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掲載日:2023年12月1日
Q 飯塚俊彦議員(自民)
この件につきましては、平成28年6月定例会の一般質問及び平成29年2月の予算特別員会でも質問させていただきました。その際、群馬県では1,200頭にも及ぶ肉牛のゲノミック評価を行い、その後の追跡評価によって牛のランク付けを行っているとの例を紹介しました。海外の主要国においては遺伝子情報を活用し、生まれたばかりの牛の遺伝能力を評価するゲノミック評価が急速に普及、利用されている状況にあります。
日本でも昨年度から肉用牛のゲノミック評価が開始されたところでありますが、昨年6月定例会の一般質問において、埼玉県では秩父高原牧場に血統の優れた繁殖雌牛を導入し、県内の肉用牛農家に生産した子牛を供給することで肉用牛の生産振興に取り組んでおり、まずは秩父高原牧場の繁殖雌牛へのゲノミック評価を導入し、精度の高い選抜により、県有雌牛の高能力化を進めていくとの答弁がありました。
本年度は秩父高原牧場の優良血統の雌牛についてゲノミック評価を行うとのことでしたが、その結果はどうなったのでしょうか。今後その結果を踏まえて、本県の畜産振興にどのように取り組むのか、農林部長にお伺いいたします。また、このゲノミック評価の活用方法についてどのような形で肉用牛農家に周知していくのか、併せてお伺いいたします。
さらに、このゲノミック評価を肉用牛のブランド化やブランド統一に活用していくことが必要と考えます。埼玉県では武州和牛、深谷牛、彩さい牛、彩の夢見牛の4つをブランド推進品目としていますが、このゲノミック評価を活用することでそれぞれのブランド牛の特徴が明確になり、ブランド統一につながるのではないでしょうか。
そもそもブランド統一に当たって、ブランドコンセプトについて生産者との合意形成を図り、改良の方向性を決定した後に、ゲノミック評価の活用を検討すると予算特別員会の中で前農林部長が答弁されておりましたが、その後、このブランドコンセプトは決まったのか、それも併せて農林部長にお伺いいたします。
A 篠崎 豊 農林部長
まず、「秩父高原牧場の優良血統の雌牛のゲノミック評価の結果と、その結果を踏まえて、本県の畜産振興にどのように取り組むのか」についてでございます。
今年度、秩父高原牧場の繁殖雌牛のうち、主に受精卵を作成する5頭についてゲノミック評価を行いました。
その結果、肉量と脂肪交雑ともに優れる牛、肉量は優れるが肉質は標準的な牛、肉量及び肉質とも標準的な牛など、血統だけではわからない様々な遺伝的資質を持っていることが判明いたしました。
今後は、この結果を踏まえ、秩父高原牧場の繁殖雌牛の劣っている資質を補完し、優れている資質を強化する種付けを行うなどの改良に取り組んでまいります。
これにより、秩父高原牧場から県内肉用牛農家に質の高い黒毛和牛の子牛を供給することが可能となり、県内の農家の所得向上につながるものと考えております。
次に、「ゲノミック評価の活用方法について、どのような形で肉用牛農家に周知していくのか」についてでございます。
ゲノミック評価は、子牛の段階で遺伝的資質が把握できることで、後継牛の選抜や交配に適した雄牛の選定など、効率的な牛の改良が可能となります。
今年度、県内の主な肉用牛の繁殖農家を訪問し、ゲノミック評価について取組の意向調査を行った結果、半数の農家が技術導入などに興味を示しております。
今後、肉用牛農家や獣医師などの関係者を対象とした講習会などにより、ゲノミック評価のメリットと活用方法について周知を図ってまいります。
次に、「県産ブランドの統一に向けてブランドコンセプトは決まったのか」についてでございます。
ブランドコンセプトの決定には、県内生産者間の合意形成が必要です。
これまで各ブランドの生産者に個別に意向確認を行ってまいりましたが、各生産者はそれぞれのブランドに強いこだわりを持っており、現時点では合意形成には至っておりません。
今後は、他県でのブランド統一の成功事例や牛肉を販売する流通業者の意見を情報提供するなど、生産者間の合意形成に向け必要な支援を行ってまいります。
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