トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和元年9月定例会 > 令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 9月30日(月曜日) > 秋山文和(共) > 令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(秋山文和議員)
ここから本文です。
ページ番号:164563
掲載日:2022年10月12日
Q 秋山文和 議員(共産党)
知事の重視するSDGs、すなわち持続可能な開発目標達成にとって、自然エネルギーの推進は欠かすことのできない課題です。今回は、太陽光発電による乱開発を取り上げますが、適切な規制こそが太陽光発電の更なる発展を促すと私は確信しております。
越生町の太陽光発電の予定地では35度もの急傾斜地で、伐採後根っこまで引き抜く乱暴な開発が行われた挙げ句、今年3月、1トンもの巨石が通学路に落下、その後、事業者が行方をくらませたのではないかという事態が起きています。秩父市大宮には住宅街や小学校の体育館の裏の急傾斜地にソーラーパネルがびっしりと設置されており、崩落の危険性が指摘されています。同じく秩父市吉田では山の谷間を埋め立て、土砂流出の危険性に住民が不安を抱いています。
以前、私が一般質問でこの問題を取り上げたとき、環境部長は「現行の手法で今後とも効果的な対応をしていきたい」と答えていましたが、乱開発によってどんどんと住民の生活環境が脅かされています。国はFIT法や環境アセスメントの不十分さをようやく自覚して、太陽光発電施設について規制を強化しています。埼玉県も環境アセスメント制度に太陽光発電施設も組み込んでいますが、20ヘクタール以上の施設となっており、越生町や秩父市の施設は対象となっていません。是非、県の環境アセスメントの要件を強化していただきたい。また、太陽光施設にも環境アセスメント制度が適用されるということをアピールしていただきたい。環境部長、答弁を求めます。
小鹿野町長若地内で発生した太陽光発電用地の土砂崩落問題を以前も取り上げました。2年前の台風により土砂が崩落し、川をせき止め、人的被害はありませんでしたが作業場などが水没し、甚大な被害を及ぼしました。崩落土砂の撤去等応急対策はとられたものの、恒久的な対策は行われていません。しかも、このたび視察に行ったところ、地元の方たちは新たにのり面に太陽光パネルが設置されるのではないかと心配しております。
県はこの件に関し、業者に対してどのように指導をしているのか、対策をお伺いしたいと思います。環境部長、お答えください。
日高市では、日高太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例を議会で議決し、太陽光発電設備の適正な設置、維持管理及び撤去等に関して必要な事項を定めました。このような条例を県でも設置して規制すべきと考えます。
私は、以前にも同じ質問をしておりますが、答弁は「県内各地で事情が違うので、県として条例は必要ない」というものでした。しかし、当時と比べても日高市、越生町などと、どんどん乱開発の波が広がっていると感じます。もはや一部地域の問題ではありません。県として規制条例制定を検討すべきです。環境部長の見解をお伺いいたします。
A 小池要子 環境部長
まず、県の環境アセスメントの要件の拡大についてでございます。
環境アセスメント制度は、開発事業の実施に当たり、予め事業者自らが環境への影響について評価し、住民等からの意見を反映させることで、環境保全の観点からよりよい事業計画にしていく制度です。
国は令和2年4月1日から出力4万キロワット以上、面積に換算するとおよそ100ヘクタール以上の規模の太陽光発電施設を対象に加えることとしたところです。
また、34の都道府県が独自に太陽光発電事業を環境アセスメントの対象としており、そのうち22団体は規模要件を50ヘクタール以上としております。
本県では20ヘクタール以上のものを対象としております。
現行制度に基づき丁寧に対応してまいります。
次に、太陽光発電施設にも環境アセスメント制度が適用されることをアピールすることについてでございます。
事業者はFIT認定を申請する際に、環境アセスメント制度の手続きについて確認することとなっております。
今後は、太陽光発電施設が対象事業であることなどを含め、環境アセスメント制度について幅広く周知してまいります。
次に、小鹿野町の太陽光発電業者への指導についてでございます。
現在、現場は応急対策がとられておりますが、秩父環境管理事務所の職員が毎週状況を確認し、事業者に対して特に大雨の時などにおける安全管理の徹底を指導しております。
事業者からは恒久対策となる改修計画が提出されておりますが、これが県の土砂条例上の基準を満たしているか確認するための更に詳細な資料の提出を求めているところです。
今後も事業者に対して安全性を高める恒久的な対策の速やかな実施を指導してまいります。
なお、当該地に新たな太陽光パネルを設置する計画はございません。
次に、太陽光発電に係る県条例の制定についてでございます。
本年4月30日現在、国の認定を受けた出力20キロワット以上で稼働中の太陽光発電施設は、県内に7,407件ございます。
そのうち、土砂災害の防止や自然環境の保護、周辺環境との調和などの理由で、県が市町村から相談を受けている案件は4件ございます。
県は平成28年度に「太陽光発電施設の設置に関するガイドライン」の雛形を市町村に示し、地域の実情に応じてガイドラインを策定するよう求めてまいりました。
現在、秩父、比企地域などの26の市町村でガイドラインを策定し、計画の概要が明らかになった早い時点での住民説明会の実施などを定めております。
国は平成29年4月にFIT法を改正し、こうした市町村が策定するガイドラインの遵守を設置者に求めており、これに違反した場合は国の指導・助言の対象といたしました。
県内には、山間地から田園地帯など様々な地域があり、その景観や利用形態は多様性に富んでおります。
未利用地活用として太陽光発電の導入に積極的な市町村もございます。
そのため、県が一律に条例で規制することはなじまないと考えております。
今後とも市町村や国、庁内関係部局とより緊密に連携を図りながら、太陽光発電施設の設置が安全・安心に進むよう努めてまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください