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掲載日:2023年12月1日
Q 神谷大輔議員(自民)
水道は、県民の日々の生活や社会経済活動を支える最も重要なライフラインであり、必要不可欠なものです。企業局が運営する県営水道は、茨城県五霞町を含む58市町に水道用水を供給しており、この給水区域の水道使用量の約8割を担う大変重要な事業であります。県内5つの浄水場では、日量約170万トンの水を送水しています。これは、さいたまスーパーアリーナ約2.3倍分に相当します。このため、地震などの自然災害や水質事故などの非常事態においても、水道水を安定して供給することが求められており、被災した場合でも被害を最小限とするための体制が必要です。
近年発生した災害や事故を振り返ると、平成23年3月の東日本大震災、平成25年9月の竜巻による大規模停電事故などがありました。これらの災害、事故の際、一部の浄水場では送水停止の事態となりましたが、ほかの浄水場からの応援給水や市町による地下水酌上げの増量などにより、何とか県民生活への影響を避けることができたと聞いております。
しかしながら、かねてから切迫性が指摘されている東京湾北部地震、茨城県南部地震により、今後これまで経験したことのない被害がいつ発生してもおかしくない状況にあります。このため、災害対策を強化し、安定供給をより盤石なものとする必要があるのではないでしょうか。
また、県営水道は河川水を取水して水道水を製造していることから、河川に関するリスクにも備えなければなりません。先月11日に草加市の古綾瀬川において川一面が青緑色に変色し、100匹以上の魚が変死する事故がありました。報道によると、毒性のある塩化銅溶液が上流の工場から流出したことが原因のようです。県営水道に影響はありませんでしたが、今後このような毒物などが浄水場の取水する河川に流入する可能性は否定できません。さらに、毒物投入のテロ行為が発生する可能性もゼロではありません。
2年後にはラグビーワールドカップ2019、3年後には東京2020オリンピック・パラリンピックなど大規模な国際スポーツ大会の開催を控えております。ラグビーワールドカップでは、3試合が県営熊谷ラグビー競技場で行われ、オリンピック・パラリンピックでは私の地元朝霞市で射撃競技が開催されるほか、バスケットボール、サッカー、ゴルフなどの競技が埼玉県内で開催されることから、国内、海外から多くの来県者が見込まれます。地元朝霞市にある東京都朝霞浄水場では、既にセキュリティ対策の強化を図っていると聞いております。埼玉県においても、これまで以上に水道施設のセキュリティ対策の強化が必要ではないでしょうか。
そこで、県営水道における安全・安心な水の安定供給について、今後どのように災害対策を強化していくのか、またどのようにセキュリティ対策を強化していくのかを公営企業管理者に伺います。
A 立川吉朗 公営企業管理者
まず、災害対策の強化についてでございます。
地震対策につきましては、想定される最大規模の地震が発生した場合であっても、浄水場等の機能が保持できるように、耐震補強工事を計画的に進めております。
今年度末には、対象としている施設のうち71%が耐震化され、平成34年度までに全て完了する予定でございます。
停電対策につきましては、これまでの非常用発電設備は、照明などに使用する保安電力の確保を目的としていたため、停電時の送水は困難な状況でございました。
そこで、停電時においても受水団体の必要水量を送水することができる新たな非常用発電設備の整備を進めており、今年度末には、全ての浄水場や中継ポンプ所において整備が完了する予定でございます。
また、災害時などで断水が発生した際に、県民に給水することを目的とした備蓄タンクにつきましても、増設を計画的に進めております。
地域防災計画では、災害発生から1週間で必要とされる1人当たりの目標水量が89リットルと定められており、この約700万人分の水量に相当いたします62万7,000トンの備蓄タンクを整備する計画です。
今年度末には、計画水量のうち98%が確保される予定です。
さらに、東京都と連携した取組として、東京都朝霞浄水場と埼玉県大久保浄水場の送水管路を連結管で接続し、約30万人が通常時に使用する水量である1日10万トンを相互に融通できるようになっております。
そのほか、平成30年度までに全浄水場の稼働状況を一元管理する水総合管理システムを整備することで、浄水場間の水の融通や職員の非常参集を迅速に行いまして、災害、事故が発生した際の被害を最小限に抑えることが可能となります。
次に、セキュリティ対策の強化についてでございます。
現在、全浄水場において、赤外線センサーによる機械警備と監視カメラによる不審者の侵入対策を行っております。
中継ポンプ所においても、浄水場と同様の赤外線センサーによる機械警備を行っておりますが、新たに遠方監視が可能なカメラの設置を検討しております。
また、今年度より、浄水場への来訪者に対しまして公的機関等が発行した身分証の提示を求めたり、行動範囲やカメラ撮影の制限を設けるなど、警備体制の強化を図りました。
さらに、万が一、毒物投入等のテロ行為が発生した場合に備えまして、微生物センサーに加えて、魚の異常行動を自動検出する装置を設置するなど、毒物監視体制の強化を検討しております。
今後も、県民の命と生活を守るため、県営水道の安定供給の強化にしっかり取り組んでまいります。
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