入国後の在日期間を通算3年以内としております。
この出願資格は他県の状況や、他の受検生との公平性を踏まえて決定したものでございます。
今後、更なる外国人生徒の増加を見据え、外国人特別選抜の出願資格の在り方や外国人生徒への配慮について、実態を踏まえながら、検討してまいります。
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